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最終更新日:2024/03/12
自動運転レベルと最新事例を紹介
AI(人工知能)の技術が発展したことにより、近年はあらゆる業界で積極的にAIが導入されるようになりました。近年大きな注目を集めている「自動運転」においても、AIが非常に重要な役割を担っているのです。
では、その自動運転とはどのような仕組みで成り立っているものなのでしょうか。今回は、自動運転のレベルの定義や、開発に取り組む企業の技術と実証実験などについて詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
画像認識の事例について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
【最新】画像認識AIの導入活用事例10選!各業界企業の課題と導入効果まとめ
現在の自動運転車には、「自動運転レベル」というものが設けられています。これは0~5に区分されるものであり、現在実用化されているのは最高でも「レベル3」となります。それぞれのレベルが具体的にどのような違いがあるのかを詳しく見ていきましょう。
| レベル | 概要 | 運転操作の主体 |
| レベル0 運転自動化なし |
自動運転する技術が何も付いていない自動車。 | ドライバー |
| レベル1 運転支援車 |
システムがアクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかを部分的に行う自動車。 | ドライバー |
| レベル2 運転支援車 |
システムがアクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作の両方を部分的に行う自動車。 | ドライバー |
| レベル3 条件付自動運転車(限定領域) |
決められた条件下において、すべての運転操作を自動化する自動車。ただし、運転自動化システム作動中も、システムからの要請でドライバーはいつでも運転に戻れなければならない。 | システム(システム非作動の際はドライバー) |
| レベル4 自動運転車(限定領域) |
決められた条件下で、全ての運転操作を自動化する自動車。 | システム |
| レベル5 完全自動運転車 |
条件なく、全ての運転操作を自動化する自動車。 | システム |

自動運転は、最先端の技術を駆使した取り組みのように感じられるかもしれませんが、その歴史は意外と古く、1940年代まで遡ります。1939~40年に開催されたニューヨーク万国博覧会において、アメリカのゼネラルモーターズ(GM)が自社パビリオン「Highways and Horizons」を設置しました。
そのパビリオンでは、1960年の未来像を具現化した巨大ジオラマ「Futurama(フューチュラマ)」が展示され、その中の高速道路は自動運転を可能とする「オートメイテッド・ハイウェイ」となっていたのです。具体的な研究開発には至りませんでしたが、「自動運転」という発想が生まれたのはこのニューヨーク万国博覧会が最初だったといえるでしょう。
自動運転を実現するための取り組みが実際に始まったのは、1950年代といわれています。交通事故、渋滞といった交通課題が顕在化し始めたことによって、アメリカのラジオ会社RCAの提案のもと、GMが共同開発に乗り出したのが始まりとされています。
そして1980年代になると、交通課題解決に向けた国家プロジェクトの中で「自動運転」に対する注目度が一気に高まっていきました。ヨーロッパでは、ダイムラーの提案のもと、車両を知能化していく「PROMETHEUS」というITSプロジェクトが1986年に始動。このプロジェクトにはPSAやルノーなども参加し、マシンビジョンやレーダーなどによって走行レーンや障害物を検出していくシステムの開発が進められました。
また、この頃の日本では、機械システム振興協会のプロジェクトの一環として、日産と富士通が「PVS」という自動運転の実験システムを開発しました。レーンマーキングを検出するためのカメラや障害物を検出するためのカメラ、そしてガードレールを検出するための超音波センサーなどが本格的に活用され始めたのです。
さらに2000年代以降になると、Googleが有数のエンジニアを採用して「Self Driving Car Project」という取り組みがスタートしたり、国内外でさまざまな自動運転スタートアップが設立されたりと、自動運転の実用化に向けた取り組みが多く行われるようになりました。

