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Notion 3.0が提示する、未来のツールと組織「Make with Notion Showcase Tokyo 2025」会場レポート

最終更新日:2025/10/31

Make with Notion 会場レポート

Notion Labs Japan合同会社は、2025年10⽉29⽇(⽔)に、年次フラッグシップイベント「Make with Notion Showcase Tokyo 2025」を開催しました。

⽶サンフランシスコにて2025年9⽉18⽇(⽶国時間)に開催されたグローバルカンファレンス「Make with Notion」の⽇本リージョナルイベントとして、「Tomorrow’s tools and teams(未来のツールと組織)」をテーマに、基調講演や新機能のデモ、Notionユーザー組織による導⼊・活⽤事例セッションや対談が行われました。

基調講演

Notion Labs Japan合同会社 ゼネラルマネジャー アジア太平洋地域担当 ⻄ 勝清氏

基調講演では初めにNotion Labs Japan合同会社 ゼネラルマネジャー アジア太平洋地域担当 ⻄ 勝清氏が登壇しました。AIが仕事の仕方を根本的に変えると言われているなか、「AIが日常業務に組み込まれていない」「AIリテラシーの差」「複数ツールへの情報の分散」といった課題を聞くとし、今日のイベントでは「未来のツールと組織」について考えたいと講演を始めました。

今年のMake With Notionは去年と比べて会場規模も大きくなり、Notionのコミュニティーが持っているエネルギーを企業へ届け、企業でどのように使われているかコミュニティーに理解してもらえる場です。西氏は「刺激しあい、学びあい、明日から使える知識を得る、そんな一歩にしてもらいたい」と述べ、開幕の挨拶を終えました。

Notion Labs, Inc. Chief Technology Officer, Fuzzy Khosrowshahi氏

続いて登壇されたNotion Labs, Inc. Chief Technology Officer, Fuzzy Khosrowshahi氏からは、Notion3.0のアップデートについて説明が行われました。

Fuzzy氏は、今年一年でNotionは大きく変わったと振り返り、パフォーマンスと信頼性の向上を挙げました。2000以上のバグを修正し、読み込み速度の向上やWebhooks APIの提供、そしてリクエストが一番多かったオフラインモードの提供を始めています。

それ以外にもAIミーティングノートやエンタープライズサーチ、Notionメール、Notionカレンダーなどをリリースしており、こうした機能追加やコンプライアンスの強化により、チームにとってますます安全で信頼性の高いものになりました。

Notionは実際にOpenAIでも使用されており、それ以外にもTOYOTA、NVIDIA、SONYなどの企業でも利用されています。従来の生産性ソフトを捨て、AIを核とするものが顧客に求められています。

そうした業務をサポートできるAIとして、Fuzzy氏はナレッジワークエージェントに必要な「仕事の理解」「チームワーク向けの設計」「業務の実行」という3つの要素を挙げます。Notionは、その3つの要素を満たすツールです。Notion AIエージェントにブートキャンプを行うことで、AIはNotionで出来ることすべてができるようになり、Fuzzy氏は今後AIがチームメイトになる未来を語りました。

Notion Labs, Inc. Head of Product Marketing, John Hurley氏

Notion Labs, Inc. Head of Product Marketing, John Hurley氏は、Notion AIエージェントに雑務を委任することで、より多くの時間を確保できるようになったといいます。

以前のNotion AIは、一度にひとつの指示しか実行できませんでしたが、新しいNotion3.0のAIエージェントでは、複数のステップを連続して実行し、任意のタスクを完了できるようになりました。

今のNotion AIは、Notionでできることをなんでもできるようになりました。エージェントメモリ機能で指示や記憶を覚えさせ、実際にエージェントに業務をさせることも可能です。MCPにより様々な情報と連結させたり、データベースと組み合わせると、より多くのソースから情報をまとめるのを手伝ってくれます。

大規模なデータベースを構築、維持するのは大変な作業ですが、今後はAIエージェントがワークフローを記述するだけで代わりに実行します。また、オフラインモードに続いてリクエストの多かった、データベース権限機能を追加したことで、チームメイトとAIエージェントの操作方法をより制御できるようになったと話します。

