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最終更新日:2024/10/15
データクレンジングとは?
顧客・商品・販売などさまざまなデータを整理し、業務をスムーズに進める手段として重要な役割を果たすデータクレンジング。大量に収集されるデジタルデータを迅速に分析してマーケティングに活かすには、データクレンジングによるデジタルデータの標準化が欠かせません。
本記事では、データクレンジングの概要と重要性、メリットを解説したうえで、おすすめのデータクレンジングツールを紹介します。収集したデータをうまく活用できていないとお悩みの際は、ぜひ参考にしてください。
データ分析について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
データ分析とは?基礎から分かる手法と流れ、仕事でのメリットも解説
データクレンジングとは、企業が保有するさまざまなデータのなかから、重複・記載ミス・表記揺れなどを検出し、削除もしくは修正を行うものです。表記ルールを定め削除や修正を行うことで、データ品質を高めることを目的として行います。
一例として、以下のようなことが可能です。
データクレンジングと近い言葉でデータクリーニングがありますが、どちらも意味は同じで内容は変わりません。

データクレンジングと混同しがちな言葉として名寄せがあります。データクレンジングでは、重複の削除や修正を行いますが、名寄せは複数のデータベースにあるデータを一つのデータに集約することを指すものです。
たとえば、ネットショップと実店舗での顧客データ上で同一人物がいた場合、一つのデータに集約するのは名寄せでありデータクレンジングではありません。
ただし、それぞれの顧客データで表記ルールが異なっていると名寄せはできないため、データクレンジングをしたうえで名寄せを行うのが一般的なデータ整理の流れです。
データクレンジングを行う際、さまざまな原因によりデータが汚れることがあります。ここでは、誤登録、重複登録、表記のゆれ、情報の欠如、システム間の互換性、外部データ取り込みによる不具合について詳しく説明します。
1.誤登録
誤登録とは、データ入力時に誤った情報が登録されることを指します。これは手動入力の際に特に発生しやすく、タイポや入力ミス、情報の選択ミスが原因です。誤ったデータが入力されると、そのデータを基にした分析や意思決定が誤る可能性があります。
2.重複登録
重複登録は、同じデータが複数回登録される現象です。これにより、データセットが膨らみ、集計や分析の結果が歪むことになります。例えば、顧客情報が二重に登録されていると、売上分析やマーケティングキャンペーンの効果測定に悪影響を及ぼします。
3.表記のゆれ
表記のゆれとは、同じ情報が異なる表記方法で登録されることです。例えば、「株式会社」と「(株)」のように略語や記号の違い、またはスペルミスや異なるカナ表記(例:カタカナとひらがな)などが原因です。これにより、データの一致確認が難しくなり、統一的な分析が困難になります。
4.情報の欠如
情報の欠如は、必要なデータが入力されていない状態を指します。例えば、顧客情報の入力フォームで住所や電話番号が未記入の場合です。欠如した情報があると、データセットが不完全となり、分析の精度が低下します。
5.システム間の互換性
異なるシステム間でデータを連携する際に発生する互換性の問題です。各システムのデータフォーマットやフィールド定義が異なるため、データの整合性が損なわれることがあります。例えば、あるシステムでは日付が「YYYY-MM-DD」として保存され、別のシステムでは「MM/DD/YYYY」として保存される場合、変換エラーが発生しやすくなります。
6.外部データ取り込みによる不具合
外部ソースからデータを取り込む際に発生する不具合です。外部データのフォーマットや品質が内部データと一致しない場合、データの整合性が崩れることがあります。例えば、インターネットから取得したデータが欠損や誤りを含んでいる場合、内部システムに取り込んだ際に誤った情報が混入するリスクがあります。

