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GraphRAGとは?メリットから仕組みまで詳しく解説

最終更新日:2024/11/07

情報検索のテクノロジーに興味を持ち、SNSで調べている中で「GraphRAG」という言葉を見かけたものの、何のことかよくわからず困っている人はいませんか?

GraphRAGは、データをグラフ構造にすることで、より正確で関連性の高い情報をユーザーに提供できることを目指しています。

本記事では、GraphRAGのメリットから仕組みまで詳しく解説します。

RAGとは?

RAG(Retrieval Augmented Generation)とは、生成AIで外部のデータベースやドキュメントの情報を検索し、生成に活用する仕組みのことを指します。

例えば、ChatGPTが自分のトレーニングデータだけではなく、Googleの検索エンジンで情報を検索し、見つけたデータを基に文章や回答を生成するようなものだとイメージするとわかりやすいでしょう。

RAGの技術は、質問応答システムや検索エンジン、専門的な情報提供が求められる分野での応用が期待されています。

RAGについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

参考:RAG(検索拡張生成)とは?活用例やメリットを解説

GraphRAGとは?

GraphRAG(Graph-based Retrieval-Augmented Generation)とは「グラフラグ」と読み、2024年2月にMicrosoft社が公表したRAGのことを指します。

GraphRAGでは外部のデータベースやドキュメントの情報を、文章のような非構造化データで扱うのではなく、コンピュータが理解しやすい構造化データ(グラフ構造)に変換して扱うことができます。

グラフ構造はノード(点)とエッジ(線)で構成されていて、ノードが情報そのもの、エッジがそれらの関係性を示すため、マインドマップによく似た見た目になっているのが特徴的です。

この特徴から、GraphRAGは関連性の高い情報を効率的に検索でき、文脈に合った答えを生成できるようになりました。

GraphRAGとRAGの違い

GraphRAGとRAGは、どちらも生成AIのアウトプットを最適化するためにあります。

RAGは、情報を一定量で区切ったチャンクを数値化(ベクトル化)して専用のデータベースであるベクターストアに格納し、質問と関連性の高いチャンクを検索して一緒に生成AIに渡すことで学習していない情報についても回答できる仕組みです。

一方、GraphRAGは、情報をナレッジグラフと呼ばれる構造化データに変えることで、データ間の関係性が明確になり、質問に対してより関連性の高い情報を検索できるようになっています。

このことから、GraphRAGとRAGは情報の扱い方と検索方法に大きな違いがあるのがわかります。

GraphRAGをMicrosoftが作った目的

RAGを用いることで、生成AIが学習できていないことを外部の情報から補完できるようになりましたが、膨大な情報から回答を生成しなければならない場合や、情報同士の関連性が重要な場合は、回答の精度が低くなるという課題がありました。

Microsoftはこの課題を解決するため、GraphRAGを作りました。

この背景には、世の中に出回る情報が爆発的に増加し、その中から必要な情報を効率的に検索する必要性が高まったことが挙げられます。

また、ディープラーニングの技術が進化し、情報の意味を理解したり、文章を生成したりする能力が飛躍的に向上したことも背景にあるといえます。

GraphRAGは、これまでの生成AIとRAGが抱えてきた課題を乗り越えることが期待されています。

GraphRAGのメリット

GraphRAGには、次のようなメリットがあります。

  • 大量の情報を効率的に処理できる
  • 複雑な質問にも対応できる
  • より正確な回答ができる
  • 回答の根拠を明確に示せるのでハルシネーションを軽減できる
  • 回答の内容における包括性と多様性の向上

これらのメリットから、今までの生成AIで課題とされてきたことが、GraphRAGを使用することで解決できることがわかります。

GraphRAGのデメリット

GraphRAGには、次のようなデメリットもあります。

  • 大量の情報を処理し複雑な質問にも対応するため、回答の生成に時間がかかってしまう場合がある
  • RAGに加えて、グラフ構造を使うことで情報を関連付ける仕組みを持っているため、RAGと比較すると実装や運用が複雑になることがある

実際の運用ではデメリットも意識する必要がありますが、使い方次第でうまく克服できる場合もあるため工夫してみると良いでしょう。

GraphRAGの仕組み

GraphRAGが回答を生成するまでの仕組みを、7つの段階にわけて紹介します。

1.インデックスの作成

GraphRAGはたくさんの情報の中から質問の回答に必要な情報を検索しやすくするため、インデックスを作成します。

具体的には、以下のような情報を抽出してインデックスとしてまとめておきます。

  • 発行日
  • カテゴリ
  • 関連するトピック

これは紙に書かれた情報に目印をつけて見つけやすくするため、ファイリングしてそれにラベルを貼る作業に似ていますが、GraphRAGでは単にファイル名でインデックスしているのではなく、情報同士の関連性や重要度も考慮されています。

GraphRAGはインデックスを作成することで、質問を受けた時に整理された情報の中から必要なものだけを素早く取り出すことができます。

2.エンティティの抽出

エンティティとは文章内に含まれる個別の情報を指します。

例えば、お米に関するブログの中では「銘柄」がエンティティとなります。

GraphRAGでは、後にグラフ構造として関連付けるために、文章やデータからエンティティを抽出します。

エンティティをあらかじめ抽出しておくことで、GraphRAGは情報の関連性を理解し、正確な回答を導き出すことができます。

3.グラフ構造の形成

GraphRAGは、エンティティを抽出した後にそれらの関連性をグラフ構造として表します。

グラフ構造はノード(点)とエッジ(線)で構成されていて、ノードがエンティティ、エッジがそれらの関連性を示します。

例えば、お米の「銘柄」がノードの場合、エッジは「生産地」や「栄養価」になります。

グラフ構造を持つナレッジグラフを作成することで、GraphRAGはインデックスされた情報だけではなく、それらのつながりや文脈を反映した回答ができるようになります。

