FRONTEO 東京工業大学と創薬ターゲット探索の効率化・高速化に向け共同研究開始
最終更新日:2022/09/30
FRONTEOは、東工大の研究センターと、疾患構造の解析や創薬ターゲット探索の効率化に関する共同研究を開始しました。
このAIニュースのポイント
- 疾患iPS細胞やiPS細胞から分化させた細胞の超早期の特性解析などへの活用が期待されている
- Cascade Eyeによって研究者のバイアスに左右されない従来の手法のみでは難しかった創薬アプローチが可能
- ウェットをベースとしたネットワーク解析法と、ドライをベースとしたネットワーク解析AI技術のシナジーが見込める
株式会社FRONTEOは、東京工業大学科学技術創成研究院細胞制御工学研究センターと、疾患構造の解析や創薬ターゲット探索の効率化に関する共同研究を開始しました。
研究グループは、単一細胞内のタンパク質の量的変化と、それらの質的・時空間的変化に基づき細胞のシグナル伝達や疾患・薬効が示す細胞状態を解明するPLOM-CON解析法を開発しています。同解析法は、細胞の蛍光抗体染色画像のビッグデータから得られる単一細胞レベルのタンパク質の量・質・局在情報を基に、タンパク質ごとの特徴量を算出し、それらの時間的相関の強弱を指標にして共変動ネットワークとして可視化し、そのネットワークの変化や違いから、細胞状態の違いや変化を担うタンパク質群情報を検出するものです。この特性から、個体での効果が見出されていながらターゲット分子がわかっていない薬剤の標的タンパク質抽出による創薬ターゲット探索、疾患iPS細胞やiPS細胞から分化させた細胞の超早期の特性解析などへの活用が期待されています。
また、FRONTEOは、AIを用いて膨大な学術論文情報をベースに疾患の構造ネットワークや化合物の科学性評価を網羅的かつノンバイアスに解析できるAI創薬アプリケーション「Cascade Eye」「liGALILEO」を展開しています。
Cascade Eyeは、分析対象としたい疾病に関連する分子や遺伝子をパスウェイマップ(関連性を表す経路図)状に表示するAIシステムです。人では読み込むことの不可能な膨大な情報を、AIが網羅的に探索するため、研究者のバイアスに左右されず、新たな創薬ターゲットや既存薬の別の疾患への転用の可能性の発見、未知のバイオマーカーの同定など、従来の手法のみでは難しかった創薬アプローチを可能にします。
共同研究においては、同センターによるウェット(細胞などを用いた生物学的実験)をベースとしたネットワーク解析法と、FRONTEOのドライ(医学論文等の非構造化情報をベースとしたAI解析)をベースとしたネットワーク解析AI技術のシナジーにより、創薬ターゲット探索の効率化・高速化等に資する研究開発に取り組む計画です。
出典:FRONTEO
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