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AIレコメンド活用事例|人工知能AI進歩による技術や機能を紹介

最終更新日:2024/03/08

Eコマースサイトで買い物をしていると、おすすめの商品が次々と紹介されます。どれも好みにぴったりで、勧められるままにたくさん購入してしまった……という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。こうしたレコメンド機能において、昨今はAIを活用している事例も増えています。

そこで今回は、AIレコメンドの種類やメリット・デメリット、活用事例などを詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

AIのレコメンドとは

AIレコメンドとは、ユーザーの購買履歴やお気に入りといったデータを分析し、おすすめの商品・サービスを提示する手法のことです。実店舗でのショッピングの場合、店員とコミュニケーションを取りながら趣味嗜好にあう商品を選んでいくのが一般的ですが、AIレコメンドを活用すれば、AIにオンライン上でおすすめを提示させることが可能になります。

そんなAIレコメンドには、さまざまなデータを活用してユーザーひとりひとりに最適な商品が何かを分析するアルゴリズムが用いられます。サイトを利用していると、ユーザーの商品の購買履歴や視聴履歴、行動履歴などといったさまざまなデータを収集することが可能です。

こういったデータはビッグデータとも呼ばれ、このビッグデータをAI(機械学習)のアルゴリズムが解析していくことによって、ユーザーの趣味嗜好の傾向などを明確にしていくことができます。そして、その解析結果をもとにおすすめの商品サービスを表示させることで、さらなる成果を期待できるようになるのです。

AIレコメンドの種類

AIレコメンドには、大きくわけて4つの種類(ルールベースレコメンド、協調フィルタリング、コンテンツベース・フィルタリング、ハイブリッド・レコメンデーション・システム)が存在します。

ルールベースレコメンド

ルールベースレコメンドとは、「このような行動を取ったユーザーには、このような情報・製品を提供していく」といったルールを決めておくアルゴリズムです。

最もシンプルなレコメンドアルゴリズムであるため、比較的導入しやすい傾向にありますが、応用を利かせることはできません。そのため、より柔軟に対応できるレコメンドエンジンを構築したい場合には、ルールベースレコメンドだけではなく別のアルゴリズムも活用していく必要があります。

協調フィルタリング

協調フィルタリングは、レコメンデーションにおいて最も一般的な技術といえるものです。アクセス履歴や行動履歴をもとに、「その商品を購入した人は、どのような商品を購入しているのか」を明らかにし、ユーザーにおすすめ商品として提示します。

たとえば、電動シュレッダーを購入したユーザーには「シュレッダーを購入したい」という目的があったことが予想できます。当然、その後同じ電動シュレッダーの商品ページを訪れるユーザーにも「シュレッダーを購入したい」という目的を持っていることが想定できるわけです。そのため、過去にその電動シュレッダーを購入したユーザーたちのアクセス履歴などを蓄積していくことで、「その電動シュレッダーを購入した人が次に購入を検討するのは何か」を明確にできるのです。

コンテンツベース・フィルタリング

コンテンツベース・フィルタリングとは、「商品のカテゴリ」と「ユーザーの好み」の関連性をもとにレコメンドを行う仕組みのことです。事前に商品をカテゴリごとに分けておくことで、「そのカテゴリを選んだ人は、他にどのような商品を購入しているか」といったデータを収集していきます。

そのため、協調フィルタリングのようにデータの蓄積期間が必要なく、カテゴリ分けした時点でレコメンデーションをすることができるようになるのです。

ハイブリッド・レコメンデーション・システム

最近では協調フィルタリングやコンテンツベース・フィルタリングの持つ課題を解決するための技術も導入され始めています。それが、ハイブリッド・レコメンデーション・システムです。これは、異なるフィルタリング技術を組み合わせてレコメンデーションを行う仕組みのことで、最近ではアメリカのNetflix社などで使用されています。それぞれのレコメンドエンジンの弱点を補い合うことで、より精度の高いレコメンデーションができるのです。

なお、以下のページではそれぞれの種類についてより詳しくご紹介していますので、よろしければこちらも併せてご覧ください。
AIレコメンドエンジンとは?仕組みや活用事例をわかりやすく紹介

AIレコメンドを活用するメリット

AIレコメンドを活用することで得られるメリットは数多く存在しますが、特に大きなメリットとして挙げられるのは「ユーザーごとに最適な商品・サービスを提示できる」という点です。