Notionは、Notion内だけでなく、他のツールでも動作するようになり、SlackやTeamsの会話、GitHubなどを参照できるようになりました。メールやカレンダーとも統合しており、こうした機能を開発者でなくとも利用できます。

さらに、数週間前にプレビューしたカスタムエージェントでは、バックグラウンドでAIが機能し、トリガーやスケジュールを設定することで自動でAIエージェントが実行されると説明されました。

Notion Labs Japan 合同会社 ソリューションエンジニア ⼩島 清久氏

続いて登壇されたNotion Labs Japan 合同会社 ソリューションエンジニア ⼩島 清久氏からは、John氏から説明されたAI機能が、実際の業務でどのように活用できるのか、デモ映像を交えて紹介されました。

パーソナルエージェントを活用することで、日々の様々な業務を任せ、自身がよりフォーカスすべき仕事に専念できるようになります。例としてデモ映像では、製品ローンチ後の顧客フィードバックを受け、製品機能改善のために製品要求仕様書(PRD)の作成をAIエージェントに任せる様子が流れました。

AIエージェントに「フィードバックを収集し、テーマ別に整理しているドキュメントに書き起こしてください」という指示を行い、Slack、メールボックス、Web上など、ありとあらゆる情報から横断的に検索を行い、引用付きのドキュメントの作成をする様子が流れました。

作成されたフィードバックレポートからPRDに落とし込む作業をAIに頼むと、機能とバグという形で分け、ロードマップへ整理します。さらに、メモリ機能を活用し、あらかじめフォーマットを読み込ませておくことで、AIがどのテンプレートを使えばいいのか理解できます。

データベースを掛け合わせると、PRDからタスクを、Slackチャンネルからバグ報告を洗い出し、格納したデータベースを整理するという動作を一気に行えます。Notion内で使用する数式をAIエージェントに作成させることも可能です。

カスタムエージェント機能では、Slack内で質問を行うと、Notion AIが自動で返信を行います。カスタムエージェントがどのように起動するかトリガーを設定し、どのようにエージェントに動作してほしいのか手順を設定できます。

使用例として、画面が点滅するバグが報告された時、タスクの作成と担当者の割り振りまでもAIエージェントが行います。割り振られた人物が最適でなかった場合、AIエージェントに他の人物を割り振るように伝えると、AIエージェントがその人の得意領域を学習します。こうした自ら情報をアップデートする自律型エージェントの構築が可能になりつつあります。

Notion AIエージェントは、ありとあらゆるシーンに合わせて、皆様の定型業務を任せ、本来専念すべきナレッジワークに時間と力を注ぐ。そんな世界を実現してほしいと小島氏は話し、基調講演が終了しました。

日本におけるNotion 今までとこれから

次のセッションでは再度西氏が登壇し、Notionが日本でこれまでしてきたことと、今後どのようなものを作ろうとしているのか講演されました。

手になじみ、カスタマイズ可能なソフトウェアを作ることで、そのソフトウェアは美しくもあるとし、Notionは「人生のシゴトに、美しい道具を。」というミッションを掲げています。

この5年でNotionのユーザーは1億人を超え、全世界で5億ドルのARRを達成。日本市場はその中でも2位となっています。

AI時代の業務基盤にNotionが活用されている。それは、アンバサダーやその学生版であるキャンパスリーダー、企業でNotionを促進しているチャンピオンズといったコミュニティーのおかげだと西氏は強調しました。

アンバサダーたちは、インフルエンサーのようにNotionについての情報を発信したり、本を書いたり、ハッカソン、ワークショップの実施、その他企業内でのNotionの普及をしています。

Notionはコミュニティーと共に成長してきた、これからもコミュニティーと成長していきたいと西氏は続けます。Notionでは資格をリニューアルしたり、マーケットプレイスで5万以上のテンプレートを用意しています。こうした活動を広げNotionの波を作っていきたいと西氏は思いを伝えました。

企業においても大規模導入が増加しており、情報管理やデータ移行の重要性が高まっています。こうしたサポート体制については人員を強化。さらに、導入支援のニーズ拡大に応えるため、パートナーシップも広げていくとしています。

