PDFから文字認識でテキストデータ化する方法|OCRを使った文字起こしを解説
最終更新日:2024/05/29
PDFファイルの文字をテキスト化すると、手動で入力する手間が省けたり、データ管理がしやすくなったりなどのメリットがあります。OCR(文字認識)を利用することで、PDFファイルの文字をテキストデータ化することが可能です。
本記事ではPDFを簡単にテキスト化する方法や、おすすめのOCRアプリについて紹介します。PDFファイルを後から編集したい方や、データ管理を効率的に行いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
PDFはOCRで簡単にテキストデータ化できる!
PDFファイルの文字や画像、写真などをテキスト化する場合、OCR機能(文字起こし)を使用することで簡単にテキストデータとして変換することができます。まずはOCR機能について理解を深めていきましょう。
OCR(オーシーアール)とは
OCRとはOptical Character Readerの略で、PDFや画像、写真などのテキスト部分を認識し、文字データに変換する技術のことです。文字の解析から出力まで自動で行うため、簡単にPDFファイルを文章データとして保存できます。
OCR機能を利用して文字データに変換すると、PDFの内容をダイレクトに編集できる他、キーワード検索を行えるようになるなどのメリットがあります。スマートフォンの機能としてやビジネスの場など、さまざまなシーンで活用されており、業務効率の向上が期待できます。
OCRを利用するメリット
OCRを利用するメリットは、次の通りです。
- データを手動で入力する手間が省ける
- キーワード検索が可能になる
- PDFの内容を編集できる
- ExcelやWordなどの他形式ファイルへの変換ができる
PDFファイルは画像として保存されているため、コピーやペースト、編集などの作業ができません。しかし、OCRを利用してテキストデータに変換すると、PDFを見ながらデータを手動で入力する手間が省けます。PDFの文章をコピー・ペーストできるのはもちろん、内容をダイレクトに編集することも可能です。PDFの元データを変更し、再度PDFを出力する必要もありません。
さらにPDFをテキスト化することで、データ内のキーワード検索ができる点もメリットです。またPDFにOCRを適用するとExcelやWord、PowerPointなどの他形式ファイルに変換して保存できるため、情報の管理がしやすくなるでしょう。
OCRでPDFから文字認識・テキスト化させるにはソフトが必要
OCRを利用してPDFをテキスト化させるためには、専用のソフトが必要です。ソフトには有料版と無料版があり、それぞれ特徴やメリットが異なります。
有料版はOCR以外の機能も搭載しているものが多く、読み取りの精度が高い反面、コストがかかる点がデメリットです。一方で無料版は、コストを抑えて手軽にOCRを活用できるため、個人利用に向いている特徴があります。しかし、高精度のソフトを求めている方や、OCR以外の機能も利用したい方には向いていません。
ここからは有料版と無料版に分けて、おすすめのソフトを紹介していきます。
- 有料のおすすめOCRツール・アプリ
- 無料・フリーのおすすめOCRツール・アプリ
自分の利用する環境に合わせて、目的や用途に適したソフトを選びましょう。
有料のおすすめOCRツール・アプリ
Adobe Acrobat
Adobe AcrobatはPDFをダイレクトに編集できる他、高い再現性で他のファイル形式への変換が可能です。重要なデータをパスワードで保護でき、セキュリティ対策も行えます。OCR以外にも、ページの追加や削除などPDFをフル活用できる豊富な機能が詰まっているおすすめのツールです。モバイルアプリからも利用できるため、Google PlayやApp Storeからダウンロードできます。
Wondershare(ワンダーシェア)「PDFelement Pro」
PDFelementは、PDFの作成や変換、編集などの作業をすべて完結できるツールです。Word感覚で誰でも直感的に操作でき、OCR以外のさまざまな機能も搭載されています。簡単で機能性が優れているにもかかわらず、買い切りタイプのため比較的リーズナブルな点もおすすめできるポイントです。
ソーネクスト「いきなりPDF Ver.10 COMPLETE」
いきなりPDFは、PDF全体のテキスト化はもちろんのこと、ピンポイントでの変換もできます。さらにPDFの直接編集や、コメント・ハイライトの挿入などの便利な機能が搭載されている点も魅力です。またシンプルで簡単に操作できるため、OCRソフトが初めての方でも使いやすいでしょう。
無料・フリーのおすすめOCRツール・アプリ
