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最終更新日:2024/02/21
PyTorchとは?
Facebookの人工知能研究グループが初期開発を行ったPyTorchは、Python向けのオープンソース機械学習ライブラリです。初版が2016年と機械学習ライブラリとしては後発ですが、直感的にコードが書ける、参照リソースが豊富などのメリットを持ち、多くの開発者から高い人気を得ています。
本記事では、PyTorchの概要やメリット・デメリットに加え、実際にインストールする方法についても解説します。AIによるサービス開発、研究開発に興味があり、本格的にPyTorchの活用を検討している方はぜひ、参考にしてください。
ディープラーニングについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
ディープラーニングとは?仕組みやできること、実用例をわかりやすく紹介
PyTorchとは、Python向けのオープンソース機械学習ライブラリです。元々、マルチパラダイムスクリプト言語である「Lua」を対応言語としたTorchを基にFacebookの人工知能研究グループが開発しています。
Pythonは、「機械学習を使ったAI開発」「WebサービスやWebアプリの開発」「ブロックチェーン開発」、「IoTの開発」などさまざまな分野で活用されているプログラミング言語です。

どれも将来的に需要が高いビジネスに応用できるため、Python向けの機械学習ライブラリはPyTorch以外にも多く存在しています。そのなかでもPyTorchは、ほかにはないさまざまなメリットを有し、効率的な開発を実現するとして大きな注目を集めています。

サービス、研究開発を行うには、多くの手間を要します。そのため、少しでも開発者の手間を軽減し、効率的な開発を実現する方法の一つがライブラリの活用です。
PyTorchもライブラリですが、ここではそもそもライブラリとはどのようなものなのかを解説します。また、Python向けとして、PyTorch以外の代表的なライブラリも併せて見てみましょう。
ライブラリとは、プログラミングを効率的に行うための方法で、頻繁に使われる機能を再利用しやすいよう一つにまとめたものです。具体的には、日付や時間表示、複雑な計算処理などを行う際に活用します。
ライブラリを活用することで、すべてのプログラムを一から作成する必要がなくなるため、効率的な開発が可能です。
ライブラリには、プログラミング言語をインストールした際に初めから組み込まれている標準ライブラリ、用途によってインストールする外部ライブラリがあります。
Pythonの代表的なライブラリとしては、PyTorch以外に次のようなものが挙げられます。

・json
Pythonの標準ライブラリの一つです。たとえば、Java-ScriptとPythonのように異なる言語間でデータのやり取りを可能にします。
・random
randomも標準ライブラリの一つで、数字やアルファベットなど規則性のあるものをランダムに表示させたい場合に使われます。
・datetime
現時点での日付や時刻の取得、過去もしくは未来の日時表示を行いたいときに利用する標準ライブラリです。
・math
数学的処理を行うための標準ライブラリです。指数関数、対数関数、三角関数のほか、絶対値や円周率の取得には欠かせないライブラリといえるでしょう。
・pandas
機械学習に欠かせない処理として、データの統計量表示やグラフ化が挙げられます。pandasは、データの読み込み、並び替え、欠損値の補完などデータ解析を行うのに使われる標準ライブラリです。
・TensorFlow
PyTorchよりも若干早い、2015年末にGoogleが開発、公開したPythonの外部ライブラリです。主に画像検索や音声認識技術、翻訳などに活用されています。
・NumPy
NumPyは、高速な数値計算を可能にする外部ライブラリです。Pythonは、Webサービスやアプリケーションの開発以外に、データ収集や分析にも活用されます。
その際、NumPyを使えば、高速で計算処理を行えるため、分析業務の効率化が可能です。
・Pillow
画像処理を行う際に使われる外部ライブラリです。複雑な画像処理でも容易に記述することができますが、より高度な画像処理を行う際は、OpenCVという別のライブラリを利用します。
・openpyxl
Pythonは、データ収集や分析などを行う際、Excelを活用するケースも少なくありません。その際、PythonからExcelを扱うための外部ライブラリがopenpyxlです。

