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最終更新日:2024/04/11
近年はさまざまな分野でAI・人工知能の導入が進んでおり、私たちの生活を守るための「防犯」や「事故防止」といった部分においてもAIが重要な役割を担い始めています。では、具体的にどのような形でAIが私たちの生活をサポートしているのでしょうか。
今回は、事故防止につなげるAIの活用事例について詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
AIの活用事例について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能の利用例を解説!機械学習を活用した身の回りの実用例
近年は自動車の危険運転や煽り運転などが問題視されていますが、より安全に運転するためのサポートとしてAIが活用され始めています。その一例として挙げられるのが、日本のスタートアップ企業「Pyrenee」が提供している「Pyrenee Drive」という外付け運転支援デバイスです。
この「Pyrenee Drive」は、自動車のダッシュボードに後付けするタイプの運転支援デバイスで、ステレオカメラによって「歩行者」「自転車」「道路上の自動車」「車線」といった情報を認識し、危険を察知すると音声で警告します。たとえば、右から自転車が飛び出してくるなどの危険な場面に直面した際は、音声で素早く「右から自転車が来ています!」と警告してくれるため、急な飛び出しへの反応を補完してくれるというわけです。
また、乗用車が赤、バスが青、トラックがオレンジ、といったように色を分けてグラフィカルに表示してくれるため、視覚的にも「注意すべき場所」を認識することができるのは大きな魅力といえるのではないでしょうか。
そもそも交通事故の大半は、ヒトの認識エラーが原因だとされています。「Pyrenee Drive」は、ヒトの認識をアシストすることを目的に開発されており、「ヒトの目」と「AI」のダブルチェックによって事故の防止を目指しているそうです。
近年は自動車業界全体で事故防止機能の普及が進められていますが、自動ブレーキ機能などは最新の自動車にしか搭載されていません。そのため、手軽に後付けできる運転支援デバイスであれば、事故防止機能が搭載されていない自動車の安全性も高めることができるわけです。より手軽に安全を確保できるという点でも、「Pyrenee Drive」には大きなメリットがあるといえるのではないでしょうか。
AIが積極的に活用されているのは日本だけではありません。インドでは、過去10年で200頭以上のゾウが列車と衝突し、命を落としてしまっていることから、AIを活用した衝突事故防止を始めています。インドで活用されているのはAI搭載型の「スマート音響感知器」で、ゾウの足音を認識するとスマートフォン経由で情報が送信され、列車の運転士にリアルタイムで警告が届くというものです。
その具体的な仕組みとしては、音環境を記録するためのレコーダーとカメラを設置し、象の音と画像を識別していくというもの。ただ、衝突事故の大半は夜間に発生していたこともあり、当初はカメラの精度が足りていないという問題もあったそうです。そのため、音響感知を行う基地に熱センサーを装備させることにより、夜間の検知が可能になったといいます。
なお、このシステム全体の自律的な動作と持続性の確保を実現するため、2枚のソーラーパネルが活用されているそうです。そして、データはネットワーク状況に応じて3Gや4G、またはWi-Fiを利用してスマートフォン経由で送信されるという仕組みになっています。
私たち人間がより暮らしやすい環境を整えていく上でもAIは大きな役割を果たしていますが、「人と自然との調和」を実現するためにもAIが活用され始めているのです。今後は日本でも、さまざまな形で環境問題に貢献するAIが導入されていくかもしれません。
JR東日本では、2020年11月1日より、突風による事故を防止するためのレーダーにAIを導入することを発表しました。山形県内を走行するJR羽越本線では、ドップラーレーダーによる突風検知を行っており、これまでは突風が予想される日の運転を休止していたといいます。そのため、AIの活用によって突風予測の精度が高まれば、実際には突風が吹いていないにも関わらず運行を休止してしまうリスクを抑えられるのです。
JR羽越本線では、2005年に突風による脱線事故が発生し、5人が死亡しました。このような事故を防ぐために2017年12月から、突風の原因となる上空の渦を探知、追跡して、ドップラーレーダーによって渦の進路を予測するという対策を行っています。そして、その予測範囲に含まれる区間の列車の運行を中止にしていたわけです。
ただ、この方法では、渦の風速分布に乱れが多い場合ではなかなか渦を捉えることができなかったり、渦ではないものを渦として検知してしまったりするケースがあったといいます。そのため、「検知の精度向上」が大きな課題となっていたのです。
そこで、今回新たに「渦」と「渦ではないもの」の画像をAIに学習させ、本物の渦であるかどうかを判別するAIの学習済みモデルを構築しました。このモデルを活用し、ドップラーレーダーで観測したデータから渦をリアルタイムで探知することによって、検知精度が大幅に向上されることが期待されています。
今回は、事故防止につなげるAIの活用事例について詳しくご紹介しました。私たち人間の生活に安全をもたらすだけでなく、自然を保護するという目的でもAIが活用され始めていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
近年は、環境に配慮したストローが普及され始めていたり、環境にやさしい燃料で走る自動車が多くなってきていたりと、地球環境を守るための取り組みがさまざまな業界で行われています。そのため、今後さらに「自然を守ること」を目的としたAI活用の事例は増加していくかもしれません。
それと同時に、私たちの生活の利便性を高めるという目的でもAIは多く活用され始めています。より安全かつ便利な社会を実現するためにも、AIは非常に重要な役割を担っているといえるのではないでしょうか。今後どのような形でAI技術が活用されていくのか、ますます目が離せません。
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
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