GoogleのVeo 2とは?Veoからのアップデートや使い方を詳しく解説
最終更新日:2024/12/26
2024年12月16日(アメリカ現地時間)、Google DeepMindは最新の動画生成AIプラットフォーム「Veo 2」を発表しました。2024年5月に発表された「Veo」の次世代モデルであるVeo 2では、最大4Kの解像度で2分前後の動画を生成できます。また、現実世界の忠実な再現やレンズの違いなど細かな映像制作機能が盛り込まれていることでも話題になっています。
本記事では、Googleの「Veo 2」の概要や特徴、他社の動画生成AIモデルとの違い、使い方などをわかりやすく解説します。Veoの登場から約半年、進化した最先端の動画生成AIについてビジネスに役立てるためにぜひご覧ください。
Googleの最新動画生成AI「Veo 2」とは?
Veo 2は、Google社のAI開発組織「Google DeepMind」が、2024年12月16日に公開した最新の動画生成AIモデルです。同年5月に発表となった前モデルの「Veo」から発展し、Veo 2では最大4Kという高解像度の動画を生成できます。また、生成可能な動画の長さも数分に延長されている点も特徴です。
テキストプロンプトを使って、リアリティ溢れる高品質な動画を簡単に出力できます。現在、Veo 2はGoogle Labsの動画作成ツール「VideoFX」や、AI開発プラットフォーム「Vertex AI」にて利用可能です。
関連記事:Googleが4K対応の動画生成AI「Veo 2」、画像生成AI「Imagen 3」を発表。ベンチマークにおいても最先端の性能を記録
Veo 2の主な特徴
Veo 2では、前モデルより高解像度でリアルな動画を生成できるだけでなく、プロンプトの理解や映像技術に関しても進化を遂げています。ここでは、Veo 2で注目すべき特徴について解説します。
最大4K画質の高解像度の動画を生成
Veo 2では、最大4Kという高解像度のリアルな動画を生成できます。前モデルのVeoではフルHDまででしたが、さらに鮮明な画質の動画出力が可能になりました。これにより、Veoで報告されていた解像度の限界によって細部が粗くなってしまう問題も解消されています。
また、動画の時間についても、Veoは60秒前後だったところ、Veo 2では数分と延長され、より長尺の動画を作ることが可能です。
関連記事:Veo(ベオ)とは?Googleの動画生成AIモデルの特徴や一般公開について紹介
シネマトグラフィ対応で現実世界を忠実に再現
Veo 2では、現実世界の再現度もレベルアップしています。「18mmレンズ」や「被写界深度」といった映画用語や高度技術も理解でき、より自然かつ忠実に映像として再現できます。
また、背景のボケ感や水中の表現のように、シーンやジャンル、カメラアングルを細かく指定して動画に盛り込むことも可能です。タイムラプスやドローン空撮、パノラマのような多彩な映像スタイルに対応した動画も作成可能です。AIが生成したとは思えないようなリアリティ溢れる映像を、テキストプロンプトだけで円滑に生成できます。
ハルシネーションを低減
Veo 2はプロンプトの理解力が高く、生成AIで発生しやすい問題である「ハルシネーション(幻覚)」が低減されています。
動画生成AIでは、予期せぬ物体や余分な要素など、指示には含まれていない不要な情報まで出力されてしまうことがあります。しかし、Veo 2では自然言語をより適切に理解できるため、ハルシネーションの発生リスクが低減されており、AIを使った動画制作における作業効率の向上に寄与します。
Veo 2の料金
現時点では、Veo 2の料金プランや金額などは言及されておらず、Google Labs上では無料で利用できます。ただし、多くの生成AIツールと同じように、トライアル期間として設定されていることも考えられます。
ある程度の期間を経て有料プランに組み込まれた後、無料プランでは一部機能に制限がかかる可能性もあります。機能や操作性を試したい場合は、早めに順番待ちリストに登録しておくことをおすすめします。
Veo 2の使い方
Veo 2は一般公開されていますが、順番待ちリストにサインアップする必要があります。リストに登録する手順は、以下の通りです。
- Veo 2の公式サイトにアクセスする
- 「Sign up to try on VideoFX」というボタンを選択する
- サインインするために「Sign in with Google」をクリックする
- 任意のGoogleアカウントでログインする
- 「順番待ちリストに登録する」を選択する
- メールアドレスや居住地、氏名などの情報を入力する
- 「送信」ボタンをクリックして完了
登録が完了したら、Veo 2の利用開始についての連絡が後日届きます。
Veo 2と競合モデルの比較
Veo 2は、競合モデルであるRunway社の「Gen-3」や OpenAI社の「Sora Turbo」、KLINGAI社の「Killing v1.5」と比較して、優れた評価を得ていることが公表されています。Google Deepmindの公式サイトの評価データを以下に示します。
データによると、総合的な品質とプロンプトの正確な追従度において、人間の評価者がVeo 2に高評価を付けています。特に、物理現象のリアルさや動きの多いシーンに関する品質が際立っていると認められています。
Veo 2のこれからの展望
Veo 2は、Google Labsなど限られたプラットフォームで導入がスタートし、アクセスできるユーザー数を拡大しています。また、2025年には、YouTube Shortsなどでも展開される予定です。
画期的な性能を備えている Veo 2ですが、まだ完璧とは言えず、複雑なシーンや動きの一貫性などに課題が残されています。Google社は、Veo 2の性能向上に向けて研究開発を続けている最中で、今後の改良によっては長時間のプロンプト対応や登場人物の一貫性なども改善されるでしょう。
さらに、生成コンテンツの安全性や知的財産権の保護に加え、社会的影響への配慮も重要です。安全性に関しては、Veo 2の生成動画には電子透かし(SynthID)が埋め込まれるため、AI生成コンテンツであることを識別できます。
まとめ
Google社が公開した最新の動画生成AIモデル「Veo 2」は、従来までの動画生成AIに比べて大幅な進化を遂げています。従来よりも高解像度でリアルな動画を、数分間と長尺で生成できる上、シネマトグラフィ機能が利用でき、映画のような本格的なクオリティを実現します。
競合モデルと比較しても、総合的な動画品質やプロンプトへの忠実性で高い評価を得ています。実際に公開された Veo 2による生成動画は、品質が高いことでも話題を集めており、Veo 2へのアクセスが拡大すれば、より多くの人がプロのような映像を制作できるでしょう。
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よくある質問
GoogleのVeo 2は日本語に対応している?
Veo 2 では、日本語のプロンプトに対応しています。日本語のテキストで指示するだけで、高品質な動画を出力できます。
GoogleのVeo 2は商用利用できる?
Veo 2の商用利用については明言されておらず、生成した動画を商用利用できるかどうかについては不明です。Veo 2の生成動画には SynthIDの透かしが付いており、AIによる動画であることを識別できます。そのため、ディープフェイクのような問題への対策にも注力していることが考えられます。
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