PyTouchの構成は、次の6つからなっています。
・torch
基本的なデータ構造を示すTensorや上述した外部ライブラリ、NumPyの構造を模した数学関数が含まれたメインのネームスペースです。
・autograd
自動微分のオンオフを制御する関数や独自の微分可能関数を定義するFunctionが含まれています。
・nn
ニューラルネットワークの構築でデータ構造やレイヤーを定義する活性化関数や損失関数が含まれています。
・optim
パラメータを最適化するアルゴリズム「確率的勾配降下(SGD)」が実装されています。
・utils.data
SGDの繰り返し計算に関するユーティリティー関数が含まれています。
・onnx
Open Neural Network Exchangeの略称である、onnxの形式でモデルをエクスポートする際に使用します。
PyTorchはさまざまな特徴がありますが、なかでも注目を集めているのが、動的な計算グラフで設計されている点です。通常、ニューラルネットワークを構築するためのライブラリは、静的な計算グラフで設計されています。
動的な計算グラフは、柔軟性の高さが大きなメリットで複雑なネットワークであっても比較的、容易に実装することが可能です。そのため、Pythonの開発を効率的に行えるようになり、生産性も高まります。
もちろん、動的な計算グラフが静的なものよりも常に優れているわけではありません。開発されるものによっては、静的な計算グラフで設計されているほうが適している場合があります。
ただ、これまでのライブラリの主流が静的な計算グラフであったため、選択肢が増えたのは、PyTorchが大きな注目を集めるようになった要因の一つです。
近年、PyTorchがほかのライブラリに比べて高い人気を保っている理由はいくつか考えられます。なかでも大きいのは、新たにPythonの開発を始めたエンジニア、以前から開発を行っていたエンジニア双方にとってメリットがある点です。
PyTorchは、プログラム記述がシンプルなうえ、インタブリタのデバッグも簡単に行えることもあり、新しく始めるエンジニアにとって取り組みやすくなっています。
一方、ベテランのPythonエンジニアにとっても、従来のライブラリに似ていることで、直感的なコード作成が可能です。多くのエンジニアが取り組みやすく、扱いやすいことで、高い人気を確保しているといえるでしょう。

PyTorchの特徴、人気の理由を見たところで、次はPython開発にPyTorchを活用するメリットについて解説します。

PyTorchは、従来のライブラリと類似していることで、ベテランのPythonエンジニアにとっても扱いやすい点を紹介しました。なかでもPythonの開発には欠かせないNumPyに似ているのは大きなメリットといえるでしょう。
高速な数値計算を可能にするNumPyに近い操作性を持っていることから、PyTorchはこれまでNumPyを使っていたエンジニアにとって乗り換えやすいライブラリといえます。
PyTorchは、動的な計算グラフで設計されていますが、これをdefine by run方式といいます。これに対し、静的な計算グラフで設計されているものはdefine and runです。
define by runは、ニューラルネットワークを構築してからデータを流すdefine and runに比べ、データを流しながら計算グラフを構築します。そのため、途中の処理結果を確認しながら構築していけるため、デバックが楽になり、途中での処理内容の変更も可能です。
一般的にニューラルネットワークでは、ループごとに計算グラフの構造が変化することを前提としたアルゴリズムが多くなっています。そのため、より直感的な操作を行えるのはdefine by run方式のメリットといえるでしょう。
具体的な操作方法や記述など細かい部分で困ったことがあった際、相談できるコミュニティが活発なのもPyTorchのメリットです。
また、参照可能なリソースが豊富で初心者であってもすぐに活用できるのも、PyTorchをおすすめする理由といえます。
近年、サービスや研究開発もクラウド環境で行えることは重要なポイントの一つです。場所を問わず開発ができるだけではなく、デバイスのスペックや環境に依存しないスムーズな開発が行えるのは、大きなメリットといえるでしょう。
PyTorchは、Alibaba Cloud、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform、Microsoft Azureなど主要なクラウドサービスにすべて対応しているため、ストレスのない開発が可能です。
さまざまなメリットを持つPyTorchですが、登場してから間もないこともあり、少なからずデメリットも存在します。主なものとして挙げられるのは、次の3点です。

