Dream Machineとは?無料で使える動画生成AIの特徴や使い方のコツも紹介
最終更新日:2024/12/25
生成AIの中でも特に技術の発展が著しいのが「動画生成AI」です。次々と新しいツールが登場する中、2024年6月にLuma AI社からリリースされた「Dream Machine」は、無料でハイクオリティな動画を生成できると話題を呼んでいます。動画生成AIを使っている人の中には、OpenAI社の「Sora」や「Runway」といった他のツールとどう違うのか気になる人も多いかと思います。
本記事では、Dream Machineの概要から主な特徴、料金体系やイメージ通りの動画を出力するコツまでわかりやすく解説します。実際にDream Machineで生成した動作の事例も紹介しますので、AIによってもたらされる動画制作・編集の可能性を知るためにぜひご覧ください。
Dream Machineとは
Dream Machineとは、日本語のテキストや画像を基に、高品質な動画や静止画を生成できる動画生成AIツールです。2024年6月に、アメリカ・サンフランシスコに拠点を置くAIスタートアップ企業「Luma AI」が発表しました。
アニメや映画に近いレベルで動画を、120フレーム(24fps×5秒)で自動的に生成できます。また、完全無料で動画を出力できる無料プランもあり、従来までの動画生成AIと比べて使い始めるハードルが低い点も特徴です。
なお、2024年8月には、「Luma AI Dream Machine 1.5」への最新アップデートが公表されました。
開発会社「Luma AI」とは
Dream Machineを手がける「Luma AI」社は、アメリカ・サンフランシスコにあるAIスタートアップ企業です。高精度な映像だけでなく、3Dモデルを生成するAIサービス(「GENIE」「Interactive scene」)など、AI技術を用いた最先端の映像制作ツールも多く開発しています。
また、アメリカでも指折りのベンチャーキャピタル「a16z(Andreessen Horowitz)」から巨額の出資を受けており、今後の成長に目が離せません。
関連記事:Luna Labs、無料で使える動画生成AI「Dream Machine」を発表。画像やテキストから5秒の動画を生成
Dream Machineの特徴と機能
Dream Machineは、画像や動画の生成機能に加えて、動画編集に関する多彩な機能が使えます。ここでは、Dream Machineの主な特徴や機能について、以下の3つを解説します。
- テキスト・画像からリアルな動画を生成可能
- キーフレーム機能で効率性アップ
- 高度カメラワークで臨場感ある動きを再現
テキスト・画像からリアルな動画を生成可能
テキストや画像のプロンプトに従って、動画を自動生成します。背景やシーン、ストーリーに関する具体的な情報をテキストで入力すると、迅速かつ的確に動画へ反映させることが可能です。
また、画像をアップロードするだけで、データ内の要素がダイナミックに動く映像を生成します。テキストで細かな設定を追加すれば、動画に自動的に盛り込まれるため、動画編集の技術がなくてもイメージにあった動画を効率的に作れます。
キーフレーム機能で効率性アップ
Dream Machineには、動画の始点と終点に当たる2枚の画像をアップロードするだけで、その間を補完した動画をAIが自動生成する「キーフレーム機能」があります。開始と終了のフレームの品質に応じて高精度な中間フレームが作成され、スムーズな画面遷移を含む映像が仕上がります。
また、動画に意図しない要素が挿入される、動画の途中で予期しない変化が含まれるといったリスクも避けられます。オブジェクトの形状や人物の表情、時間経過による風景や環境の変化といったシーンで役立ちます。
高度カメラワークで臨場感ある動きを再現
高度なカメラコントロール機能を盛り込んでおり、リアルな映像制作を可能にしています。テキストプロンプトでカメラの動きを自由に制御すれば、臨場感ある動画を生成できます。
Dream Machineで使える主なカメラワーク機能は、以下の通りです。
- パン
- ティルト
- ズーム
- トラッキングショット
これらの機能を効果的に組み合わせることで、映画のようなダイナミックなカメラモーションが実現します。プロンプトの冒頭に「カメラ」と挿入するだけで、上記機能を簡単に適用できる点も便利です。
