生成AI
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最終更新日:2025/02/18
生成AIやLLM(大規模言語モデル)といった技術が急速に進化する中、それを支える計算基盤の需要が急増しています。株式会社ハイレゾが提供する「GPUSOROBAN」は、AI開発者や研究機関に高性能かつ手頃なGPUクラウド環境を提供するサービスとして注目を集めています。今回、株式会社ハイレゾ 執行役員 福島 修 氏に事業の背景や特徴、そして今後の展望について伺いました。
――本日はよろしくお願いします。まずは貴社のGPU事業についてお聞かせください。
株式会社ハイレゾ 執行役員 福島 修 氏
――福島氏
当社では、AI研究開発に特化したGPUクラウドサービスを提供しています。2019年より石川県志賀町にて国内最大級のGPUデータセンターを運営しており、主力サービスの「GPUSOROBAN」は、生成AIやLLMの開発に必要な計算基盤として、多くの企業や研究機関に利用いただいています。
石川県志賀町 GPU専用データセンター
――GPUクラウド事業を始めたきっかけを教えてください。
――福島氏
5年ほど前にGPU事業を開始しましたが、当時はAIが現在ほど注目されておらず、機械学習に関する話題が少し出る程度でした。そのため、計算需要の市場規模はまだ限られていましたが、AI技術の進化を見据え、この分野への早期参入を決めました。
AIの発展には高性能な計算基盤が不可欠です。しかし、日本国内では計算資源が欧米と比べて不足しており、AI開発企業が手軽に利用できる環境が整っていませんでした。そこで、安心して利用できる「道具」としての基盤を提供することに使命を感じ、GPUクラウド事業に取り組むことを決意しました。
――ありがとうございます。5年前からの取り組みが、現在の生成AI開発を支える重要な基盤となっているのですね。
――改めて、今回ご紹介いただく「GPUSOROBAN-AIスパコンクラウド」の特徴について教えて下さい。
――福島氏
「GPUSOROBAN」は、GPUの計算力を多くの方に手軽に低価格で利用していただけるクラウドサービスです。
最新のGPUを搭載し、高性能なクラウド環境を提供しつつ、利用料金を抑えている点が大きな特徴です。これにより、AI開発に必要な計算リソースをスピーディかつ効率的に利用できる環境を整えています。
「GPUSOROBAN」のサービスの1つ、「AIスパコンクラウド」では、NVIDIA HGX H200を搭載したGPUインスタンスを業界最安級の価格で提供しています。さらに、1128GBの大容量GPUメモリを備えており、LLMやマルチモーダルAIの開発に最適です。
――オンプレミスではなく、クラウドでの提供をするメリットはどのような点でしょうか。
――福島氏
オンプレミスだと初期投資や維持管理の負担が大きく、導入までの時間がかかることが課題です。
一方でクラウドは、サーバーの運用が不要で、インターネットさえあればすぐに利用を開始できるため、導入や管理の負担を大幅に軽減できます。また、必要なときに必要な分だけ利用できるため、試験的な利用にも対応しやすい点が特徴です。
――クラウドは導入ハードルの低さが特徴なのですね。貴社のサービスは他社と比較してかなり低価格で提供されていると思います。安さの理由をお聞きしたいです。
――福島氏
当社のサービスは研究開発用途に特化しており、データセンターの設備自体にもその仕様を反映させています。そのため、過度な設備を極力導入しないことでイニシャル、ランニングコストを下げています。またプラットフォーム自体も計算処理に完全に特化することで、低価格を実現しています。
さらに、2024年12月に香川県で開設した「AI開発用GPU専用データセンター」は、経済産業省の「クラウドプログラム」供給確保計画に認定されており最大77億円の支援を受けているほか、自治体様からの支援もいただいております。
それら支援を有効活用し、お客様へのサービスとして提供していることが当社のGPUクラウドサービスの安さの理由だと思います。
――GPUSOROBANの活用事例をお聞かせください。
――福島氏
IT業界や製造業、建築業、大学研究機関など、幅広い分野でご利用いただいており、累計2000件を超える活用実績があります。
最近では特に、生成AIの学習やLLMのファインチューニングなど、計算能力を必要とする用途で多くの企業に採用されています。
――膨大な計算資源が必要な生成AIの分野でも利用が進んでいるのですね。貴社のGPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」が選ばれる理由はどういったところでしょうか。
――福島氏
先ほどもお話ししましたが、業界最安級コスト、且つ簡単に使い始められる点が大きいと思います。
また、サポートの手厚さも選ばれる理由に挙げていただくことが多いです。当社のサービスは、エントリーレベルから超ハイエンドまで幅広く対応可能なため、どんな規模感の用途にもお答えすることができます。
――ありがとうございます。パフォーマンスを最大限発揮できるリソースを柔軟に提供できることは、日本のAI開発を支える大きな基盤に感じました。
――貴社は地方創生の観点でも積極的に活動されていると伺いました。
――福島氏
私たちは地域活性化の一環として、地方でのデータセンター展開を進めています。2019年より石川県志賀町でGPU専用データセンターの運営を開始し、2022年8月には志賀町第2データセンターを開設しました。それらに続く拠点として、2024年12月より香川県高松市で中四国地方初となるAI開発用GPU専用データセンターを稼働しています。また、2025年以降に佐賀県玄海町の廃校を利活用したGPUデータセンターを新たに開設する計画です。
地方でのデータセンター設立においては、コスト削減の観点のほかに、地域資源の利活用とクラウドサービスの融合を図り、持続可能な産業開発を支援することを目指しています。今後もこれらの地方拠点を通じて、地方創生と生成AIの発展を推進していきます。
――最後に、今後貴社が目指すビジョンについて教えてください。
――福島氏
AI技術の普及には、まず基盤となるGPUや計算力の整備が不可欠だと考えています。しかし、整備された計算力にも、コストが高い、使いたいときに使えない、使い方が難しいといった課題があるのが現状です。
こうした課題を解決するために、GPUSOROBANのサービスを日々改善し、より使いやすいクラウドサービスを目指していきます。
また、多様なパートナー企業との協業を推進していきたいとも考えています。私たちが提供するのは、計算基盤としてのプラットフォームで、その上にAI技術やアプリケーションを乗せていくのは、利用者やパートナー企業の皆様です。一緒に未来を切り開くための協業の輪を広げていきたいと思っています。
――本日は貴重なお話をたくさんお聞かせいただき、ありがとうございました。
ハイレゾが提供する「GPUSOROBAN」は、日本のAI研究開発を支えるだけでなく、地方創生にも寄与する重要な役割を担っています。
今回のインタビューを通じて、単なる計算基盤の提供にとどまらず、生成AIやLLMの開発支援を通じて、AI技術の普及と未来の可能性を切り開こうとする同社の熱意が伝わってきました。
「GPUSOROBAN」は、高性能なNVIDIA最新GPUを備え、手頃な価格で柔軟な利用環境を提供するクラウドサービスです。ぜひ、この機会に「GPUSOROBAN」を活用し、AI開発を次のステージへと進めてみてはいかがでしょうか。
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