4.階層クラスタリング

クラスタリングとは、情報を関連性に基づいてグループ分けする技術のことです。

階層クラスタリングは、関連性の高い情報を大きなグループから小さなサブグループへと、階層的に整理する手法を指します。

ナレッジグラフで明らかになったエンティティ同士の関連性をもとに、例えば大きなカテゴリの「お米」で情報をグループ化し、次に「銘柄」ごとに分け、さらに「生産地」や「栄養価」などのサブカテゴリで情報を細かく整理します。

階層クラスタリングをすることで、GraphRAGは質問に応じた適切な情報を取り出せるようになります。

5.検索(Retrieval)

検索はRAGの中心的な要素とも言えます。

ユーザーが質問を入力すると、GraphRAGは作成されたインデックスとナレッジグラフを用いて、関連する情報を効率的に検索します。

検索エンジンやRAGと異なり、GraphRAGは情報だけをピックアップするだけでなく、情報同士の関連性や文脈も考慮した検索ができるので、より正確で意味のある回答を生成できます。

6.コミュニティ要約の生成

階層クラスタリングで作られたグループをコミュニティと呼びますが、GraphRAGではコミュニティ内の情報同士がどのように影響しているかを分析して要約を生成します。

例えば、お米についてのナレッジグラフがある場合、「銘柄」「生産地」「栄養価」などが相互に関連するコミュニティを形成し、その中でどの情報が重要なのかを要約して提供できます。

コミュニティ要約を生成することで、ユーザーの質問に対する回答の要点を簡潔に伝えることができます。

7.生成プロセス(Generation)

最後にGraphRAGは、自分の持つトレーニングデータとナレッジグラフから質問に対する最適な回答を生成します。

これまでの過程を経ることで、関連する情報をリストのようにただ返すだけではなく、文脈を踏まえた回答や新しい文章の生成ができます。

これにより、ユーザーは回答が理解しやすくなり、具体的で実用的な情報を受け取ることができます。

GraphRAGの使い方

GraphRAGの使い方を5つのジャンルに分けて紹介します。

1.医療分野

医療の分野でGraphRAGは以下のような使い方ができます。

  • 患者の症状や検査結果の情報から適切な診断をするためのサポート
  • 患者の診療記録、医学文献、薬品情報などの統合と整理
  • 患者の診療記録と医学論文から最適な治療法を提案する

GraphRAGを使うことで診療の質が上がり、医療の現場で働く人たちの負担を軽減することができます。

2.企業のナレッジマネジメント

2023年10月、日本総研では「大規模言語モデルのビジネス活用の新展開」という調査レポートを発表し、その中で企業のナレッジマネジメントにRAGを使うことを提案しています。

RAGを使うことで、生成AIに質問した時にトレーニングデータだけではなく、関連する組織内文書の内容も踏まえて回答ができるようになるためです。

GraphRAGを企業に導入すれば、この形でのナレッジマネジメントはさらに効率化でき、従業員の求める情報が得られやすくなります。

参考:日本総研「大規模言語モデルのビジネス活用の新展開」

3.学術・教育分野

学術・教育分野でGraphRAGは次のような使い方ができます。

  • 学生の学習履歴や教材を基に個別の学習プランを提案する
  • 学術論文をGraphRAGで分析し、研究トレンドの予測システムを作成する

GraphRAGは大量の情報をわかりやすい形に整理して提供でき、高度な推論能力を持つため、学習効果や個別指導の質を高めたり、新たな研究を始めるサポートをしたりするのに役立ちます。

これにより、教育機関は学生一人ひとりのニーズにあった指導を行い、研究者は新しい視点を得られるので、研究成果の質の向上が期待できます。

4.カスタマーサポート

カスタマーサポートでGraphRAGを使うと、過去の問い合わせ履歴やよくある質問を元に、最適な回答を提供するシステムを作成することができます。

これにより、顧客満足度が向上し、対応時間も短縮できるためカスタマーサポートを担当する部署の効率化が図れます。

また、正確で時間をあまりかけずに回答が得られることから、顧客からの信頼感が高まり、リピート率の向上にもつながると考えられます。

5.法務分野

法務分野でGraphRAGを使うと、裁判記録や法律文書を管理し、関連する判例や法的根拠を検索するシステムを作ることができます。

これにより弁護士、司法書士、行政書士などの法律の専門職の人たちの業務効率化や、相談者に対する助言の質の向上が期待できます。

また、早くて正確な情報検索が可能になることで、法的な判断におけるリスクを軽減できることも大きなメリットです。

まとめ

RAGとは、Retrieval Augmented Generationの頭文字を取った言葉で、生成AIで外部のデータベースやドキュメントの情報を検索し、生成に活用する仕組みです。

また、GraphRAGとは、Graph-based Retrieval-Augmented Generationの頭文字を取った言葉で、2024年2月にMicrosoft社が公表したRAGのことを指します。

GraphRAGは、情報をナレッジグラフと呼ばれる構造化データに変えることで、データ間の関係性が明確になり、質問に対してより関連性の高い情報を検索できるのが特徴的です。

本記事も参考にして、ぜひ積極的にGraphRAGを活用してみてください。

AIsmiley編集部

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