データクレンジングの主な具体例は以下のとおりです。
【具体例】
| 重複したデータの削除 | データベース内に同じデータが重複している場合は統一する |
| スペースの有無の統一 | 名前のデータが「性」と「名」の間にスペースがあるものとないものが混在している場合、スペースを入れるか削除するか、どちらか一方に統一する |
| 表記の統一 | 全角と半角・大文字と小文字・略語とフルネームなど、データの表記揺れを統一する |
| 情報の補完 | データベース上のデータに不足している部分がある場合、適切なデータを見つけて入力し、補完する |
| スペルミスや誤字の修正 | 「○○様方」が「○○様肩」となっていた場合に誤字を修正する |
| 妥当性の判断 | データが正しいかどうか判断し、必要に応じて修正する |
データクレンジングを実行することで、ヒューマンエラーによるデータの不完全な部分が修正されます。これにより、処理上の問題が軽減され、業務効率化が期待できます。
多くの企業では、店舗や支店などで個別にデータの収集・管理をしていますが、それぞれの表記ルールが異なっているケースが少なくありません。また、同じ社内であっても、部署やチームで表記ルールが異なる場合もあり、収集したデータを十分に活用できていないのが現状です。
具体的には、文字やスペースの半角・全角、「(株)」と「株式会社」のような表記違い、漢字・かな・カタカナなどの表記ルール違いなどが挙げられます。
これらが入り混じっているため、検索しても求めるデータが出ない、同じ顧客データが複数あることで何度も同じ販促メールをしてしまうなどのミスが後を絶ちません。
一般的にこのようなデータをダーティデータと呼びますが、ダーティデータを無くし、データ品質を向上させるのがデータクレンジングの役割です。
また、AIやビッグデータを活用する上でも、データクレンジングは欠かせません。その理由は次のとおりです。
ビッグデータはさまざまな情報の集合体であるため、データの完全性や正確性に欠けていたり、情報そのものが不必要といったことがあります。そこで、データクレンジングを実行することでデータの質の向上や信頼性の確保ができるようになり、AIが学習可能なデータになります。
【関連記事】ビッグデータとは?特徴やメリット・活用事例をわかりやすく解説
【関連記事】AI・人工知能とは?定義・歴史・種類・仕組みから事例まで徹底解説

データクレンジングを行うことで、具体的に次のようなメリットが得られます。
以下、具体的に見ていきます。
たとえば、「田中一郎」と「田中 一郎」とで同一人物が別々にデータ登録されていれば、購入回数も金額も正しく収集されません。
実際には10回購入しているのに、「田中一郎3回」と「田中 一郎7回」などのように別の人の購入として分析されてしまいます。これでは、正しいマーケティング施策を実施できません。
データクレンジングを行えば、データの重複や表記ゆれなどで同一顧客が複数存在するデータが削減されるため、分析精度の向上が期待できます。
低品質のデータを分析しても低品質な結果しか得られません。場合によっては間違えた結果や古い情報が残ったままのデータを使った分析により、正しい意思決定ができなくなるケースも考えられます。
迅速に意思決定をするための分析結果を得るには、最新かつ高品質なデータの活用が必須です。データクレンジングを行えば、データ品質が向上し、最新のデータのみを使った分析ができるようになるため、迅速な意思決定が可能になります。
データクレンジングが行われていないデータは、ダーティーデータも多く含まれている可能性が高く、分析作業を行う際に、手作業でダーティーデータを見つけ、修正や削除をしなければなりません。
事前にデータクレンジングを行い、ダーティデータを修正・削除しておけば、すぐに分析作業に入れるため、業務効率の大幅な向上が期待できます。
人手でダーティデータの修正や削除をするには、多大な人的コストを要します。その作業を行っている間はほかの作業ができなくなるため、生産性も低くなるリスクも大きくなります。
また、ダーティデータが増えれば、データベースの容量が圧迫され、データベースの増強、維持管理にかかるコストも増大します。
データクレンジングを行えば、手作業での修正、削除やデータベースの増強、維持管理にかかるコストを大幅に削減可能です。
データクレンジングにより高品質なデータを活用できるようになれば、精度の高い分析が実現し、自社商品やサービスの購入意思が高い顧客に適格なアプローチが可能になります。
また、同じ顧客に何度も同じアプローチをする、古い情報を基にしたマーケティング施策をするなどのリスクが軽減され、顧客との信頼関係構築にも効果を発揮します。
表記ルールを統一したうえで、データクレンジングを行えば、構造化データとしてAIに学習させることが可能です。その結果、データ分析やマーケティング施策にAIを活用できるようになり、さらなる効率化や生産性向上が期待できるようになります。