多くの人々から期待を寄せられている自動運転ですが、必ずしもメリットばかりというわけではありません。また、実用化に向けた課題が残っているのも事実です。具体的にどのような課題があるのか、詳しく見ていきましょう。
最も大きな課題として挙げられるのは「責任の所在」です。たとえば自動運転中に事故が発生した場合、その事故の責任を誰が負うのかという点は、明確にしなければならないポイントといえるでしょう。また、今後は自動運転車と手動運転者が混同していくことになるため、「人が運転している車と自動運転車が事故を起こした場合にはどうするのか」という点についても議論していく必要があります。
これらを明確にルール化(法整備)していくことは、自動運転実用化に向けた大きな課題といえるでしょう。
自動運転を実現するためには、自動車のIT化が欠かせません。つまり、インターネットとの接続によってさまざまな情報を入手する環境が必要になるということです。そのため、インターネットに繋がったパソコンと同じように、自動運転車にもサイバー攻撃のリスクが生じることになります。
最悪の場合、ハッキングによって車そのものが盗難被害にあうリスクもあるため、サイバー攻撃への対策も講じる必要があるでしょう。
自動運転車は、わずかな精度の低下が原因で死亡事故を引き起こしてしまうリスクがあります。そのため、常に高い精度を発揮できるAIを実現しなければなりません。わずか1回のミスが重大な事故に繋がってしまうケースも否めないため、より安全に通行するためのAI精度を実現する必要があるでしょう。
自動車のIT化によって、交通事故や道路工事、障害物といったさまざまな情報を簡単にキャッチできるようになります。こういったデータを外部から受け取ることで、自動運転はさらに精度を高めていくことができるわけですが、多くの自動運転車がスムーズに情報をキャッチするためには、インフラ整備が必要です。
新たな基地局を作ったりネットワークを強化したりするインフラ整備も、課題の一つといえるでしょう。
自動運転車が普及した場合、日本国外からも優れたシステムを搭載した自動車が輸入されることになります。そのため、国際的なガイドラインを制定し、日本の道路交通法に則った安全なドライビングを実現できるようにしなければなりません。
現在の自動運転のレベル分けのように、細かくガイドラインを制定していく必要があるでしょう。
自動運転を実現するためには、乗員だけでなく周辺の歩行者も安心できるような技術力と法整備が必要になります。では、具体的にどのような法整備が必要になってくるのか、詳しく見ていきましょう。
現在日本で実用化されている自動運転は「レベル3」ですが、政府は2022年3月4日、特定の条件下で運転を完全に自動化することができる「レベル4」の自動運転車の公道走行を許可する制度を盛り込んだ道路交通法の改正案を閣議決定しました。そのため、2022年度内にはレベル4の公道走行が可能になる見込みです。
ただ、全国で一斉にレベル4の公道走行が可能になるわけではなく、まずは公共交通網が弱い地方部で人が遠隔監視しながら決まったルートを走るバスでの利用を想定しているといいます。そして、25年を目処に全国普及を目指していくそうです。
自動運転の実現にむけて、道路運送車両法の整備も進んでいます。2020年4月1日に施行された道路運送車両法では、主に4つの自動運転に関する変更点がありました。1つ目は「自動運行装置」を定義する規定を設け、自動運行装置を保安基準の対象としたことです。道路運送車両法では、この保安基準を満たしている自動車でなければ運転できないため、公道走行の実現に向けた重要な変更点といえるでしょう。
2つ目は、電子的な検査に必要な技術情報の管理に関する規定が整備された点です。これまでの電子的な検査は、警告灯の確認等の簡単な方法のみが行われていました。しかし、自動運行装置については、電子的な検査を本格的に行わなければなりません。そのような背景もあり、今回の改正によって自動車技術総合機構という独立行政法人が、電子的な検査に必要な技術情報の管理を行うことが決定しています。
3つ目は、分解整備から「特定整備」に名称が変更され、その範囲も拡大したことです。これにより、メーカーから整備事業者への技術情報の提供が新たに義務付けられました。
