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最終更新日:2024/03/13
AIが銀行・金融業界に与える影響とは
近年の銀行業界や金融業界では、支店の運用コスト増加やサイバーセキュリティ対策の強化、従来型のビジネスモデル維持困難など、さまざまな課題を抱えています。そこで課題の解決をはかる手段として注目されているのが、AI(人工知能)技術です。
銀行・金融業界の現場にAIを導入することで、自動化による業務効率化をはかったり、AIモニタリングによるサイバーセキュリティ対策の強化を実現したりすることが期待されています。実際に多くの現場でAIの導入が進められており、問い合わせ対応業務や不正取引の検知業務など、さまざまな場面でAIが活躍しています。
そこで今回は、AIテクノロジーが銀行・金融業界に与える影響とその活用事例について、具体的なAI活用事例も交えながら詳しく解説します。
AIの活用事例について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能の利用例を解説!機械学習を活用した身の回りの実用例

近年、銀行・金融業界では以下のように多くの課題が生じています。
まずは銀行・金融業界が抱えるそれぞれの課題について詳しく解説します。
銀行・金融業界の経営には莫大なコストがかかり、中でも支店における金融サービスの運用コストは特筆すべき点があります。支店の運用コストにおいて大半を占めるのが、人件費や店舗の賃料です。銀行には立地の良さが求められる傾向にあり、なおかつ書類の保管スペースや広大な金庫を必要とするために、賃料も莫大になりやすいのが特徴です。
各支店で多くの銀行員が働いているために、人件費の負担も大きく、支店が多いほど運用コストが膨らんでいくという課題を抱えています。
近年では、世界的にサイバー攻撃が激化しており、企業はサイバーセキュリティへの対策を迫られています。このことから、アンチウイルスソフトの導入やネットワークの強化など、サイバーセキュリティ対策関連のコストが増加しているという課題もあります。
サイバー攻撃は年々規模が拡大するとともに、手口も巧妙なものに進化しています。そのため、サイバーセキュリティ対策を施してもすぐに別の抜け道を使って攻撃される、いたちごっこの状態が続いています。
また、サイバーセキュリティに対する要件の高さから、安易に業務効率化を図るツールを導入できず、職員の手作業によって膨大な作業量をこなしている状況があります。支店の運用コストが嵩んでいる背景には、こうしたツール導入に慎重な姿勢も関係しているのです。
日本政府の政策でマイナス金利が続いており、融資が伸びにくい状況が改善していません。超低金利政策が解除される見込みは現在のところ薄く、融資に対する利息で利益を確保するビジネスモデルの維持は困難な状況になっています。
また、国内の人口減少に歯止めがかからず、資金需要も縮小傾向にあります。企業の業績悪化や融資先の倒産を見越して引当金を大量に積み増しする必要もあり、根本的なビジネスモデルの変革が求められています。
銀行におけるAI活用には、さまざまな例があります。近年よく活用されているものとしては、OCRやRPA、AIによる機械学習、問い合わせ対応におけるチャットボットの導入などが挙げられます。
特にチャットボットの導入は多くの現場に広まっています。社内向け、お客様向け双方の事例があり、蓄積した社内FAQをチャットボットで検索できるようにしたり、お客様の疑問を解消する目的で自社のWebサイトにチャットボットを設置したりする使い方が可能です。
他にも、自社の金融システム運用を自動化するためにAIを導入し、業務効率を向上させる活用例も増えてきています。これにより、社内のオペレーションの負荷軽減をはかれるだけでなく、お客様向けに提供しているシステムのパフォーマンス向上もはかれます。
銀行業務にAIを活用することで、人間によるオペレーションが減少して人件費の削減につながるとともに、銀行がさらに利便性の高いサービスをお客様へ提供できるようになる可能性が高まります。

