最先端の予測AI企業が集結!Forecast Tech Conference 2019イベントレポート
最終更新日:2024/04/04
企業の業績予測AIで有名なスタートアップ「xenodata lab.」が最先端の予測AI企業を集めたカンファレンスを先週、渋谷ソラスタコンファレンスで開催しました。
Forecast Techと銘打ったカンファレンスは、「Forecast(予測)」と「Technology(技術)」から成る、最新予測技術のことです。まだまだ日本では実装が遅れている分野のため、「このままでは意思決定の後進国になってしまう」と危惧した株式会社 xenodata lab.の代表関氏が現場の最前線で活躍されている方々を誘致しました。
今回のレポート記事では、カンファレンス当日の様子と、日本でのForecast Techを牽引する予測AI各社の見解についてレポートいたします。
社会に大きなインパクトを与える「予測」 Forecast Techとは何か?
Opening Speech
株式会社 xenodata lab. 代表取締役社長 関 洋二郎 氏
米国でForecast TechはPredictive Analysisと表現されますが、その市場規模は投資額ベースで日本の100倍にあたる8,000億円。株式会社 xenodata lab.の関氏は、金額面だけでも大きな社会への影響があることが想像でき、商品価格予測から製品需要予測、犯罪予測までその範囲は多岐にわたると語ります。
その大きな影響を与える最新予測技術が、日本で浸透が遅れているのにはいくつか理由があると述べました。
・研究期間が長く、不確実性の高さから投資が入りづらい。そのためサービス提供企業がまだまだ少ない。
・ユーザーも確実性を求め、100%当たるか否かを判断軸として設定しやすい。
以上を解決するためには、予測技術の有効性を広く発信することが重要だと話されました。
xenodata lab.が提供する需要予測・業績予測のSaaS型AIサービス「xenoBrain」は以下から確認できます。
Forecast Techが身近になる時代へ
Guest Speaker
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 AI事業室 Prediction One プロジェクトリーダー 高松慎吾 氏
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社の高松氏は浸透の遅れているForecast Techを身近な例で説明します。
Forecast Techはビジネスにおける天気予報のようなもの。例えば、朝のニュースで降水確率が高ければ傘を持っていく、気温が低ければ厚着をするなど、私たちは日常生活で「予測」をもとにした行動を自然にとっています。それをビジネスのシーンでも当たり前にする必要性を説きました。実際のビジネスシーンでは、以下のような効果が期待できます。
[営業に関する予測の例]見込み顧客の成約確立を予測 → アプローチの優先順位等を決定
[コールセンターに関する予測の例]X月Y日の入電数を予測 → 人員配置数の最適化やシフト構築の判断
その他にも、マーケティングや生産管理、人事、顧客サポート、査定など、様々なシーンでの効率化が期待できます。
グローバルで見た際の論文数の増加や、技術の応用範囲の広さ、トレンドに乗じていることなど、普及に追い風である環境は整ってきていますが、新規にビジネス導入する際にハードルとなるポイントは配慮しているといいます。ソニーネットワークコミュニケーションズが提供する予測AIツール「Prediction One」の特徴は以下2点を挙げます。
・当面の間、無料提供していること
・予測精度の向上と、その理由の開示を行っていること
また予測AIの普及の課題としては、サービスを扱える専門家不足がネックとなっているが、Prediction Oneを使用すれば文系出身者が運用を行える段階まで扱いやすくなっていると推奨しました。
ソニーネットワークコミュニケーションズのPrediction Oneを見る
Amazon Forecast:Amazon.comと同様のテクノロジーに基づき将来のビジネス状況を予測
Guest Speaker
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 Startup Solutions Architect 針原佳貴 氏
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社の針原氏はForecast Techサービスを展開するにあたり、自社サービスで培ってきた経験が大きく貢献していると話します。
もともとAmazon.comでは統計的な手法を用いてきましたが、それで対応可能な周期性のある予想しやすいものから、需要が予測しづらい新商品や地域限定の需要、価格変動性の高い商品などに正確な予測を行うための、深層学習の導入があったといいます。
それによって4億をも超える商品ラインナップを低リスクで実現できていると語りました。
現在はAmazon.comで培ってきたノウハウで、Forecast Techの普及に貢献するために、アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社では幅を持った予測データを返してくれるAmazon Forecastというサービスを展開しているといいます。場合に応じて平均値を算出したり、下から10%・90%の値を予測するなど、選択できるという強みを持つため、汎用性が高いといえそうです。
実際にサービスを導入した企業では、以下のような成果が出ていると述べました。
[家具レンタルのEコマースを運営する企業]
商品毎の売上を予測
…既存の予測アルゴリズムと比較して売上予測の精度が約20%向上
商品ストックの最適化による、購入コストの節約が実現
[旅行販売を行う企業]
顧客のコール数を予測
…適切な人員配置によって不在着信率が約20%改善
その他にもITや物流、エネルギー、教育などの分野で有意な成果が出ています。
大きな可能性を感じる「予測」の未来と、「予測」への適応
各社の取り組みを聞き、想像以上に普及への努力を感じました。ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社の高松氏は予測精度の平均値が既に92.5%あると話します。またアマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社の針原氏も長年培ってきたノウハウが更なる正確性の向上に貢献すると話しました。
しかし、データの正確性に加え、これまで産業の発展に貢献してきたヒトの「勘や経験」も重要だといいます。大切なのは100%の正確性を求めて、使用するか否かの二者択一にならないように考えていくことだと株式会社 xenodata lab.の関氏は話しました。
天気予報で90%の降水確率だった際に、誰もが「雨が降る」と考えるのと同じ段階に至ることができれば、「予測」を参考にして、「勘や経験」を用い、新しいPDCAを回していく未来が実現するのではないでしょうか。
実際に導入されている企業からのフィードバックでは、開発者側が思いもよらない使い方がされていくケースも多く、今後の予測AIは大きな可能性に満ち溢れています。
Forecast Tech Conference 2019
主催:株式会社 xenodata lab.
会期:2019/12/5(木)
会場:渋谷ソラスタコンファレンス
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