視覚障害者を誘導するAIスーツケース 新千歳で実証実験を実施
最終更新日:2022/09/02
日本科学未来館は、AIスーツケースの実証実験を7月29日に新千歳空港で実施しました。空港での実証実験に関して日本の空港では初めての取り組みです。
このAIニュースのポイント
- AIスーツケースの実証実験を7月29日に新千歳空港で実施
- 「AIスーツケース」は設定したエリア内で、視覚障害者を目的地まで自動で誘導するスーツケース型のロボット
- 今回の実験結果は、今後空港における混雑状況下でのAIスーツケースの動きの改善に役立てられる
日本科学未来館は、未来館などが開発を進める視覚障害者向け自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」の実証実験を、北海道エアポート株式会社の協力のもと、7月29日(金)に新千歳空港で実施しました。空港での実証実験は、これまで米国ピッツバーグ国際空港において行われましたが、日本の空港では初めての取り組みです。
「AIスーツケース」は、あらかじめ設定したエリア内で視覚障害者を目的地まで自動で誘導するスーツケース型のロボットです。IBMフェローであり全盲の障害を持つ浅川智恵子氏が、出張の際に「スーツケースが自動で動き道案内をしてくれたら」と感じたことに着想を得て、2017年頃から浅川氏が客員教授を務める米国カーネギーメロン大学の研究室を中心に開発が始まりました。その後、2019年12月、日本IBMをはじめ、趣旨に賛同する5つの企業が「一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアム」を設立し開発を推進。2021年4月に浅川氏が館長に就任したのを機会に、未来館でも開発・検証を開始しています。
館長である浅川氏が提唱する、障害や年齢、国籍といった違いに左右されないインクルーシブな未来社会の実現を目指す取り組みの一環として、外部の研究機関と共同で進めるコンソーシアム「日本科学未来館アクセシビリティラボ」などが研究開発を進めています。
今回の実証実験では、一般搭乗客や大きな荷物カートなどが多く行き交い、土産物店などのショップが立ち並ぶ空港独特の環境下で、AIスーツケースが実験協力者をターミナルビル2階のセンタープラザから土産物店をめぐり、航空会社出発カウンター前まで誘導する動きを試行しました。今回の実験結果は、今後空港における混雑状況下でのAIスーツケースの動きの改善などに生かされます。
出典:日本科学未来館
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