そして4つ目は、プログラムの改変による改造等に関する許可制度が新設されたことです。これまでは、プログラムの改変による改造については想定されていなかったため、今回の改正で法が整備されました。
現在は、さまざまなメーカーで積極的に自動運転技術の開発が進められています。ここからは、メーカー各社がどのような取り組みを行っているのか、より詳しくみていきましょう。
トヨタでは、高速道路走行時に白線の検知や前方のクルマを検知し、ハンドル操作のサポートを行ったり、一定の車間距離での走行を支援したりする機能を提供しています。ステアリング制御の作動ではみ出さないようにサポートしてくれる「レーントレーシングアシスト」は、車線の中央を走行するために必要なハンドル操作をサポートするだけでなく、自車のふらつきを検知した場合に休憩を促すディスプレイ表示なども行ってくれます。
さらに「アイサイトコアテクノロジー」と呼ばれる技術を活用したクルーズコントロール機能では、高速道路や自動車専用道路で、0km/h〜約120km/hの幅広い車速域において定速または先行車に追従走行することが可能です。そのため、渋滞時の集中力不足による事故を防いだり、アクセル・ブレーキ操作のわずらわしさを軽減させたりすることができます。
ホンダは2020年11月に、自動運転レベル3 型式指定を国土交通省から取得。さらに2021年3月には、「自動運行装置」であるトラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)を実現したHonda SENSING Eliteと、その機能を搭載した新型LEGENDを発表しました。
ホンダの「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」は、ハンズオフ機能付車線内運転支援機能で走行中に渋滞に遭遇した際、一定の条件下においてはドライバーに代わってシステムが周辺を監視しながら、アクセル・ブレーキ・ステアリングを操作してくれるというものです。
自ら事故を引き起こさないシステムを目指して、膨大なシミュレーションと実証実験の結果をもとにした統計的な分析が日々行われています。
日産の「ProPILOT」では、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作を車がサポートします。そのため、高速走行におけるドライバーの負担を軽減することが可能です。また、進化した「ProPILOT 2.0」を搭載している車であれば、高速道路の入口から出口までナビ連動で運転をアシストするため、ハンズオフ走行を快適に楽しむこともできます。
さらに、駐車をサポートする「ProPILOT Remote Park」が搭載された車であれば、降車してからリモート操作によって駐車を行うことも可能です。そのため、狭いスペースでも駐車がスムーズに行えるでしょう。
マツダの「Mazda Co-Pilot Concept」は、「事故のないクルマ社会」の実現に向けた「人」中心の安全技術の普及を目指すという自動運転コンセプトです。このコンセプトを軸にさまざまな研究・開発が行われており、第1段階となる「Mazda Co-pilot1.0」が2022年のラージ商品群から導入されることが予定されています。
BMWは、日本国内モデルとしては初めて「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」を搭載した車両を開発し、日本に導入したことで大きな注目を集めました。BMWの技術の注目ポイントとしては、3眼カメラと最先端の画像処理プロセッサーが挙げられます。
単眼でも距離認識可能な高性能カメラを3機搭載しており、それら3つのカメラで検知された情報は、毎秒2兆5,000億回の演算能力を持つ「EyeQ4」によって処理されます。これにより、より正確なレーン・キーピング、より長距離の危険予測、より高角度視野での周辺危険予測を実現しているのです。
テスラでも、自動運転の実用化に向けて最新の技術が積極的に活用されています。その代表的な技術とも言えるのが、8台のカメラと強力なビジョン処理によって、360度の視界と、最長250mまで先を視認していくというものです。この最先端のセンサー能力によって、車両の環境を巧みに分析することができています。
また、オートパイロット機能では、車の運転で最も負担の掛かる部分をアシストするよう設計されています。オートパイロットは新機能も導入されており、既存の機能を改善しつつ、テスラの安全性と性能を向上し続けているのが特徴です。
