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FinTech (フィンテック) の意味とは?代表的なサービスや活用技術、AI事例を解説

最終更新日:2024/04/08

近年、よく耳にするようになったFinTech(フィンテック)。Finance(金融)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語で、証券や銀行などの金融サービスとIT技術を組み合わせた事業を指します。しかし、具体的にフィンテックはどんな事業で活用されているのでしょうか。

この記事では融資、資産運用や仮想通貨など、フィンテックの活用分野や代表的なサービスを紹介しながら、FinTechとは何かを解説します。

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FinTech(フィンテック)とは

FinTechという言葉を知らなくても、実はたくさんの人が活用したことがあるのではないでしょうか。実際に使ったことがなくても、会計業務を効率化するソフトや、仮想通貨などを聞いたことがある人も多いはずです。

FinTechの起源は、1860年代まで遡ります。海底ケーブルを使った電子資金振替取り引きが始まり、1950年代はクレジットカード、60年代にはATM、そして80年代以降に登場したオンラインバンキングも全てFinTechの事例です。

さらに、2008年以降、リーマンショックをきっかけにたくさん誕生したブロックチェーンや、AI(人工知能)、ビッグデータを使用した金融サービスの多くもFinTechを活用しています。

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FinTech(フィンテック)の活用分野と代表的サービス


FinTechは具体的にどの分野で活用され、どんなサービスがあるのでしょうか。主な分野は、基本的に以下の4つです。

  • お金の管理
  • お金を調達
  • お金の送金する・受け取り
  • お金の運用

金融に関する知識や情報が豊富な人ほど、FinTechサービスを利用している傾向にあるといわれています。代表的なサービスにどんなものがあるか見ていきましょう。

キャッシュレス決済

最近はクレジットカード決済や、QRコード決済などあらゆるキャッシュレス決済がありますが、現金を使用しない決済はFinTechの代表的な活用例です。

国内でも利用者が急増し、2020年度の国内キャッシュレス決済市場は約98兆円になり、2025年度には約153兆円まで拡大すると予想されています。

さらに、2025年までに、Apple Payがクレジットカード総取引件数の10%を占めるともいわれており、スマホ1台でお金のやりとりができる利便性の高さで、生活に欠かせない存在となるでしょう。

送金

同じ決済アプリを持っている人と金銭のやり取りを行うサービスもFinTechになります。

特に、わずらわしい手続きと高額な手数料を必要とする国際送金はこのFinTechによって格段に改善されました。12カ国に送金ネットワークをもつSBIの国際送金サービスは、従来の銀行手数料の10分の1もの値段で、かつ最長1日以内、オンラインで海外送金できます。海外とのお金のやり取りをする人は特に、FinTechの恩恵を大きく受けていると言えるでしょう。

仮想通貨

仮想通貨もFinTechを活用した事例です。国家が価値を保証していない、民間による通貨を「仮想通貨」と言いますが、専門取引所を経由して法定通貨と交換して入手できます。電子データで取引を行うのが特徴です。

仮想通貨は世界中のコンピューターで情報管理する「ブロックチェーン」を使って取引を行い、「Coincheck」「DMM Bitcoin」などが日本を代表する仮想通貨取引所として有名です。また、2019年に登場した「Liquid by Quione」は、フィンテック業界では日本初のユニコーン企業として注目され、今後の仮想通貨市場を牽引すると期待を集めています。

投資・資産運用

最近では、Webやアプリで簡単に投資が行えるようになりましたが、こちらもFin Techサービスの一つです。さらに、資産運用の分析ツールサービスもFinTechを活用したサービスになります。

最近では、AIに任せて資産運用や、金融商品の選定を行うサービスも出てきています。ロボアドバイザーがリスクを提示したり、運用を自動化したり、目的別のアレンジをしてくれるのが特徴です。初心者でも投資や資産運用が気軽にできるようになっています。

PMF(個人財務管理)

PMF(Personal Financial Management)は、個人でお金を管理するFinTechで、家計簿アプリなど個人財務管理サービスを活用したことがある人も多いのではないでしょうか。

PMFは、銀行口座やクレジットカードをソフトや財務管理アプリなどと紐付けて自動的に収集し、帳簿をつけてくれるのが主な機能です。また日本で人気の「Zaim」というオンラインサービスは、基本的な機能以外に対象となる給付金の存在や、店舗のキャンペーン情報なども通知してくれます。

保険

FinTechを活用した保険サービスは数多くあり、Insurance(保険)とTechnology(技術)を組み合わせてInsurTech(インシュアテック)とも呼ばれています。