PyTorchはほかのPythonライブラリに比べ、後発ということもあり、英語の情報は多いものの、最新の情報を日本語で入手するのは容易ではありません。
コミュニティは活発ではあるものの、英語でのコミュニケーションが中心です。日本人が欲しい情報を入手するためには、PythonやPyTorchに関する英語を理解しているのはもちろん、日常的な会話力も求められます。
Pythonは機械学習を使ったAI開発やWebサービスやWebアプリケーションの開発、IoTの開発などに利用される言語です。しかし、PyTorchは研究者が学術研究や論文などでの利用が中心であり、前述したような用途での利用はまだそれほど多くはありません。
通常、開発で利用するには、高レベルのAPI(Application Programming Interface)が求められます。しかし、後述しますがPyTorchのAPIは低レベルのため、一般的な用途での利用は難しいというのが現状です。
前項で挙げたように、APIのレベルが低いのはPyTorchのデメリットといえるでしょう。低レベルとは、人間の言語水準からは遠く、機械の言語水準に近いものと言えます。
そのため、プログラミングの難易度が高く、ある程度慣れないと、特に一般的な用途での開発は難しいでしょう。

実際にPyTorchのインスト―ルを行う手順を見ていきましょう。なお、ここでは初めてPython開発を行う方を前提として、Pythonのインストール手順から解説します。
Pythonをインストールするには、Pythonの公式Webサイトにある、「Downloads」から行います。
Windows版、macOS版のほか、Other Platformsという項目もあるので、自身の環境に合ったものを選択し、移動したページでPythonパッケージをダウンロードし、インストールをしてください(ここではWindows版で説明しますがパソコンにダウンロードするまではどのOSでも方法は変わりません)。
注意点としては、必ず最新のバージョンをダウンロードする点です。古いバージョンをダウンロードしないよう、必ず「latest」の表示があることを確認したうえでダウンロードしましょう。
また、PyTorchを使う場合、GPUの使用をサポートしているため、CUDA Toolkitのバージョンであるかどうかと自身のパソコンがGPUのCADAに対応しているかの確認も忘れずに行ってください。
インストール方法は、ダウンロードしたパッケージを実行し、「Add Python 3.x to PATH」にチェックを入れ、インストールを開始します。
インストールが終了したら、Windowsシステムツールのコマンドプロンプトを選択し、「python」を入力し、エンターを押下すれば、Pythonが起動します。
続いてPyTrochのインストール方法を解説します。
PyTorchの公式Webサイトへ行き、トップページにある「Get Started」を押下し、その後「「START LOCALLY」で自身の環境を選択してください。なお、Windows、Mac、Linuxでそれぞれ何を選択すればよいかは、ページ下部に記載されています。
「Run this Command:」に表示されるコマンドをコピーし、先ほど開いたコマンドプロンプトにペーストします。
エンターを押下し、PyTorchのバージョンが表示されればインストールは完了です。
なお、この時点では、ローカル環境でしか動きません。
もしオンライン環境で作動させたい場合は、Googleの研究プロジェクトの一つであるGoogle Colabの活用もおすすめです。

PyTorchとは、Python向けのオープンソース機械学習ライブラリです。元々はFacebookの人工知能研究グループがTorchを基に開発したもので、2016年とPythonのライブラリとしては後発ですが多くの開発者から注目を集めています。
PyTorchが注目を集める理由はさまざまですが、なかでも大きいのは動的な計算グラフで設計されている点です。従来、静的な計算グラフで設計されたライブラリが多かったなかで、柔軟かつ高速な開発を可能とする動的な計算グラフで設計されていることから、利用する開発者が増加しています。
日本ではまだ海外に比べコミュニティが活性化はしていませんが、使いやすさや参照可能なリソースが豊富なことで将来的に主流になる可能性が高いライブラリです。
これからPythonを使って開発を行っていきたいといった際には、ぜひ、ライブラリの一つとしてPyTorchの活用をおすすめします。
機械学習について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
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