【インタビュー】カルビー、チャットボットで楽しい体験の共創!新たな「ファンづくり」の形とは
最終更新日:2024/04/09
じゃがりこやポテトチップスなど、誰しも一度は家族や友人と共に口にした経験があるのではないでしょうか。幅広い年齢層から愛される商品を長きにわたって提供するカルビー株式会社には、消費者から寄せられる声に答えるための「お客様相談室」が存在します。
2020年12月21日から24時間自動応答可能なAIチャットボットと、受付時間内でコミュニケーター(受付対応者)が直接応答するチャットサポート(有人チャット)を組み合わせた新サービスを導入し、新たな顧客接点として注目を集めました。今回は、お客様相談室でチャットボットの運用を担当される佐山さんを取材させていただき、カルビーが”なぜお客様に愛され続けているのか”を伺いました。
佐山 恵 (サヤマ メグミ)
カルビー株式会社 コーポレートコミュニケーション本部
お客様相談室 チャット担当
2013年に派遣社員としてカルビー株式会社東京支店営業企画部に配属。
2016年、正規入社にてEC業務を担当。
2017年お客様相談室所属。国内電話対応+海外メール対応を担当した後、
2020年から同所属にてチャットボット・チャット担当に就任。
カルビーのファンづくりにおける新たな顧客接点
―――本日はよろしくお願いいたします。現在の部署には5年いらっしゃるとのことですが、お客様相談室とはどのようなところですか?
私たちの部門は「カルビーのファンづくり」をする場所です。お客様からのお問い合わせやご意見ご感想をお受けする中で、サービス改善や当社製品により愛着を持っていただくための取り組みを行っています。コールセンターやヘルプデスク業務を外注される企業様は多いと思いますが、我々は自社員のみで全てのお声にお応えしており、社員はお客様対応・応対に必要な研修を十分に受けたのち、業務にあたっています。お声を寄せてくださるお客様が、商品だけでなくカルビーという会社のファンになっていただけるよう日々尽力しています。
―――ありがとうございます。AIチャットボットの導入のきっかけを教えてください。
チャットボット導入の取り組み自体は、2019年11月から始めました。これまではお電話やメール、お手紙などをお客様の窓口としていましたが、よりフレキシブルにお声を寄せていただける環境を作りたいという想いから、新しいチャネルとしてチャットボットを検討しました。また、時間外のお問い合わせにもしっかり対応することで、お客様の疑問の解決、ご不安の解消をタイムリーにしたいという想いもありました。
―――チャットボットにはいつ、どのようなお問い合わせが寄せられるのでしょうか?
そうですね。日々のお問い合わせは、商品の販売店確認、不具合のご連絡をはじめ、アレルギーや食べ方相談などのお客様の健康に関わることもあったりと多岐に渡ります。入力される言葉の揺らぎで対応不可にならないよう、AIの自然言語処理機能で正確に意味をとらえることで、時間外の窓口でもしっかり対応できるようにと考えています。
検討当初は営業時間外でのご利用ニーズが高いことを想定していましたが、時間内外問わずチャットボットをご利用いただいています。電話やメールだと少し身構えてしまうという方でも、気軽にお問い合わせがしやすくなったのではと感じています。
共に「楽しい体験」を創っていけるベンダーとの出会い
―――数あるチャットボットの中で現在の製品を選択された決め手は何ですか?
ベンダー様がとにかく私たちと同じ方向を見てくれるということです。先程お話した通り、お客様相談室は「カルビーのファンづくり」をする場所であり、お客様に「楽しい体験」を提供していくことが私たちの大切な任務のひとつです。数社のチャットボット企業様とお話をさせていただきましたが、今のベンダー様は導入前から親身になって、私たちが大切にしているお客様対応に共感し、「楽しい体験」の提案をしてくださいました。私たちと同じ熱量で、共に何ができるのかを懸命に考えてくださる姿勢がとてもありがたいです。
―――製品の良さだけでなく、ベンダー側とのフィーリングも大切な選定ポイントなんですね。
幅広い年齢層から「新鮮な声」を集める
―――チャットボットは現在どのように運用されていますか?
担当者は私一人で、ベンダー様との二人三脚で運用しています。対応できなかったお問い合わせの改善や、お客様に喜ばれた対応を掘り下げて分析したりしています。弊社には、電話・メール・お手紙対応のチームもあるので、定期的にお客様から投稿されたメッセージ(ログ)を共有しています。
―――導入前と比べてどのような効果が見られましたか?
若年層からのお問い合わせが徐々に増えているのではないかと思います。つい先日より、ご意見・ご要望・ご感想などのお声をいただいた方へ、お礼の気持ちを込めておすすめ商品をご紹介する企画がスタートしました。その際、年代を選択いただく中で、小学生・10代・20代の選択を目にします。
導入前、特に電話でのお問い合わせは比較的年齢層の高い方からのものが多かったことから、新しい顧客接点の確立を図り、より幅広い年代の方のお声を集めることができていると考えています。
―――チャットボットに関する反応やご感想はありましたか?
チャットボットに登場する弊社のキャラクターにコメントをいただくこともしばしばあります。キャラクターをきっかけに、カルビーというブランドに対して愛着を持っていただける方もいらっしゃいます。3、4ヵ月に1回キャラクターが変わるのですが、そのたびに「可愛いです」や「名前を教えて!」など沢山のお声をいただけています。次はどのキャラクターが登場するのかというワクワク感も、お客様に提供する「楽しい体験」のひとつでありたいと思っています。
いつでも「お客様の身近な存在」であるために
―――チャットボットを活用した御社の今後の展望を教えてください。
今まで以上に、チャットボットで対応できるお問い合わせの幅を充実させていきたいです。チャットボットを運用し始めてからお問い合わせ内容として一番多いのは、やはり商品の不具合に関することや心配ごとです。商品に対して不安を抱えるというのはお客様にとって一番良くないことなので、AIチャットボットでも不具合や心配ごとに関して言葉の揺らぎに幅広く対応できるよう考えています。
―――ありがとうございます。最後に、この記事を読んでいる読者の方へメッセージをお願いします。
どの企業にも言えることですが、時代の変化とともにお客様も変化していきます。その中で、企業がどんな風にどのようなサービスを提供すれば満足していただけるのかを常に考えなければなりません。そのアイデアは、やはりお客様の声から全てが始まると思っています。だからこそ、「大企業だから声が届かない」と思わずに、どんどんご意見・ご要望をいただきたいです。そうすることで、私たちがもっとお客様の身近な存在になれればと常に意識しております。これからも気軽に、私たちに声を届けていただけると嬉しいです。お客様相談室一同、みなさまのお声をお待ちしています。
―――カルビー株式会社様がこれから提供する「楽しい体験」、今後も楽しみにしております。本日はありがとうございました。
取材を終えて
今回の取材を通して、チャットボットの活用は、お問い合わせ対応の負担削減をはじめとした業務効率化が全てではないと改めて感じました。お客様を第一に考え、その声が届くような「身近な存在」であり続けるカルビー株式会社。もし、商品を手に取る機会があったら、チャットボットを活用してみてください。きっと「楽しい体験」を届けてくれるはずです。
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