従来の保険は、契約者の既住歴や、運転年数、車両状態などを保険会社と対面で契約していました。しかし、今はオンライン化が進み、契約者が質問などに答えながら簡単に契約でき、支払いも自動化されています。最近では、癌になった契約者数を元に保険料を算出する企業が登場し、話題になりました。

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融資・ローン

FinTechは金融サービスを代表する融資・ローンの分野でも活用されています。

今までは、銀行などの金融機関の実店舗に赴いて融資を受けることがほとんどでしたが、最近ではインターネット上でサービスを受けられるようになりました。ネット上での業務実績など、取引履歴の審査、借入可能金額などを決定し、消費者に合わせてあらゆるサービスを受けられるようになっています。

審査がすべてネットで完結するので、融資をスピーディに受けられるのが特徴です。

クラウドファンディング

事業目標を達成するために、主に個人から資金を集めるクラウドファンディングもFinTechを活用したサービスです。

購入型、寄付型などがありますが、購入型はリターンを想定した資金提供になります。この場合、起案した側がリターンの内容を決定し、集まった資金でサービスや物を作ります。

また寄付型は資金援助でリターンを求めません。起案者を手軽に支援でき、プロジェクトの進捗状況を確認できるのが特徴です。

ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングという言葉はあまり聞き慣れないかもしれませんが、融資型クラウドファンディングのことを指します。

資産運用をしたい個人投資家と資金を調達したい法人をお見合いさせるサービスで、借用人の審査から投資家の募集、貸付や返済金の分配を代理で行うのが特徴です。融資手数料が低いのもまた魅力と言えるでしょう。

2020年にアメリカのソーシャルレンディングのプラットフォーム運営会社が初めて銀行を買収し、今後益々ソーシャルレンディングの需要が高まる気配があります。

会計・財務

法人・個人関係なく、会計や経理業務を支援するサービスが数多く存在しますが、これもFinTechを活用したサービスです。最近は、クラウドで会計管理をするソフトが主流になりつつあります。

クラウド会計ソフトは、手入力せずに取引情報を自動化し、入金管理、資金繰りなどもサポートしてくれることで人気です。銀行やクレジットカードとも紐付けが可能で、リアルタイムで会計・財務管理が行えます。

金融情報

FinTechを活用して、膨大な情報やニュースを収集、分析して効率的に物価指数や経済情報、消費動向を割り出すことが可能になりました。財務数値の変動の要因や、地域別情報など、詳細にわたる金融情報を会社の運営のために役立てられます。

「SPEEDA」という経済情報プラットフォームは、業界レポート3000部、企業情報800万社分、ニュース2000媒体から情報を収集・分析。最新の市場トレンドをキャッチアップできることで注目が集まっています。

セキュリティ

セキュリティは金融サービスの最も重要な課題と言っても過言ではありません。

近年、FinTechの進化に伴って、不正ログインやサイバー攻撃の防止や、高度な生体認証技術など、セキュリティサービスが増えています。従来は、セキュリティといえば暗証番号などが主流でしたが、指紋や静脈などを元に本人確認を行う身体認証が多く見られるようになりました。また、顔認証や網膜認証なども増えています。

より良い金融サービスを提供するためには、高精度の画像処理や画像照合技術で高いセキュリティレベルを保つ必要があり、今後益々発展するでしょう。

FinTech(フィンテック)の市場規模と動向

IT企業と金融産業の融合によって取引が活発化し、世界における2025年のFinTech市場規模は約12兆円になると予想されています。また、日本国内では2022年度はFinTech系ベンチャー企業の市場規模が約1兆2102億円まで拡大する見込みです。

現金主義が根強いと言われている日本国内でもキャッシュレス決済が広がり、スマホ決済も普及してきています。人との接触を避けるコロナ禍において、ネット取引が主流になる傾向にあるため、今後ますますFinTech企業は成長するでしょう。

一方で、日本国内では課題もあります。今までは、金融サービスは主に銀行や証券会社が行っていたので、資金移動に関する法整備が遅れており、FinTech業界が伸びていくためには法律の改正が必要不可欠です。

FinTech(フィンテック)が注目される背景

FinTechが急成長を遂げたのにはいくつかの理由があります。

大きな要因の一つに、2007年にiPhoneが発売されて以来、スマートフォンが爆発的に普及したことが挙げられるでしょう。金融サービスに必要不可欠だった、店舗やATMなど物理的な場所だけでなく、スマホだけで取引が可能になり、新しい企業が小規模でサービスを提供する隙間がうまれました。