自動車メーカーだけでなく、最近では官民が行う実証実験にも注目が集まっています。実際にどのような実証実験が行われているのか、いくつかの事例をみていきましょう。

ソフトバンクでは月1回以上のスピードで自動運転車両の実証実験が実施されています。実証実験では、実運用までの課題洗い出しや社会受容性の向上、市場の創生、そして国や行政機関へのフィードバックを実施しているといいます。
そんなソフトバンクの実証実験は、さまざまな車両で自動走行が実証されているのが特徴です。普通自動車に加え、大型バスや小型バス、トラクターなど、さまざまな種類の車両が走行することを想定しながら実証実験が行われています。

大和ハウス工業株式会社とイオングローバルSCM株式会社、花王株式会社、株式会社日立物流、株式会社豊田自動織機の5社は、経済産業省資源エネルギー庁公募事業である令和3年度「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業」において、物流施設でのAIを搭載した自動運転フォークリフト等を活用し、トラック運行と連携させることで、荷役効率化・物流効率化・省エネ化に取り組む共同事業の提案が採択され、2021年9月16日に交付決定されました。
5社は、サプライチェーンの結節点であるトラックの積卸しを自動化するために、AIを搭載した自動運転フォークリフトの実用化を目指すとともに、荷主間の計画的かつ効率的なトラック運行を実現することで、サプライチェーン全体の効率化・省エネ化に取り組む実証事業を2021年9月より行います。
事業期間は2024年3月までの複数年度で計画され、今年度までは核となるトラックの積卸しの自動化技術の確立を目指して活動。来年度には、共通システムとの連携・積卸しにおけるスワップボディコンテナの有効活用、AIを搭載した自動運転フォークリフトの前後の工程にパレタイジングロボットを活用し自動化の範囲を広げることで、さらなる効率化を図ります。令和5年度には、AIを搭載した自動運転フォークリフトを活用した効率化、省エネ技術が広く普及するよう実証や検討を進めます。

横浜市では、『グローバル拠点都市』に選定されたことを契機に、まちぐるみのオープンイノベーションを推進しており、新ビジネス創出に向けた実証実験に積極的に取り組んでいます。その一環として、I・TOP横浜において、日産自動車株式会社は株式会社NTTドコモと協力し、みなとみらい21地区・関内地区にて、オンデマンド配車サービス「AI運行バス」を用いた「Easy Ride」(自動運転車両を活用した新しい交通サービス)の実証実験を令和3年9月21日から10月30日まで実施しました。
乗降地数は23か所 で、乗降ポイントの間を自動運転車両によって自由に往来することができます。配車予約に際しては、NTTドコモのスマートフォン向け配車アプリ「AI運行バス」を 使って、行きたい場所を地図から直接指定する以外に、ショッピングや食事、観光などのカテゴリから目的地を選択することが可能です。
このように積極的に実証実験が行われていることを踏まえると、実際に横浜市で自動運転車両が日常的に走行する日は決して遠くないかもしれません。
静岡県沼津市では、沼津駅と沼津港という異なる魅力を持つ拠点間のネットワーク強化に向けて、新たな交通システムの可能性を検証しています。その検証の一環として、令和3年12月8日(水曜日)から17日(金曜日)まで自動運転の実証実験が行われる予定でしたが、伊東市内での実証実験に向けた事前審査において、遠隔操作中の自動運転車両が歩行者と接触したことを受け、実証実験の日程は延期となりました。
歩行者との接触の原因が究明され次第、検証は再開されるといいます。

今回は、自動車業界において特に注目されている「自動運転」のレベルの定義や、その技術について詳しくご紹介しました。技術の発展とともに、安全性を確保するための「法整備」も重要であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
現在もさまざまな企業で積極的に実証実験は行われているため、完全な自動運転が実用化する日は決して遠くないかもしれません。自動運転の実現には、AIが極めて重要な役割を担っていますので、ぜひこの機会にSociety 5.0に向けてAIリテラシーを高めてみてはいかがでしょうか。
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