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IBMは「世界のAI導入状況 2022年」の日本語版を発表

最終更新日:2024/04/05

IBMは「世界のAI導入状況 2022年 (Global AI Adoption Index 2022)」の日本語版を発表しました。

本調査により、世界のAI導入率が前年の2021年と比較して着実に高まっており、2022年には35%に達したことが明らかになりました。AIが、より利用しやすく、実装しやすくなってきていることで、AIの成長が加速していることが、さらに浮き彫りになりました。
この導入率の増加は、企業が人材・スキル不足に対処しながら、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの課題に取り組み、自社のデジタル変革に投資する中で、AIの価値を認識したことによるものであることが明らかになりました。実際、2021年と比較して、AIの導入が4ポイント増加しています。

さらに、本調査で初めて、サステナビリティーの取り組みにAIを活用する計画について企業に聞き取り調査したところ、AIが重要な役割を果たす見込みにあることがわかりました。調査対象となったITプロフェッショナルの66%が、ESGの取り組みを加速させるために、自社が現在AIを適用しているか、AIを適用する予定であると回答しています。

本調査は、IBMの委託によりMorning Consult社が2022年3月30日から4月12日にかけて、自社のIT関連の意思決定について何らかの知識/影響力を持つ7502人の世界の経営層を対象として実施したものです。

世界の35%の企業がAIを業務に利用、42%の企業がAIの導入を検討

現在、35%の企業がAIを業務に利用していると回答しています。2021年と比較すると、2022年のAI導入率は13%増加しました。さらに、42%の企業がAIの導入を検討していると回答しており、大企業は中堅企業よりもAIを利用する割合が高いことが示されました。AIの導入率では中国とインドの企業がリードしており、これらの国のITプロフェッショナルの60%近くが、自分の組織がすでにAIを積極的に利用していると回答しています。一方、韓国は22%、オーストラリアは24%、米国は25%、英国は26%に留まりました。金融サービス、メディア、エネルギー、自動車、石油、航空宇宙などの業界のITプロフェッショナルは、自社がAIを積極的に導入していると回答した割合が最も高く、小売、旅行、政府/連邦サービス、医療などの業界の企業は、その割合が最も低いという結果が示されました。

AI未導入企業はデータ管理に自信がない

AI導入が緩やかであることの主な理由は、ビジネス目標を達成するため、優れたデータ管理戦略を実装し、そのデータにAIを適用する必要性です。AIを導入していない企業は、自社が適切なデータ管理ツールを有しているという自信がほとんどない、またはまったくないと回答する割合が3倍高くなっています。現在、37%の企業がAI戦略を策定中であり、28%がすでに包括的な戦略を策定しており、25%が限られた、または特定のユースケースにのみ焦点を当てた戦略を実施しています。

4社に1社が労働力不足やスキル不足を理由にAIを導入

コスト、ツール不足、プロジェクトやデータの複雑さ以上に、スキル・ギャップが依然としてAI導入の最大の障壁となっています。同時にAIは、例えば、スキルの高い従業員の生産性向上のためのタスクの自動化、学習や従業員エンゲージメントの支援などにより、組織がスキル不足に対処するのにも役立っています。ほぼ4社に1社が労働力不足やスキル不足を理由にAIを導入しており、世界のITプロフェッショナルの30%が、新しいAIや自動化ソフトウェア/ツールにより、自社の社員がすでに時間を節約していると回答しています。

AIを実装している企業ほど、信頼性の重要性に価値を置く

信頼でき、責任あるAIの実践を確立することと、AIの成熟度は密接に関連しています。AIを実装している企業ほど、信頼性の重要性に価値を置く傾向があります。現在AIを導入している企業のITプロフェッショナルは、AIの導入を単に検討しているITプロフェッショナルよりも、自社のビジネスがAIの説明可能性に価値を置いていると回答する割合が17%高くなっています。しかし、ビジネス・リーダーの過半数が信頼できるAIが重要であると回答する一方で、過半数の組織が、バイアスの削減(74%)、パフォーマンスのばらつきやモデル・ドリフトの追跡(68%)、AIによる決定の説明可能性の確保(61%)など、AIの信頼性と責任を保証するための重要な措置を講じていません。

5社に1社は、環境面のプレッシャーを理由に、すでにAIを導入

3分の2以上の企業がサステナビリティーの取り組みの一環として、現在AIを使用しているか、使用する予定であることから、AIは、世界中の組織のサステナビリティーの取り組みにおいて、ますます大きな役割を果たすようになることが予想されます。5社に1社は、環境面のプレッシャーを理由に、すでにAIを導入しています。

3分の1の企業がIT運用にAIを活用し、プロセスを自動化、リソース割り当てを効率化

今日、企業はさまざまなユースケースにAIを適用していますが、最も導入が進んでいるのは、IT運用、セキュリティーや脅威検知、ビジネス・プロセスの自動化といった領域です。現在、すでに3分の1の企業がIT運用にAIを活用して主要なプロセスを自動化することで、アプリケーションのパフォーマンスを維持しながら、リソース割り当てを効率化しています。AIを導入している企業の3分の1は、マーケティング、セールス、カスタマー・ケアなどの領域に、自然言語処理などを適用しています。

IBM Softwareシニア・バイス・プレジデントのトム・ローザミリア氏は、多種多様な要因やプレッシャーに対応するために、現在AIを利用しています。それらの組織は、スキル不足や労働力不足に対処し、競合のプレッシャーに対応し、そしてこれまで以上に環境面のプレッシャーに対応するために、AIを求めているのです。ほとんどの回答者が、サステナビリティーの取り組みの一環としてAIをすでに利用しているか、利用する予定であると回答。これらの傾向はすべて、AIが組織内だけでなく社会でも果たす役割が大きくなっていることを示唆していると述べています。

AIへの投資は増え続けていますが、特にAIを利用する可能性が大幅に低い小規模な組織にとっては、導入への障壁が残っています。本調査では、企業のAI導入における上位3つの障壁は、AIの専門知識が不足していること(34%)、料金が高いこと(29%)、AIモデルを開発するツールやプラットフォームがないこと(25%)であることが明らかになっています。

レポート全体はIBMのWebサイトからダウンロード可能です。

出典:PR TIMES

AIsmiley編集部

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