Renee PDF Aide
Renee PDF Aideは、PDFをテキストに高速変換する他、ダイレクトに編集できる機能などが搭載されたフリーソフトです。さらに複数の形式に変換でき、最大1分間で200ページをスキャンすることもできます。高性能で優秀な無料ソフトを探している方におすすめです。
OCRSpace
OCRSpaceは登録やインストールが不要で、Web上にPDFをアップロードするのみでテキスト化できる無料のオンラインOCRツールです。文字起こしをしたいPDFファイルを選択すると、すぐに文字として変換されるため、誰でも簡単に使用できます。直感的に使用でき、必要最低限の機能のみ搭載されているシンプルさが魅力です。
LightPDF
LightPDFは高精度なPDFのテキスト化に加えて、編集可能な形式に変換できる無料ツールです。すべてのデータが変換後に自動で削除されるため、安全に使用できる点も魅力といえます。OCRツールが初めての方でも、簡単で手軽に使用できるでしょう。
Adobe Acrobatを使ったPDFや画像の文字認識の方法
OCRでPDFファイルや画像、写真のテキスト部分を認識させる方法を紹介します。例として、Adobe Acrobatを使用して解説していきます。また、Adobe Acrobatを使用して文字認識させる方法は、次の2通りです。
- スキャン時にOCR処理を行う方法
- スキャン済みのPDFデータにOCR処理を行う方法
それぞれの方法の手順や流れについて、詳しく解説していきます。
スキャン時にOCR処理を行う方法
Adobe Acrobatでは、スキャン時にOCRを適用させることができます。スキャン時にOCR処理を行う方法は、次の通りです。
- Adobe Acrobatを起動
- ファイル/作成/スキャナーからPDF/プリセット設定を選択(すぐにスキャナーを利用する場合はカスタムスキャンを選択)
- プリセット設定の操作画面で「検索可能にする(OCR実行)」にチェック
- 隣にある「オプションボタン」を押す
- 「OCRの言語」と「PDFの出力形式」を選ぶ
- 「スキャン」もしくは「保存」ボタンをクリックし、操作画面を閉じてスキャンを開始
OCRをあらかじめ設定しておくことでテキストとして認識されるため、手間が省ける点がメリットです。PDFの文字起こしを頻繁に行う方であれば、自動でOCR処理が実行されるように設定しておきましょう。
スキャン済みのPDFデータにOCR処理を行う方法
続いてはスキャン済みのPDFデータに、後からOCR処理を行う方法を解説します。こちらもAdobe Acrobatを例として解説していきます。
- Adobe Acrobatを起動し、テキスト化したいPDFを選択
- ツール/スキャン/テキスト認識/このファイル内をクリック
- 第2ツールバーからテキスト化したいページを指定
- 「設定」から言語や出力形式を選択する
- すべての設定が完了したら「OK」ボタンをクリック
PDFにOCR処理が行われると、編集やキーワード検索ができるようになります。
OCRでPDFや画像を文字起こしする際の注意点
OCRでPDFや画像をテキスト化する際には、いくつかの注意点があります。OCRの利用時は、次の点に注意しましょう。
- スキャナの解像度は200~300dpiに設定
- スキャン時のカラーは白黒を選択
- 文字の傾き・かすれがないか確認
スキャナの解像度は画像の鮮明度を左右するため、文字認識の精度にも影響を及ぼす点に注意が必要です。解像度は高ければ良いわけではないものの、低いと文字認識の精度が落ちてしまいます。スキャン時の解像度は、200~300dpi程度に設定することをおすすめします。
またスキャン時はカラーではなく、白黒を選択しましょう。カラーを選択すると、文字を誤って認識する原因となります。その他にも、文字の傾き・かすれも文字認識の精度を低下させる原因の一つです。さまざまな問題を避けるためには、解像度やカラー、文字の不具合に注意することがポイントです。
まとめ
PDFはOCRと呼ばれる文字データに変換する技術を利用すれば、簡単にテキスト化できます。OCR機能は、PDFの内容をダイレクトに編集できる他、キーワード検索や他形式への変換などが行える点がメリットです。OCRを利用してPDFをテキスト化する場合は、専用のソフトを利用する必要があります。
専用ソフトはWindows版やMac版などで分かれている可能性があるため、OSは必ず確認しましょう。また、ソフトには有料版または無料版があるため、自分の目的によって選ぶことをおすすめします。本記事で紹介した注意点を踏まえた上でPDFをテキスト化し、業務効率を向上させましょう。
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