生成AI
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最終更新日:2024/05/17
NTT東日本は、タイワンリスの生息状況調査の省力化を図るため、鳴き声AI解析による識別調査を行いました。
このAIニュースのポイント
東日本電信電話株式会社は、タイワンリスの生息状況調査の省力化を図るため、鳴き声AI解析を用いた識別調査を行いました。実施期間は2024年2月19日~3月29日で、神奈川県のこども自然公園で行われました。
タイワンリスは、鎌倉をはじめ、横浜・川崎・横須賀の各エリアで増殖しており、害獣被害が問題となりつつあります。現在、人の手によって現地調査や対策が行われていますが、調査稼働の負担が大きいことが課題となっています。
そこで、NTT東日本は、録音した鳴き声をAIに検知させ生息状況や範囲を特定することで、これまで人が目視で行っていた現地調査の稼働削減に繋げ捕獲までの省力化をめざすことを目的に検証を行いました。
公園内の5か所に設置したボイスレコーダーによる音声データを、AIが解析・識別した結果、すべての設置場所で鳴き声が検知されました。雨の少ない日と人の少ない平日は高精度で検知された一方で、雨や人、ホワイトノイズによる誤検知も発生し、課題もみられました。
人が鳴き声を聞き取れる範囲の音声データから、AIが検知できなかった音声数も調査されましたが、AIが検知できなかった音声数は11件で、運用において大きな障壁となることはないという判断に至りました。
また、タイワンリスの鳴き声は鳥と類似しており、人が識別することは困難です。一方で、AIで識別検証をした結果、ボイスレコーダーからリスが離れている場合や、鳥などと鳴き声が重なっている場合においても漏らさずに検知し、高精度で鳥とタイワンリスを識別できました。この検証は、実用可能なレベルとし、今後は他の類似生物との識別が可能であるかどうかを調査予定です。
調査では、センサカメラと音声AIの比較検証も実施しています。センサカメラは、餌に集まるタイワンリスをターゲットに設置しましたが検知できる範囲が狭く、餌がなくなると検知数が激減してしまうことから、継続的な調査には不向きであることがわかりました。一方、音声AIに関しては、餌の有無による検知数の増減が少ないため平準的な収集が行えます。
NTT東日本は、今回の調査で得た知見と課題を改善し、タイワンリスやそれ以外の生態調査の省力化を実現するAIソリューションの提案拡大へ繋げる意向です。
出典:PR TIMES
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