データクレンジングのメリットを見たところで、実際にデータクレンジングを行う際の手順について解説します。手順は以下の通りです。
以下、それぞれについて詳しく解説します。
自社が扱うすべてのデータをクレンジングするのは、非効率かつコストがかかってしまい現実的ではありません。
データクレンジングを行う際、まずやるべきことは、クレンジングを行うデータの特定です。顧客データや販売データなど、分析やマーケティング施策の実施に欠かせない重要なデータフィールドを特定します。
重要なデータの特定を行ったら、次はデータ収集を行います。社内のほか、店舗や支店など外部にもデータがあれば、それも含めて収集してください。
この時点で、データの形式やファイルタイプは問いません。Excel・Word・PDF・CSV・ログファイルなど、特定したデータに関わるものであれば、あらゆる形式・ファイルタイプのデータを収集します。
ただし、注意点として、収集する際は事前にルールを決め、必要な部分だけを取り出して収集してください。たとえば、「顧客名・属性・住所・電話番号・メールアドレス・購入回数・購入金額」などに絞って収集すれば、効率的にデータクレンジングを行えます。
できる限りのデータを収集したら、次は一つのデータベースに取り込みます。複数のデータを収集した時点でデータクレンジングを行っても、一つのデータベースに取り込んだ際、重複があれば改めてクレンジングを行わなければなりません。
そのため、一つのデータベースにまとめてから行ったほうが効率的かつ迅速な作業が可能です。
一つのデータベースに取り込んだデータを一定のルールの基に整形していきます。たとえば、顧客名の苗字と名前の間のスペースは半角か全角か。企業名の(株)と株式会社はどちらにするかなどです。
また、同じ顧客でも古い住所と新しい住所で別々にデータ登録されている場合は、新しい住所に統一し、古い住所データは削除します。会社名や商品・サービス名なども古いものと新しいものが混在している場合は、新しいものに統一して古いものは削除してください。
ほかにも商品価格・購入数・金額・回数などの数値データは基本的に半角に修正します。全角数値と半角数値が混在していると正しい計算ができない場合があるので注意が必要です。
データの整形、不要データの削除を終えたら、最後に「名寄せ」と言われるデータの整理を行います。重複しているデータを一つにまとめ、データの分析をしやすくします。
また、名寄せをした後には属性別や地域別、購入回数別など分析の用途や目的によりデータをさらに分類する場合もあります。
データクレンジングの目的は、データの修正や削除だけではなく、データの品質向上です。そのため、さまざまな用途にデータを活用できるようデータの整理整頓を行います。

簡易的なデータクレンジングの場合
| 関数 | 使い方 |
| SUBSTITUTE関数 | セル内の不要なスペースを削除する |
| CLEAN関数 | セル内の不要な改行を削除する |
| TRIM関数 | テキストデータにある不要なスペースを削除する |
| IF関数 | 特定の条件が真である場合と偽である場合に、それぞれ異なる結果を表示する |
| SWITCH関数 | 対象となるデータを複数条件下で判定し、それぞれの条件ごとに設定した結果を表示する |
| JIS関数・ASC関数 | 全角と半角をそれぞれ変換する(半角→全角:JIS関数・全角→半角:ASC関数) |
関数がわからない場合でも、Excelの「データ」→「データツール」で表示される機能にはデータクレンジングで活用できるものが数多くあります。その中から一部を紹介します。
| 機能 | 使い方 |
| ソート(昇順に並べ替え・降順に並べ替え) | データを特定の順序に並べ替える |
| フィルター | 範囲または表のデータから、条件に合うデータを抽出する |
| 重複の削除 | 範囲または表のデータから、重複しているものを削除する |
「ホーム」→「虫眼鏡のアイコン」を選択することで表示される「検索」「置換」機能もデータクレンジングには有効な機能です。
| 機能 | 使い方 |
| 検索 | 範囲または表のデータから対象となるデータを検索する |
| 置換 | 検索機能で抽出されたデータを他のデータに置き換える |
このように、関数がよくわからない場合でも、Excelに標準搭載されている機能を活用することで簡易的なデータクレンジングができるようになります。

データクレンジングをExcelをはじめとした表計算ソフトを使用して行うときには、次の点に注意が必要です。
| データのバックアップ | データクレンジングを始める前に、元データをバックアップします。事前にバックアップをすれば、問題が発生しても元のデータに戻せます。 |
| クレンジングルールの明確化 | データをどのようにクレンジングするのか、ルールを明確化しておくことが重要です。ルールが明確化されていないと、データクレンジングが活用できないデータになる恐れがあります。 |
| 作業結果の確認 | データクレンジングを実行した後、作業後のデータが期待通りになっているか必ずチェックします。期待通りになっていない場合は、作業途中でミスがないかを確認。問題を洗い出して再度データクレンジングをします。 |
データクレンジングを表計算ソフトを使用して実行する方法は、あくまでデータ量が少ない場合に有効です。データが大量にある場合は非常に時間がかかり、ヒューマンエラーによるミスの発生率も高まります。
そのため、現実的にはデータクレンジングツールを活用して作業を自動化することが不可欠です。ツールを活用することにより、作業の効率化と精度の向上が期待できます。