近年はオンラインショッピングの需要が高まっており、さまざまなユーザーがスマホやパソコンで商品・サービスを購入しています。しかし、ユーザーごとに趣味嗜好は異なるため、すべてのユーザーに同じ商品・サービスをおすすめしても良い反応を得られるわけではありません。

その点、AIレコメンドを活用すれば、顧客ごとの購入予測分析(パーソナライゼーション)が可能になるため、ユーザーごとに最適なレコメンドを行えるようになるのです。これは、AIレコメンド最大のメリットと言っても過言ではありません。

また、AIレコメンドを導入することで、クロスセル(目的以外の商品購買)やアップセル(上位モデルの購入)を効率的に行えるようになるというメリットもあります。購入履歴や行動履歴といったデータを有効活用することで、よりユーザーが興味を示しそうな提案を行い、売り上げ向上に繋げていけるのです。

AIレコメンドを活用するデメリット

さまざまなメリットがある一方で、いくつか注意しなければならない点も存在します。たとえば、データの量によってAIの学習精度にバラつきが生まれてしまう点は、一つの注意点(デメリット)といえます。

扱う商品のなかで、閲覧数や購入頻度が高くないものは、「需要のないもの」と認識され、レコメンドされにくくなってしまうことがあります。しかし、購入数自体は少なくても質の高い商品は存在するため、企業側が紐付けをして適切にレコメンドされるよう対策していく必要があるのです。その作業に手間がかかってしまう点は、一つのデメリットといえるかもしれません。

人工知能の技術進歩により感情分析やリアルタイム解析機能も登場

近年は、AI(人工知能)の技術が革新的に進歩しており、感情分析やリアルタイム解析といった機能を搭載したAIレコメンドも多くなってきています。たとえば、SENSY株式会社が提供する「SENSY Marketing Brain」は、ユーザーひとりひとりの属性・購買履歴などをもとに、パーソナライズしたマーケティングを実現します。最適なチャネルの選定、レコメンド商品、キャッチフレーズ、デザインなどを全てパーソナライズ化することができます。

機能の一つであるパーソナライズDMは、属性や購買履歴から企業のお客様ひとりひとりの感性・好みを学習し、お薦め商品/オファー内容を作成していくというもの。クロージング過程におけるレコメンドを最適化し、ハガキDM・メルマガ・ECレコメンドなどそれぞれ実際にお客様にお届けするまでサポートします。

また、パッケージサービスの「ワンストップ スマートDM」では、DMデザイン、印刷、投函までワンストップで提供しているため、大幅な業務効率化を実現可能です。

AIレコメンド活用事例4選

最近では、さまざまな企業がAIレコメンドを活用し始めています。ここからは、AIレコメンドの活用事例を4つご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

株式会社ライトオン

SENSY株式会社の企業情報|<a href=需要予測やWeb接客ツールの開発ベンダー|AI・人工知能製品サービス・ソリューション・プロダクト・ツールの比較一覧・導入事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディアAIsmiley” width=”200″ height=”” />

感情を分析するパーソナル人工知能の「SENSY」は、衣料品販売大手のライトオンと共同で、レコメンドサービス「ONIAI」を開始しました。

レコメンド機能には、ジーンズに特化した「“運命のジーンズ”レコメンド」、ユーザーの好みに合わせてよく買うアイテムを提案する「“いつものANSHIN アイテム”レコメンド」、AIとライトオンスタッフがおすすめする「“キミにONIAI コーデ”レコメンド」、ユーザーが興味を持っているアイテムや好みに合わせておすすめする「“スタイリングのススメ”レコメンド」の4種類があります。

通常のレコメンド機能は、ユーザーがECサイト上で閲覧したものや過去に購入したものから需要を予測しますが、感情を分析するというSENSYの特性を生かし、ここにライトオンスタッフの意見も導入。スタッフが実際に試した2400ものスタイルサンプルがレコメンド機能に反映されており、ユーザーはまるで専属スタイリストとともに商品を選んでいるような気分で買い物ができます。

Eコマースは、時間や店舗の立地を選ばずにユーザーの都合に合わせてショッピングが楽しめる反面、接客にあたる店舗スタッフがいないため、適切な「声かけ」ができません。そのため、ユーザーは何か不満や疑問を感じると購入まで至らず、ページから離脱してしまいます。昨今はこうしたユーザーの利便性を向上し、買い物を手助けするWEB接客と呼ばれる機能が充実したEコマースサイトも増えています。AIによるレコメンド機能もこうした取り組みのひとつといえます。

