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富士フイルムと神戸大学、AI技術を用いて膵臓がんの検出を支援する技術を開発

最終更新日:2023/04/26

富士フイルムと神戸大学は、AI技術を活用して膵臓がんの検出を支援する技術を開発しました。

このAIニュースのポイント

  • AI技術を活用し、腹部の造影CT画像から膵臓がんが疑われる所見の検出を支援する
  • 膵臓がん患者を含む約1,000症例の造影CT画像をAIに学習させて開発
  • 今後は非造影CT画像からも膵臓がんを検出するAI技術や、膵臓がんに罹患するリスクの高さを評価する技術開発に取り組んでいく

富士フイルム株式会社と国立大学法人神戸大学は、AI技術を活用して腹部の造影CT画像から膵臓がんが疑われる所見の検出を支援する技術を共同で開発しました。

膵臓がんは、初期に自覚症状が出にくく早期発見が難しい病気で、がんと診断されてから5年後の相対生存率は12.5%とがんの中で最も低い状況です。予後の改善には早期発見が重要ですが、初期の小さながんは画像検査で描出されないこともあり、膵臓がんの腫瘤だけでなく、膵臓の萎縮などの間接所見にも着目する必要があります。しかし、膵臓は形状が複雑で、解剖構造の把握も他の臓器に比べて難しいため、膵臓がんの診断には高度な専門知識を要するという課題がありました。

そういった課題を背景に、富士フイルムと神戸大学はCT画像から膵臓がんの早期発見を支援するAI技術の開発を目指し、2021年8月より共同研究を進めています。その結果、今回膵臓がん患者を含む約1,000症例の造影CT画像をAIに学習させることで、CT画像から膵臓がんが疑われる所見を検出する技術の開発に成功しました。また、膵臓がんの腫瘤だけでなく、それに間接する膵萎縮・膵管拡張・膵管狭窄なども検出可能です。

今後は、一般的な検診や人間ドックで撮影される非造影CT画像からも膵臓がんが疑われる所見を検出するAI技術の開発を進めていき、さらに将来的には、膵臓がんが発生する前段階で見られる膵臓の腫大や萎縮などの軽微な形状変化を検出し、膵臓がんに罹患するリスクの高さを評価する技術の開発にも取り組みます。

富士フイルムと神戸大学は「今回の技術を活用することで、医師の負担軽減やより精度の高い診断につながることが期待されます。これらの技術で潜在的な膵臓がん患者を拾い上げ、早期治療による予後の改善と膵臓がん患者のQOL向上を目指していきます」とコメントしています。

出典:富士フイルム

AIsmiley編集部

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