エクスパンド機能で既存の動画を延長可能
「エクスパンド機能(拡張機能)とは、既存の動画を延長するための機能です。Dream Machineでは、現在は5秒までしか動画を生成できませんが、エクスパンド機能でさらに5秒間の映像を追加で生成できます。
対象動画はDream Machineで作成したものに限られますが、繰り返し使うことで10秒以上の長尺動画も制作することが可能です。
Dream Machineの使い方
Dream Machineを使うためには、まずアカウントを作成します。使い方は簡単で、以下のステップで完了します。
- Dream Machine公式サイトにアクセスする
- Googleアカウントでログインする
- アカウント開設が完了
画面に表示されている入力バーにプロンプトを入れれば、動画を生成できます。
テキストから動画を生成
テキストから動画を生成する手順は以下の通りです。
- 入力バーにテキストでプロンプトをクリックする
- 右の矢印ボタンをクリックする
- 一定の時間を経て動画が生成される
動画生成にかかる時間は1~数分程度と短い時間で完了します。
画像から動画を生成
画像から動画を生成する流れは以下の通りです。
- 入力バーの左側にある画像アイコンを選択する
- 動画にしたい画像をアップロードする
- 画像の読み込みが完了したら、右の矢印ボタンをクリックする
- しばらくすると動画が生成される
画像をアップロードして、テキストで指示を追加することも可能です。その場合は、画像を読み込んだ後でテキストを入力バーに追加して、動画生成を開始します。
Dream Machineの料金プラン【無料・有料】
Dream Machineは無料で動画生成が可能ですが、より高品質な動画・画像の生成や、生成可能な本数を増やしたい場合は有料プランの登録がおすすめです。現在利用できるプランは以下の通りです。
プラン | 料金 | 動画生成数(1ヶ月) | その他 | |
無料プラン | 無料 | 制限あり | 画質720p、商用利用NG | |
ライトプラン | 月額$9.99(年払いの場合$6.99) | 40本 | 画質1080p、動画720p、商用利用NG | |
プラスプラン | 月額$29.99$(年払いの場合$20.99) | 125本 | 画質1080p、動画720p、商用利用OK、透かしなし | |
無制限プラン | 月額$94.99(年払いの場合は$66.49) | 125本 | 画質1080p、動画720p、商用利用OK、透かしなし |
有料プランでは、無料プランよりも動画作成数が増えるだけでなく、優先的に動画生成ができます。
Dream Machineの商用利用ライセンス
Dream Machineの利用規約では、プランによって動画の商用利用の可否が異なります。現時点では、無料プランとライトプランは商用利用が禁止されていますが、プラスプラン以上では商用利用が認められています。
クリエイターとして映像作品の発表に使いたい場合や、ビジネスユースを想定している場合には、プラスプラン以上での登録が望ましいです。
Dream Machineでより高精度な動画を作り出すコツ
Dream Machineではイメージに的確な動画を生成するためには、入力するプロンプトが鍵を握っています。ここでは、より高精度な動画を作り出すためのポイントとして、以下の3つを紹介します。
- プロンプトを生成AIに提案してもらう
- 感情や雰囲気を簡潔な言葉で伝える
- カメラワークや特殊効果を指定する
プロンプトを生成AIに提案してもらう
Dream Machineでは、動画で表現したいテーマや登場人物、場所、時間などの要素を明確に示す必要があります。そこで、一旦他の生成AIツールを用いてイメージしている動画を作り出すためのプロンプトを作成してもらう方法が有効です。
直接テキストプロンプトを入力しても高品質な動画は生成できますが、言語化しにくい場合にはChatGPTなどに提案してもらうと効率的です。
また、GeminiなどのAIツールを用いて画像を生成する方法もおすすめです。画像生成AIを使えば、一瞬でイメージに近い画像を生成できます。作った画像をDream Machineにアップロードすれば、動画生成が円滑に進み、作業時間の短縮にもつながります。