AIが銀行・金融業界に与える影響として、AIを活用した自動化の実現による業務効率化や、AIモニタリングによるサイバーセキュリティ対策の強化などが挙げられます。
AIによって銀行業務全般の業務効率化と顧客満足度の向上がはかれる一方で、人の手で行う業務は相対的に減少すると考えられるため、銀行・金融業界で働く従業員の中には、自分の仕事がなくなってしまうのではないかと危機感を募らせる人も少なくありません。
ここでは、それぞれの影響について詳しく見ていきましょう。
AIを導入することで、これまで人間が対応していた業務を自動化し、社内全体の業務効率化を実現できると考えられます。
例えば従業員向けのFAQをチャットボットのデータベースに登録し、従業員が検索できるような体勢を整えることで、問い合わせ対応の件数削減が期待できます。これにより、問い合わせ対応に割いていたリソースを大幅に削減して、他の重要な業務に必要リソースを割り当てたり、人件費を削減したりすることが可能になります。
他にも、窓口業務の一部をAIに任せることで、窓口で対応する従業員の負担を減らしたり、お昼休みなど、人が少ない時間帯の負荷軽減をはかる使い方も考えられるでしょう。
自動化による業務効率化は、社内業務を効率化して人件費や運用コストの削減をもたらす効果が期待できます。しかし、一方で、これまで人間が担当していた業務をAIに代替させるため、「仕事がなくなる」懸念を抱く従業員も中にはいます。
AIアルゴリズムを活用したモニタリングによって、サイバーセキュリティ対策の強化をはかる使い方もあります。例えばAIによる高度な不正検知システムを現場に投入することで、これまで人の目が必要だった不正監視をAIが自動的に行えるようになり、モニタリングの運用負荷を軽減できます。
また、人間の運用に頼らずAIが監視を代替することで、見落としなどのヒューマンエラーによる検知ミスを防止でき、リスク回避と検知精度の向上が期待できます。AIは自学自習を繰り返して継続的に検知精度を強化していくため、次々と進化し続けるサイバー攻撃にも高いレベルで対処が可能になる点もメリットのひとつです。
AIモニタリングによるサイバーセキュリティ対策の強化は、人間によるオペレーションの負荷軽減をはかれますが、人件費の削減よりもAIの導入費用やランニングコストが上回り、運用コストが増大する可能性もあります。今後、サイバー攻撃がさらに苛烈になり、複雑性の高いAIによる対処が必要になれば、次々と追加投資が必要になることも考えられます。

ここからは、銀行・金融業界で実際に行われているAIソリューションの導入事例を紹介します。問い合わせ業務代行やチャットボット、資金需要予測など多岐にわたりますので、これからAI技術の導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

十六銀行では、ローン専用チャットボットの「BEDORE Conversation」を導入しています。これにより、各種ローンの回答内容を充実させて、お客様の利便性向上を実現しました。
【課題】
十六銀行では、2021年10月からAI対話エンジンの「BEDORE Conversation」を導入し、お客様の顧客満足度向上を目的としてチャットボットの活用を進めていました。毎月寄せられる約12,000件の問合せを確認・分析したところ、「ローンを借りたい」など、ローンに関する具体的な問合せが多く、ローン関連の質問に対する回答に対する需要が明らかになりました。
【AI活用によって改善された部分】
お客様の利便性向上をはかるために、まずはこれまでのチャットボットの回答に加えて、住宅ローン、マイカーローン、教育ローンなどのローンに関連するFAQを充実させました。その後、2022年6月10日には個人ローンに関連するWebページに、ローン専用のチャットボットを新たに設置して、利用者がより利用しやすい動線の創出を実現しています。
【AI活用によって見えてきた新しい課題・懸念点】
十六銀行では、導入済みのチャットボットを活用して、2022年4月に提供が開始された「地域金融機関FAQプラットフォーム」に参加を検討しています。これからも「利用者の声」を活用した顧客満足度の向上を目指しています。今後は「ローン審査の自動化」などもサービスの視野に入るでしょう。

ゆうちょ銀行では、社内向け問い合わせ業務に富士通のAI技術を導入しています。これにより、問い合わせ件数の削減やオペレーターの負荷軽減を実現しました。
【課題】
ゆうちょ銀行のパートナーセンターでは、ゆうちょ銀行の店舗社員や、貯金窓口担当の郵便局社員からの問い合わせ対応を行っています。しかし、これまでは社内に蓄積された問い合わせ対応の履歴を共有できておらず、せっかくのナレッジを検索することもできていませんでした。
【AI活用によって改善された部分】
富士通のAI技術(チャットボット)を導入することで、これまで社内で蓄積された問い合わせ対応の履歴をFAQ形式で共有できるようになり、店舗社員や郵便局局員による直接検索が可能になりました。これによってパートナーセンターへの問い合わせ件数を削減し、オペレーターの負荷軽減に成功しています。
【AI活用によって見えてきた新しい課題・懸念点】
現在、業務スキルの平準化や顧客への迅速な対応が課題として残っています。AI活用によって、業務スキルの平準化や迅速な顧客対応、満足度向上につなげていく予定です。