ここまで、データクレンジングの手順について解説してきました。しかし、これらの作業をすべて手作業で行えば時間がかかるだけではなく、ヒューマンエラーを起こすリスクも増大してしまいます。
そこで、データクレンジングを効率的に進めるために欠かせないおすすめのツールを紹介します。

FORCASは、150万社以上の企業データベースを持ち、主にBtoB企業向けのABM(アカウント・ベースド・マーケティング)を行うためのデータクレンジングツールです。
企業名やWebサイトのドメインなどをアップロードするだけで、正式な企業名に名寄せする機能により、効率的なデータクレンジングを行えます。また、企業リストをアップロードすれば、商材別、顧客単価別などでの分類を瞬時に行い、さまざまな用途、目的でのデータ分析が可能です。
さらに、複数のMA(マーケティングオートメーション)ツールとのAPI自動連携により、分析結果を基にすぐマーケティング施策の立案、実行を行えます。

ユーソナーは、820万拠点の法人企業データベースを持ち、主にBtoB企業向けのデータクレンジングツールです。
企業固有の情報やニュース業種の外部評価、移転や合併といった変遷情報など自社が保有していないデータを補完します。これにより、企業の現状や自社との関連性の正確な把握が可能です。
また、MAツールのほか、顧客管理ツール、営業支援ツール、コールセンターシステムなどのビジネスツールと連携し、データの一元管理、マーケティング施策の効率化を行います。

Talend Data Preparationとは、重複や記載ミス、表記ゆれなどのエラーを素早く検知し、設定したルールに対し迅速かつ適正に修正・削除を行うデータクレンジングツールです。
ブラウザベースでの利用が可能なため、UIもわかりやすく簡単で、エンジニア以外の一般ユーザーでも比較的容易にデータの整理を行えます。無料試用版やデモも用意されているので、とりあえずデータクレンジングツールを試したいといった際にもおすすめのツールです。

Google Cloud Dataprepとは、Googleが提供するサービス、Google Cloudに内包されたデータクレンジングツールです。
構造化データと非構造化データを視覚的に検索でき、分析やレポート、機械学習などのデータ活用を可能にします。
また、クラウドサービスなので、自社内にデータを保管するサーバーを用意する必要がなく、企業規模の大小にかかわらず利用できるのもメリットの一つです。
ほか、GUI操作が可能なため複雑なデータ処理も簡単に行える点、自社でGoogleのクラウドサービスを活用している場合、新たなツール導入をする必要がない点など多くのメリットがあります。

Lightlyとは、機械学習用のデータキュレーションプラットフォームで、そのなかの機能の一つとして、データの管理(データクレンジング)を有しています。
さまざまな場所から収集したデータを半教師あり学習を用いて目的別に分割、管理することが可能です。また、データのクラスタを指定すれば、データサブセットを作成し、個別に名寄せ、管理も行えます。
前述したようなデータクレンジングツールとは異なりますが、効率的に機械学習用のデータ管理を行いたい場合におすすめのツールです。

データクレンジングとは、企業が保有するあらゆるデータから、重複・記載ミス・表記揺れなどを検出し、削除や修正を行い、データ品質を向上させます。
さまざまなデータから不要なものを削除し、必要なものだけを抜き出し整理整頓できるため、データ分析の効率化に加え、迅速かつ適切な経営判断も可能にします。
ただし、データクレンジングをすべて手作業で行えば、時間がかかるだけではなく、ヒューマンエラーによるミスが起きるため、現実的ではありません。そこで、おすすめなのがデータクレンジングツールの活用です。
自社の目的や用途に合ったツールを選択すれば、現在保有しているデータの高品質化が効率的に行われ、さらなるデータ活用が実現します。
複数箇所にデータが分散され、上手く活用できていないといった課題を抱えている際は、ぜひ、データクレンジングでデータ活用を推進されてみてはいかがでしょう。
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