生成AI
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最終更新日:2024/04/04
気候などの自然条件や経験・勘に左右されがちだった農業の世界もIT化の波は押し寄せており、植物工場やAI・人工知能や、ドローン、IoTを活用した「スマート農業」が世界中で研究されています。
今回は、農業でのチャットボット活用の可能性についてまとめました。
農林水産省は2019年1月、農業分野での研究成果や研究者等の情報を提供する「アグリサーチャー」の利便性を向上させる目的で、スマホ上での「対話型検索システム」チャットボットの試験導入を開始しました。
農業研究見える化システム「アグリサーチャー」は、2017年4月の稼働開始より毎月7,000件以上のアクセスを集める人気コンテンツですが、より一層の利便性の向上が求められています。
ウェブサイト上からチャット画面を開くと、ロボットがお勧めの研究成果をランダムで紹介するほか、例えば「コメ」というように検索したいキーワードを入力すると、内容に応じた行政情報を表示してくれるというものです。このチャットのベースはLINEを利用しています。
コミュニケーションツールとして親しみあるLINEと平易な会話文で検索が可能になることで、膨大な研究成果にアクセスしやすくなると期待されています。
クラウド型農業支援サービス「Agrion(アグリオン)」では、では、スマホで農作業の記録をつける「農業日誌」のほか、販売管理機能も提供しています。
アグリオンは、ITを活用して効率的に農業に取り組みたい人に向けたサービスです。
同アプリでは、農業経営に役立つチャットツール「アグリオン・チャット」も提供されています。
共に農作業を行うメンバー向けに、口頭では説明しにくい作物や畑の様子や病害虫の発生状況を写真で送るなどリアルタイムでのコミュニケーションをとりやすくするほか、前日の作業時間をボットが教えてくれる機能、アドバイザーとして登録されている農業の専門家にチャットから相談できる機能などが備わっています。
チャットであれば離れた場所で作業する仲間ともコミュニケーションしやすく、また日誌なども事務所に戻らずともすぐに参照できると好評です。
三菱総研は2017年、対話型のAIチャットボットで家庭菜園初心者にアドバイスするサービスの実証実験を実施しました。
同社によると、野菜栽培をする人は約720万人存在するとみられるものの、初心者が入門段階で失敗して辞めてしまうケースも多いそうです。
「初心者を失敗させないこと」が家庭菜園市場の拡大のカギとなるとみられています。
栽培手順を示した動画や検索方式のQ&Aはあるものの、初心者が一から疑問を解決するのは決して簡単ではありません。
何を検索したらいいのかわからず、適切な回答にたどりつけないこともあるでしょう。
この実証実験は、チャットボットを通じ、対話型AIが24時間いつでも初心者のあいまいな質問にも適切に回答・アドバイスすることで、失敗を防いで野菜づくりをさらに楽しめるようにすることを目指す取り組みです。
農林水産省は、農業にIT技術を活用する「AI農業」を推進するための取り組みを支援しています。
少子高齢化で人口が減少する中、農家では長年農業に取り組んできた経験者の「暗黙知」をいかに次世代へ伝えていくかという課題に直面しています。
チャットボットを活用し、知のデータベース化と検索の簡素化を進めることで、「暗黙知」を「形式知」として共有し、後継者や新規就農者のスキル向上に向けた情報提供に役立てることができるでしょう。
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