常陽銀行では、口座入出金データから資金需要をAIで予測する検証を開始しました。これにより、従来にも増して早い取引先企業の取引状況検知を実現し、取引先企業への先回りしたアプローチや、データ分析結果に基づいた提案品質の向上を目指しています。
【課題】
常陽銀行では、データに基づいた営業活動の実施や、業務高度化の拡大を必要としていました。そこで、株式会社NTTデータと株式会社JSOLが、口座入出金データから資金需要をAIで予測する検証を開始することとなりました。
【AI活用によって改善された部分】
2022年1月から3月にかけて実施した過去の口座入出金データを用いたPOCでは、データに基づいた営業活動について一定の成果を得ることに成功しています。
【AI活用によって見えてきた新しい課題・懸念点】
事前の検証で一定の成果が見られたことから、2022年4月からはAI分析による予測結果を常陽銀行の全店に展開して、営業担当者が実業務で分析データを提案活動に活用し、効果検証を行っています。
住信SBIネット銀行では、不正送金対策のAIモニタリングシステムを自社開発し、不正取引の判断を高速・効率化する取り組みを開始しました。これにより、不正取引に係る判断の高速化・効率化をはかり、金融機関の業務をサポートしています。
【課題】
住信SBIネット銀行では、第三者による不正送金を防止する目的で、24時間365日体制で振込のモニタリングを実施しています。以前から業務にAIを導入していましたが、さらなる業務効率化をはかる必要が生じていました。
【AI活用によって改善された部分】
より高度なAI導入のために、自社で不正送金対策のAIモニタリングシステムを開発し、従来のAIに代わって現場投入を行いました。このAIは新たな不正送金の疑いがある事例を自主的に学習し続ける仕組みで、より精緻な不正送金検知が期待されています。
【AI活用によって見えてきた新しい課題・懸念点】
自社内でAIを活用するだけでなく、今後は不正送金防止にニーズのある金融機関など、社外にもAIを提供して、より幅広い不正取引判別の実現をサポートしていく予定です。

GMOあおぞらネット銀行では、インターネットバンキングのパフォーマンス監視を目的としてAIを導入しています。これにより、顧客情報を扱う銀行業務のシステムや、運用中のアプリケーションの機密性・信頼性を維持しながら、パフォーマンスを確保できるようになりました。
【課題】
GMOあおぞらネット銀行では、UXを損なわない形で、IT運用業務の処理効率向上をはかる必要性に迫られていました。そこで、2022年に日本アイ・ビー・エム株式会社のSaaS版Instanaの導入を決定しました。
【AI活用によって改善された部分】
SaaS版Instanaの導入により、稼働場所によらないアプリケーションやインフラストラクチャーのパフォーマンス監視やプロセスの自動化が可能になり、UXを損なわずにインターネットバンキングのパフォーマンス確保が可能になりました。
【AI活用によって見えてきた新しい課題・懸念点】
今後は日本アイ・ビー・エム株式会社のサポートを得ながらInstanaをさらに活用し、インターネットバンキングのパフォーマンス監視やバックエンド環境の可視化・分析を効率化して、安定的なサービス提供やサービス拡充に取り組む予定です。

銀行・金融業界のさまざまな課題にアプローチするために、多くの現場でAIの導入が進められています。特に業務効率化を目的とした問い合わせ対応のチャットボットや、サイバーセキュリティ対策の強化をはかるためのAIモニタリング技術は、現場で一定の成果を見せ始めているといえるでしょう。
中には「人間の業務が奪われてAIにとって代わり、仕事がなくなる」という懸念を抱く人も見られます。しかし、業務効率を向上させて従業員のオペレーション負荷を軽減し、コストパフォーマンスの向上をはかれる可能性を秘めたAI技術は、これからの銀行・金融業界にとって期待の持てる技術です。
AIsmileyでは、金融・保険機関が導入したAI・DX事例のカオスマップを公開しています。全国の100事例についてAIを導入した金融・保険機関とAI提供ベンダーをマッピングした資料となっております。金融機関でのAI活用を検討中の方はお気軽にお問い合わせください。
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能とは?定義・歴史・種類・仕組みから事例まで徹底解説
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