SENSYのサービス詳細を見る

EXest株式会社

近年拡大する外国人訪日客向けインバウンド業界でも、AIによるレコメンド機能が活用されています。

通訳案内士が考案したアクティビティプランと外国人旅行者をマッチングするプラットフォーム「WOW U(ワオ ユー)」を運営するEXestは、富士通と共同で、AIで外国人旅行者の潜在ニーズを探り、最適なプランをおすすめする実証実験を開始しました。

現在は、これまでの経験やノウハウをもとに、EXestの専用スタッフが旅行者のニーズにあわせたプランを選び出しています。今回の実証実験は、これをAIに任せることで提案にかかる時間やコストを削減するというものです。

日本を訪れる外国人旅行者が3,000万人を超える中、観光や食などのニーズが多様化しています。リピーターも増えており、東京、大阪、京都といった従来の定番コースだけでなく多種多様な楽しみ方の提案が求められています。観光客誘致を進める地方都市への送客も求められている中、AIによって膨大なデータからを分析することで、よりアクティブに地方の魅力や歴史を反映した観光プランを提案することができます。

Exest社のサービス詳細を見る

株式会社ラコステ ジャパン

ラコステジャパンでは、当初EC サイトでシルバーエッグ社の「アイジェント・レコメンダー」と、メールレコメンドサービスの「レコガゾウ」を利用していましたが、オプションサービスである「バッチレコメンド / POS 連携オプション」を加え、EC 以外の店舗会員にもそのサービス範囲を広げています。

この仕組みにより、チームラコステに登録いただいたお客様の実店舗での販売履歴をEC のレコメンドの仕組みに載せて、AI に分析させ、「次に何を買う確率が高いか」というデータを出すことができるようになりました。それを、顧客一人ひとりに任意のタイミングで「おすすめ品」として紹介し、ワンクリックでEC サイトの商品ページへとアクセスできるようになっています。

例えば、いままで単に全会員に流していた「セールの案内」のメールが、この仕組みを導入したことによって「あなたにぴったりの商品が、セールで買えますよ!」という、よりお客様個人に寄り添った案内に変えることができるようになったそうです。

GMOペパボ株式会社

「もっとおもしろくできる」という企業理念のもと、「インターネットで可能性をつなげる、ひろげる」をミッションに掲げ、国内最大のハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」を運営しているGMOペパボ株式会社では、ハンドメイド作品を「買いたい人」と「売りたい人」をつなげるものづくりの総合プラットフォームにおいて、シルバーエッグ・テクノロジー株式会社のAIレコメンド「アイジェント・レコメンダー」を導入しています。

もともとGMOペパボ株式会社では、購買履歴に基づく協調フィルタリングベースのレコメンドエンジンと、画像分析で類似商品を表示するレコメンドエンジンの2種類を自社開発し、運用していたそうです。しかし、もっと成果を上げるために必要なことは何かと考えた結果、“今”そのユーザーがほしいものをレコメンドしたい、ユーザーの閲覧情報をリアルタイム解析したレコメンドが必要だという結論に至ったといいます。

その結果、レコメンド表示を行っているすべての枠で効果を生み出すことに成功しました。具体的な数値でいうと、作品ページでレコメンドした作品のコンバージョンレートがアイジェント・レコメンダーにリプレイス後176%向上したといいます(※リプレイス前後6ヶ月毎比較)。

まとめ

今回は、AIレコメンドの種類やメリット・デメリット、そして活用事例などをご紹介しました。

人の手によるレコメンドは、知識や経験が要求されるほか、その人個人の主観や好みが反映されてしまい、必ずしも適切とはいえないこともあります。その点、データに基づいて客観的に判断できるAIであれば、万人に向けてよりパーソナライズされたレコメンドシステムとすることが可能です。

知識や経験を有したスタッフを育成するにはコストも時間もかかりますが、AIによるレコメンド機能は人材育成に比べて手軽に導入できるというメリットもあるのです。AIによるレコメンド機能は、リアル店舗にはないECならではの強みとなると考えられます。

少子高齢化に伴う人手不足が深刻化している現代において、業務効率化とサービス品質向上の両立は欠かせません。ぜひこの機会に、AIレコメンドの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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AIsmiley編集部

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