医療現場に音声認識技術は活用できる?業務効率化の成功事例を紹介
最終更新日:2024/04/11
音声をテキスト化するなどして業務効率化につなげる音声認識技術。最近ではさまざまな業界で活用され始めていますが、人手不足が深刻化している医療現場においても活用することはできるのでしょうか。
今回は、医療現場に音声認識技術を活用していくことのメリットや将来性について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
音声認識の活用事例について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
音声認識AI×営業支援の活用事例を紹介!営業現場の業務効率化
Apple Watchに対応した医療向け音声認識サービスが登場
(参照:医療向け AI音声認識ワークシェアリングサービス AmiVoice iNote)
東京都豊島区に本社を置く株式会社アドバンスト・メディアは、2020年9月より、医療従事者向けAI音声認識ワークシェアリングサービス「AmiVoice iNote(アミボイス アイノート)」の最新バージョン1.3.0の提供を開始しました。
この「AmiVoice iNote」は、音声認識技術を活用した入力支援機能や院内SNS機能、業務料モニタリング機能などを備えたオンプレミス型のワークシェアリングサービスです。
最新バージョン1.3.0からは、Apple Watchとの連携が可能になり、モバイル端末でのバーコード読み取り機能や、代行入力時の差し戻し、訂正機能などが実装されました。これらの機能の実装により、さらなる業務効率化やタイムリーな情報共有の実現が期待されています。
Apple Watchとの連携に対応した大きなメリットとしては、「いつでもどこでも必要な記録をタイムリーに残せること」が挙げられるでしょう。メモなどの個人ノートやSNSの閲覧、音声入力による投稿などが行えるようになったことで、iPhoneを取り出すことなく移動中・処置中の記録が行えるようになります。また、電子カルテなどの医療システム端末やスマートフォンの操作に縛られることなく、手軽に必要な情報を残せるという点は大きな魅力といえるのではないでしょうか。
さらに、バーコード読み取りに対応したことで、職員証などのバーコードと「AmiVoice iNote」のID・PASSを紐付けすることが可能になりました。そのため、バーコードによるログインを行うことができ、ログインの簡易化や、なりすまし防止といったメリットも得られるのです。
なお、患者リストバンドにもバーコードが用いられているケースが多いため、バーコードの読み取りによって手軽に患者情報を閲覧したりすることも可能になります。人手不足の深刻化に伴い、業務効率化が大きな課題となっている医療現場において、このような形で業務効率化を実現できるのは大きな魅力といえるでしょう。
電子カルテと音声認識技術の相性は良い
現在は電子カルテの普及率が4割を超えたといわれており、医師が電子カルテを操作しながら診察するという光景も、多くの人にとって見慣れたものになりつつあります。そんな電子カルテは現在もなお進化を続けており、最近では音声認識技術なども活用され始めているのです。
最近では、タッチペンを使って手書きで書ける電子カルテも多くなっていますが、音声入力によってテキスト化する機能を備えた電子カルテには特に注目が集まっています。音声入力は、iPhoneやiPadなどにも搭載されているもので、医療の現場であれば「在宅医療の自動時間にカルテを書く」「カルテを見ながらサマリーを作成する」「紹介状などの医療文書を作成する」「看護記録を作成する」といった利用方法が考えられるでしょう。
ただ、音声入力を利用したことがある方からすると、認識ミスが発生してしまうのではないかという不安を持たれるかもしれません。確かに、スマートフォンなどの音声入力では認識ミスが発生することもあります。しかし、最近は認識精度がどんどん向上されてきており、医療辞書を搭載した音声入力ソフトでは、これまで変換が難しいとされてきた医療用語も間違えることなく変換できるようになっているのです。
もちろん、100%の精度で認識し続けるのは難しいため、一度作成した後に人間が見直しする必要はあるでしょう。しかし、これまですべての文書を1から作成していた時と比較すれば、「作成された文書の見直し」という業務だけに抑えられることは大きなメリットといえるのではないでしょうか。
音声認識技術は医療現場の負担を軽くする
(参照:医療向け音声入力システムのAmiVoice Ex7)
医療現場に音声認識技術を活用することの最大のメリットは、やはり医療従事者の負担を軽減できるという点でしょう。現在はさまざまな音声入力システムが存在しており、それぞれ機能性は大きく異なるので一概にはいえませんが、たとえば「AmiVoice® Ex7」という音声入力システムの場合、キーワード入力スピードを大幅に上回る音声入力の影響により、月の残業時間を13.9時間から3.3時間にまで削減したという検証結果があります。
また、1人1日50所見の作成時間に関しても、キーワード入力では4時間52分かかっていたものが、音声入力によって2時間5分にまで削減されたそうです。画面から離れて作業できるため眼精疲労が軽減されたという声が多かったことからも、身体的疲労の軽減という面でのメリットも非常に大きいことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
ちなみに、順天堂大学医学部附属練馬病院の放射線科でも、音声認識ソフトの活用によってレポート作成の効率化を図っているそうです。同院では、毎日100件以上の読影をこなしており、そのレポート作成はこれまでキーボード入力によって行われていたといいます。ただ、放射線画像診断レポート音声認識システム「AmiVoice Ex Rad」を活用することによって、キーボード入力の5分の1~10分の1ほどの作成時間に短縮できるようになったといいます。
素早いブラインドタッチができる人でも半分くらいの時間で作成できるようになっていることを踏まえると、いかに音声認識システムが業務効率化に貢献しているかがお分かりいただけるのではないでしょうか。
音声認識の活用によって医療従事者がさらに働きやすい環境へ
今回は、医療現場に音声認識技術を活用していくことのメリットについて詳しくご紹介しました。音声認識技術を活用すれば、これまで大きな負担となっていた業務を大幅に効率化できるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
もちろん、音声認識の精度は100%ではないため、少なからずチェックする作業は必要になるでしょう。しかし、1から文書を作成する場合の労力と比較すれば、大幅に負担が軽減されるのです。人手不足が深刻化している現代だからこそ、音声認識などの技術は積極的に活用していく価値があるのではないでしょうか。
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