生成AI

最終更新日:2024/04/09
大日本印刷が、GPU搭載の従来のパソコン(PC)を使用し、個々の課題に合わせて、膨大な選択肢から最適な解を抽出する「組合せ最適化問題」を高速で処理する「DNPアニーリング・ソフトウェア」を開発しました。
工場の生産・人員計画、物流や運送便経路の最適化や複数エリアでのセールス経路など、企業活動における多様な「組み合わせ問題」に貢献します。
このAIニュースのポイント
DNPは今回、印刷事業で培った文字・画像処理や自然言語処理の技術・ノウハウを活用して、GPU搭載の従来のPCで膨大なデータを高速に処理して「組合せ最適化問題」を解くことができる「DNPアニーリング・ソフトウェア」を開発しました。DNPはすでにこのサービスを印刷工程の予定の自動作成に活用しており、従来の方法と比べて約10倍の高速化を実現しています。従来、夕方から翌朝にかけて時間がかかっていた印刷工程の予定表作成が約1時間に短縮でき、急な予定変更にも対応が可能になりました。
このソフトウェアには、アルゴリズムが異なる3つの演算手法(シミュレーテッドアニーリング、パラレルテンパリング、量子モンテカルロ)が搭載されており、課題に応じて手法を使い分けながら最適解を求めることができます。また3つの手法を同時に用いて最適解を求めることも可能で、企業が抱える多様な課題に対応できます。
量子コンピューターやスーパーコンピューターといった専用ハードウェアではなく、PCで運用できるため、企業の既存のシステムやプログラムに替えて導入することができます。DNPが顧客企業等から受領したデータをもとに、このソフトウェアを使った「組合せ最適化問題」の解決業務を受託するほか、将来的には企業等に販売していく予定です。
「組合せ最適化問題」の演算処理には、入力する分析データの整備や、導き出した解に基づいて最適化していく各種システムやアプリとの調整作業などが必要になります。こうした一連の作業について支援するAI技術やコンサルティングなども提供されます。
今後DNPは、「DNPアニーリング・ソフトウェア」を自社内で活用するほか、企業・団体等からのデータ処理を受託して、ソフトウェアの運用ノウハウの蓄積や精度向上を図るとともに、2022年度内にはこのソフトウェアを販売するなどの事業化を目指しています。提供先として、需要に応じた生産予測が必要な製造業のほか、配達業務の所用時間最小化を図る物流・交通分野、素材・材料の研究・開発の分野などが想定されています。
出典:PR TIMES
業務の課題解決に繋がる最新DX・情報をお届けいたします。
メールマガジンの配信をご希望の方は、下記フォームよりご登録ください。登録無料です。
AI製品・ソリューションの掲載を
希望される企業様はこちら