AIを、学ぶ。「ManabiAI vol.10 DX (デジタルトランスフォーメーション)の本音トーク」【AIイベントレポート】
最終更新日:2024/03/26
2019年9月3日にWeWork GINZA SIXで開催された「ManabiAI vol.10 DX (デジタルトランスフォーメーション)の本音トーク」に参加し、業界に先駆けてDXに取り組み、AI、RPAの導入に挑戦する2社の講演を聴講してきました。
今回の記事では、講演の中で紹介された最新のAI実証実験と、DXの取り組みについてレポートいたします。
AIを、学ぶ。「ManabiAI」 各界のトップランナーが語るAIの現状と未来
ManabiAIは、日本サード・パーティ主催のAIに関するプライベートイベントです。
専門家が語る堅苦しいセミナーではなく、「学びあい」の場です。AI×ビジネスをテーマに、各分野で活躍するトップランナーを講師が、AIの現状と未来について、各社の取り組みや思いを語ります。
WeWork GINZA SIXはアットホームな雰囲気の会場で、イベント後半のネットワーキングでは、四季を感じられる軽食と飲物を楽しみながら、AIに対して気づきを得ることができる体験の機会を提供されています。
第10回の節目となる今回のManabiAIでは、「DXの本音トーク」と題して2社が講演を行いました。
セミナー内容ダイジェスト
第1部:ソフトバンク「ラストワンマイルマッチング構想」物流効率化を目指して協業
企業名:ソフトバンク株式会社
講演者:河本 亮 氏
ソフトバンクの河本氏は、荷出から宅配までの日本のサプライチェーン全体のデジタル化を目指す取り組みの中で、各地方の最終配送拠点からお客さま宅までの配送を最適化する「ラストワンマイルマッチング構想」について語りました。
2019年7月2日、イオン九州株式会社とソフトバンク株式会社は、イオン九州の店舗からの商品配送をICT(情報通信技術)によって効率化することを目指し、物流分野において協業することを同社のプレスリリースで発表しています。
(プレスリリース:イオン九州とソフトバンク、ラストワンマイルの物流効率化を目指して協業)
生鮮食品をはじめとするネットスーパーの注文品をお客さま宅まで配送する業務を、地域の配送ドライバーとマッチングするシステムを使った実証実験です。ネットスーパーの配送業務には、お客さまへの荷量が日によって異なるにもかかわらず、常時、配送車両のトラックを一定数確保する必要があり、余分なコストの発生や急な需要の変化に対応できないなどの課題があります。配送マッチングシステムにより、配送コストを固定費用から変動費用へ変更し、需要に応じたコストの最適化を狙います。
ソフトバンクグループはさまざまな最新テクノロジーを開発する企業に出資しています。イオン九州をはじめとして、実際の物流現場における取り組みを進めながら、今後も物流分野におけるデジタル化を推進し、効率的なサプライチェーン構築の実現を目指していきたいという思いを語ってくれました。
第2部:JXTGエネルギーが目指すAI技術を活用した「デジタル革命の進展」
企業名:JXTGエネルギー株式会社
講演者:赤池 博 氏
JXTGエネルギーの赤池氏は、AI・人工知能やRPAを活用した石油業界ならではのDXの取り組みついて語りました。
JXTGエネルギー株式会社は、JXTGグループの長期ビジョン・中期経営計画の中で、トレンドの3つの柱の一つに「デジタル革命の進展」を示しています。(2040年JXTGグループ長期ビジョン)
DXの取り組みの1つが、日本のIoT分野でディープラーニングの研究と開発を行う株式会社Preferred Networks(以下、PFN)との協業です。2019年6月25日のプレスリリースで、PFNへの出資、ならびに戦略的な協業体制の構築をすることを発表しています。(プレスリリース:株式会社Preferred Networksとの協業について)
AI技術を活用した革新的事業として、石油精製などの「プラントの自動運転」を掲げており、大規模かつ複雑なプラント設備をAIで自動制御するスマートプラントの実現を計画しています。このほか画像認識やデータ分析・解析を中心に、30件を超えるPOCから見えた成功事例や人材活用、組織的な課題などの先進的な取り組みについて本音トークで披露してくれました。
JXTGエネルギー社は石油事業を基盤としながら、AIやRPAといった最新のテクノロジーを用いた革新的な事業の「創出」と「実行」に率先して取り組んでいます。足元の事業に拘ることなく、より幅広い分野でのDXを推進する積極的な姿勢に、今後も注目していきたいと思いました。
ManabiAIを終えて
2社の講演を通して、DXによる業務効率化や生産性の向上という「大きな期待」と、現業部門が大きな変革を望んでいないという「現実」とのギャップが課題として浮き彫りになりました。
具体的な課題解決の手法について講演後の質疑応答でも取り上げられるなど、聴講者の関心を集めています。
パートナー企業と協業し、異なる業界で共創できる環境を戦略的に構築しながらも、実際のDXの実現のためには、現場に出向いて、現物に触れて、現実を見ることが必要だという意見もありました。
特に現場の人材のノウハウ、知財情報を最新テクノロジーに上手く活用できるかが重要だと思いました。
ManabiAI vol.10 DX (デジタルトランスフォーメーション)の本音トーク
会期:2019年9月3日(水)
会場:WeWork GINZA SIX
第2回 人財価値創出フォーラム「言葉にしづらいノウハウ、共有できていますか?」
日本サードパーティ社は、AIをお客様の業務改善に合わせ選定、提供するサービス「Third AI」を提供しています。また、AIがもたらす社会的な影響や今後の可能性について、ManabiAIのほかにも最新のAIビジネスについて学び合う場を提供しています。
2019年9月25日に開催予定の第2回「人財価値創出フォーラム」では、暗黙知かつ属人的になりがちなノウハウやスキルを、いかに組織内で共有し、社員を育成することができるのかを、今話題のHRテクノロジーを提供する企業や事例企業による講演と質疑応答を通して学びます。
マイクロラーニングやVRを活用した「経験学習モデル」で実現する、これからの人財育成施策を考えるきっかけとなることを目的とした講演会です。ご興味のある方は、是非ご参加ください。
開催概要
開催日時 2019年9月25日(水) 13:00-16:30 (受付開始 12:30)
会場 日比谷図書文化館 B1F 日比谷コンベンションホール (東京メトロ霞が関駅、JR新橋駅等より徒歩)
入場料 無料 (事前登録制)
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