また、リーマンショックも要因の一つといえるでしょう。リーマンショックにより、損害を受けた金融機関が、中小企業に対する融資を制限したことで、代替サービスのニーズが高まったことや金融機関からIT業界に人材が流れたことなどが、新しい金融サービスの開発につながった一面もあります。

2025年にはデジタルネイティブな「ミレニアル世代」が全世界の労働人口の75%を占めるといわれており、今後ますますFinTechが無くてはならない存在になっていくでしょう。

FinTech(フィンテック)に活用される技術

FinTechは、あらゆる技術を活用しながら発展し続けてきました。ここまで、AI(人工知能)や生体認証を使用したサービスのいくつかを紹介しましたが、他にもIoTやブロックチェーン、APIなどの最新テクノロジーがFinTechを支えています。

Fin Techに活用される具体的な技術を見ていきましょう。

AI

AIはArtificial Intelligence(人工知能)の略で、人間が認識や推論をコンピューターに行わせる技術です。現在、AIを使ったFinTechとしては、投資や資産運用など顧客のニーズに合わせたロボアドバイザーやボットなどに導入されています。

金融サービスでは、株価やアナリストのレポート、新聞記事などの金融情報を経営戦略設計や市場取引予測などに活用する必要があります。今後、IoTの普及に伴って多くの情報が入手可能になることが予想されますが、データ量は人間だけでは処理不能なほど膨大です。AIによる解析・管理はFinTechにとって無くてはならない技術になるでしょう。

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IoT

IoTはInternet of Thingsの略で、「モノのインターネット」とも呼ばれます。スマホや自動車、電気機器、医療機器などのモノがインターネットに繋がり、それぞれの機器から情報を吸い上げるのが特徴です。いつ何を使ったか、現在の心拍数など、リアルタイムで人間の活動状況をIoTで入手することで、多種多様なビッグデータを分析・収集できるようになるといわれています。

現在、財務管理や資産運用のサポートのみならず、生命保険などで契約者の健康管理をリアルタイムに行えるサービスが開発されており、IoTで収集したデータを活用した技術革新はどんどん展開していくでしょう。

API

API(Application Programming Interface)はWebやコンピューターのソフトと外部のアプリケーションの接点を作る仕組みを指します。例えば、Googleアカウントで、あらゆるアプリにログインできる機能もAPIによるものです。API連携をすることで、アカウントを新しく生成する必要がなくなり、ユーザーエクスペリエンスを向上させることを可能にします。

API連携によって、FinTechのサービスと従来のインターネットバンキングを繋げて、入出金明細や残高、口座情報を確認できるようになりました。MoneyFoward社がAPIを活用し、自社の家計簿アプリと銀行口座などと連携させて、簡単・確実に明細の取得ができるサービスを提供し、多くのユーザーを獲得しています。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは、ネットワーク上の端末が対等な関係でデータを共有、システムを維持する仕組みです。従来の中央管理型のシステムではなく、端末同士が直接情報を送受信できることで、権力から独立した、ユーザー主導のシステムともいわれています。仮想通貨やNFTが、このブロックチェーン上で取引されています。

ブロックチェーンが使う「P2Pネットワーク」は、コスト削減と安定運用ができるのが特徴です。サーバー導入やセキュリティ対策、運営にかかるコストが、中央サーバーを使用するより少なくすみます。また、繋がっているパソコンが動作していれば動くので、サーバーダウンも起こりにくいのもメリットと言えるでしょう。

生体認証

生体認証は、静脈や指紋、顔など身体的特徴を解析して本人確認を行う技術を指します。

今まではパスワードや暗証番号を使って認証を行っていましたが、生体認証は、よりセキュリティの精度が高く安全性が高いのが特徴です。特にスキミングや個人情報露営防止に有効といわれており、さまざまな場面で活用されています。

キャッシュレス決済の需要が高い中国は生体認証をいち早く取り入れていることで有名です。公共料金の支払いやイベント入場で顔認証を活用したり、住宅ローンなど大きな金額を組む際は網膜認証で本人確認を採用しています。

FinTech(フィンテック)でDXを推進しよう!

FinTechはこれからさらに普及するといわれており、ますます生活に根付き必要不可欠なものになっていくでしょう。

現在、どんな企業がどんな活用をおこなっているのか、最新情報を知りたい方は金融・保険機関が導入したAIやDXの事例を載せたカオスマップがおすすめです。

OCRやチャットボット、不正検知などをカテゴリー別に分類してマッピングしており、何を導入すると良いかを知りたい方にとって大いに参考になるでしょう。

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