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最終更新日:2024/04/03
「お堅い」イメージの地方自治体に対して、気になることや疑問などを質問するのが難しいと感じてしまう住民の方も決して少なくないでしょう。また、せっかく質問しようと思っても、対応時間外であるため質問できなかったという経験をお持ちの方も多いのではないかと思います。そんな中、チャットボットを活用した「AI職員」を導入する動きが出ているのをご存知でしょうか。人手不足問題を解消するための方法として、自治体でもチャットボットを活用したサービスを展開する例が増えているのです。では、どのような形でチャットボットを活用しているのでしょうか。今回は、「行政×AI」で見えてくる、チャットボットを活用した新たな取り組みについて見ていきましょう。
神奈川県川崎市では、三菱総合研究所とともに、ホームページに掲載されている「よくある質問(FAQ)」をはじめとする膨大な情報の中から、市民が必要とする情報を絞り込んで分かりやすく提供するために、AIを活用した問合せ支援サービスの実証実験に取り組んでいます。川崎市では、平成28年度にも同様の実験を実施しており、その際は住民と行政の接点であり、職員の業務効率化効果や新たな行政サービスへの実感も期待できる子育て分野での実験を行っていました。その際に、利用者アンケートにおいて「子育て支援以外でも使えるといい」という要望が最も多かったことを受けて、平成29年度には対象分野を行政サービス全般へと拡大しました。実証実験の報告書によると、平成28年度の実験では、「AIを効果的に活用するためには、投入するデータの質的・量的向上が必須である」という結論に至ったそうです。
そこで、平成29年度に対象分野を行政サービス全般へと拡大するにあたり、ホームページ上のFAQデータの拡充といった、きめ細かな受け答えを可能とする取り組みを実施したと説明しています。さらに、「雑談がもっとうまくなるといい」という要望もあったことから、回答不能時の返答にバリエーションを持たせたり、キャラクターに関する質問への回答を追加したりといった改善もしたそうです。

川崎市と同じように、岡山県和気町でも行政サービスにチャットボットを導入しています。和気町が導入しているのはIBM Watsonを活用した「わけまろくん」というチャットボットです。ホームページ上はもちろん、LINEでも利用することができる点は大きな特徴といえるでしょう。「わけまろくん」の利用例としては、「生ゴミの出し方を教えて欲しい」という質問をすると、「生ゴミの分け方」「生ゴミの出し方」「生ゴミを出す時間」などの詳細を回答してくれるというものです。「わけまろくん」は、和気町のホームページ上にあるバナーをクリックすることで利用できます。また、LINE上で友だち申請をすることでも利用可能です。和気町に関する質問を入力することでも回答を得られますが、カテゴリーから質問したい項目を選択する方法も存在します。この場合には、質問の答えに関連するページに自動で案内される仕組みです。
こういった特徴を持つ「わけまろくん」ですが、和気町は「わけまろくん」を導入したことによって24時間いつでも情報提供を行うことができるようになりました。また、これまでは人員の確保も難しい状況にあったそうですが、チャットボットを活用することで人手不足問題も解消できるようになったそうです。もちろん、現段階でのチャットボットの精度は100パーセントというわけではありませんが、今後蓄積されていくデータで機械学習を重ねることで、さらなる精度の向上を図っていくとしています。

東京都渋谷区が2017年、AIに特別住民票を発行したことが話題を呼びました。彼の名前は「渋谷みらい」。小学校2年生のAIキャラクターです。IT経営者のお父さん、専業主婦のお母さん、高校生のお姉さんと渋谷区で暮らしています。渋谷みらいはちょっとおませな性格で、コミュニケーションアプリの「LINE」を通じて誰とでもコミュニケーションが図れます。彼の役割は、渋谷区に関わる人たちと仲良くなり、渋谷区の未来をつくること。渋谷区のイベントに登場したり、渋谷区報に連載コーナーを持っていたりします。
渋谷みらいの開発技術は、日本マイクロソフトの人気チャットボット「りんな」をベースにしています。りんなと同様に「LINE」を通じてのおしゃべりのほか、しりとりなどのゲームをしたり、ユーザーが送った画像を渋谷駅前の「モヤイ像」風に加工してくれたりといったお遊びの機能もあります。行政が一方的に情報を発信するのではなく、「一住民」としてのキャラクターを前面に押し出すことで、住民との距離感を縮めていく役割を担っています。


待機児童問題が深刻化する中、保育園に入園するための「保活」についてもさまざまなメディアで取り上げられるようになっています。昨今では、大都市を中心に保育園への入園希望者が増加したため、園児を各施設に割り振る「保育所入所選考業務」は複雑さを極めています。この作業では、各保育所の定員に基づいて、各希望者の優先順位を決めて割り振っていかなければなりません。自宅から保育所までの距離、家庭の収入や家族の状況、兄弟がいる場合に同じ保育所に預けたいかどうかなど。
埼玉県さいたま市では一連の作業を、20~30名の職員が1週間以上かけて実施していたといいます。作業量が膨大であるばかりでなく、間違いが許されないという心理的負担も大きかったといいます。そこで同市では、保育所の選考過程をモデル化し、AIによる処理を導入。児童約8,000人の割り当てが数秒で完了するようになりました。2017年8月には、人手による選考とほぼ100%合致するまで精度が高まったといいます。

「お役所仕事」などといいますが、利益を追求する民間に比べて、行政サービスはマンパワーに頼りがちな部分が多くあります。しかし、地方の過疎化や少子高齢化による人手不足が大きな社会問題となる中、あらゆる分野でAIやロボットを使った労働生産性の向上が不可欠になり、これは行政も例外ではありません。
また、住民にとっても、生活する上で必要な情報を気軽に得られるチャットボットには、大きなメリットがあるといえるでしょう。これまでの行政サービスは限られた時間内だけで行われているケースも多かったわけですが、チャットボットであれば24時間いつでも対応することができるからです。また、人間に対して質問するよりも、チャットボットのほうが気軽に質問できるという方も多いでしょう。そういった気軽さも、チャットボットの魅力といえるのではないでしょうか。
そのような点を踏まえると、よりよい街づくりと市民サービスの提供を行うためには、AIの導入が必要不可欠と言っても過言ではないかもしれません。そしてそのサービスを向上させるためにも、様々なチャットボットの比較検討が重要な作業になるでしょう。
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