西氏は、こうした活動を通して、Notionのミッションである「人生のシゴトに、美しい道具を。」、個人も企業も問わず提供したいと思っていると述べ、講演を終えました。

【対談】AIネイティブ世代のAI活用のリアル。選ばれる企業になるために

続いて行われたセッション「AIネイティブ世代のAI活用のリアル。選ばれる企業になるために」では、「AIネイティブ人材に選ばれる企業像を明らかにする」という目的で対談が行われました。

司会をNotion Labs Japan合同会社 エンタープライズ リレーションマネジャー 営業統括 生垣 侑依氏が務め、Notion キャンパスリーダー 井上 晴騎氏、Notion アンバサダー Bee氏、Sansan 株式会社 人事本部 Culture & People部 畠山 梨沙氏の3名がパネリストとして登壇しました。

始めに、AIネイティブ世代の井上氏とBee氏に「AIとはあなたにとってどのような存在であるか」という質問がされます。

Notion キャンパスリーダー 井上 晴騎氏

井上氏は「武器であり、鎧である」と回答しました。井上氏は、複雑なリサーチやプログラミングのコーディング、メール作成、大学での証明問題のチェックなどに活用しています。

Notion アンバサダー Bee氏

Bee氏は「ライフコーチ」だと回答し、テンプレート作成のアイデアの骨子作り、プレゼンテーション資料のアイデア集約・整理などに活用していると述べました。

「AIネイティブ世代が求める環境」についても質問され、井上氏、Bee氏ともに「使いたいツールがすぐに使える状態」が重要だと回答しました。また、井上氏からはツールの制限をかけないこと、Bee氏からは成功事例や失敗事例をシェアする共有文化を求める声が上がりました。

Sansan 株式会社 ⼈事本部 Culture & People部 畠⼭ 梨沙氏

続いてAI世代に選ばれる企業として、畠山氏からSansan株式会社での取り組みが説明されました。同社ではAI利用率99%を達成しており、これは「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、「変化を恐れず挑戦」と「グロースマインドセット」というバリュー、そしてナレッジシェア文化が基盤にあるからだと述べます。

AI促進で困難だった点として、AIツールが多岐にわたること、職種や社員による活用レベルの差を挙げます。こうした課題を乗り越えるための取り組みとして、トップからのメッセージによる方針の明確化、AIオンボーディングチームによる仕組みの整備、全社朝会でのナレッジ共有の3つが大切だったと解説します。

畠山氏は、AIはツールであるとの認識を示した上で、個人がそれを「使いこなすこと」と「業務に導入すること」が重要であるとの考えを話しました。

Notion Labs Japan合同会社 エンタープライズ リレーションマネジャー 営業統括 ⽣垣 侑依氏

対談の最後に、司会を務めた生垣氏は、今がAIを軸に働き方や業務のワークフローそのものを根本から変えるべき「企業の変革期」であると総括します。この変革を推進するためには、年齢や役職に関係なく、環境を組織として整えることが不可欠であり、それこそが今日のテーマである「未来のツールと組織」の実現につながると提言し、セッションを締めくくりました。

会場の様子

「Make with Notion Showcase Tokyo 2025」の会場では、25のセッションが行われたほか、複数のブースで様々なデモやNotionについての説明が行われていました。会場は多くの人で溢れ、各ブースでは盛んな交流が行われていました。

未来のツールと組織、AIが紡ぐその可能性

今回の「Make with Notion Showcase Tokyo 2025」は、単なる新機能の発表に留まらず、Notionが目指す「未来のツールと組織」の姿を具体的に提示するイベントでした。

基調講演で披露されたNotion 3.0のAIエージェントは、もはや単なる作業支援ツールではない。複数のステップを自律的に実行し、Slackやメールなど外部ツールとも連携してタスクを完遂させる姿は、Fuzzy氏が語った「AIがチームメイトになる未来」を強く印象付けます。

「人生のシゴトに、美しい道具を。」というミッションが、AIという新たな要素を加え、コミュニティーと企業の活発な交流の中で進化していく。その確かな熱量を感じさせる一日でした。

AIsmiley編集部

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