感情や雰囲気を簡潔な言葉で伝える
動画に含めたい感情や雰囲気をプロンプトに含めることで、動画の雰囲気が意図通りに伝わりやすくなります。AIは、動画のトーンや色味など、細部を考慮した映像を生成することが可能です。
例えば、「穏やかで安らげるホテルの部屋」「ミステリアスで不思議なホテルの部屋」では、同じホテルの部屋でも全く異なる動画が出来上がります。
ここで、効率的に考えをAIに伝えるためには、シンプルで分かりやすい言葉を選ぶことも重要です。感情や雰囲気を言語化すると曖昧で長い文になりがちですが、短く端的に表現すると意図が明確に伝わりやすいです。
カメラワークや特殊効果を指定する
Dream Machineを使って、動画にダイナミックな視覚効果を加えるには、カメラワークや視点、角度などの細部をプロンプトに含めます。「俯瞰する」「ズームインする」といったカメラの動きを指示すれば、臨場感のある映像が生まれます。
また、煙やぼかしなどの特殊効果を具体的に記載することで、視覚的な効果が得られ、印象的な動画に仕上げることが可能です。
実際に使ってみた!Dream Machineの活用例を紹介
実際にDream Machineに登録し、動画生成を行いました。まず、テキストで「草原を駆け抜ける馬」と入力します。
以下が、生成された動画です。風が吹いて草がなびいている様子や、走っている馬の毛並みも違和感なく表現されているのが分かります。
続いて、画像から動画を生成します。まず、Geminiで「カードマジックをする犬」という画像をテキストプロンプトで生成しました。続いて、Dream Machineの画像アイコンをクリックし、生成画像をアップロードします。
テキストは入れずに、そのまま動画を生成するために矢印のボタンをクリックすると、動画生成のキューに追加されます。しばらく待つと、以下の動画が生成されました。
犬がシルクハットの中を除く様子が動画になっています。犬に違う動作をさせたい場合は、生成AIで適切なプロンプトを作成し、Dream Machineに入力するとスムーズです。
画像とテキストを組み合わせて動画を生成するやり方を試してみます。先ほどの画像をアップロードし、テキストで「犬が1枚のカードを何度も変える」と詳しい指示を加えて生成したのが以下の動画です。
犬の前足が、自然に1枚のカードを器用に抜き出す動画が出来上がりました。
最後に、キーフレーム機能を試してみます。以下2枚の画像で、映像の始点と終点を指定してみます。
すると、以下のように滑らかな動画が生成されました。
Dream Machineの現時点での課題
画期的な機能や操作性を備えた動画生成AIのDream Machineですが、課題も残されています。ここでは、Dream Machineを使用するにあたって知っておきたい注意点や課題について説明します。
動画の生成時間がかかる
現時点では、動画が生成されるまでにある程度の時間を要します。簡単な指示であれば、数分程度で動画を生成できますが、プロンプトが長く、かつ画像も入力するようなケースでは、数十分以上かかる可能性もあります。生成時間を短縮したい場合は、生成AIを使ってプロンプトを工夫する必要があります。
複雑な動作を表現することが難しい
基本的にはどんな動画も高精度で生成できますが、複雑な動作を含む場合には違和感なく生成することが難しい場合があります。動物が手足を動かす様子や人間が走る様子などで、違和感のある映像が生成されるケースが指摘されています。今後のアップデートによって改善が期待されます。
まとめ
動画生成AI「Dream Machine」は、テキストと画像を組み合わせて、ハイクオリティな動画を効率的に生成できます。カメラワーク機能やエクスパンド機能など、動画編集の多彩な機能が搭載されており、動画編集の専門技術がなくても、簡単に本格的な映像を作り出すことが可能です。
また、無料プランで多くの機能が使える点も大きな特徴です。複雑な動作の的確な反映や生成時間の短縮など、課題は残されているものの、誰でも気軽に使える動画生成AIとしての魅力を備えています。
アイスマイリーでは、「生成AIサービスの提供企業一覧」を無料でご請求いただけます。自社における生成AI活用を通して、業務効率化や生産性の向上を実現するために、ぜひご活用ください。
よくある質問
Dream Machineは日本語のプロンプトが利用できる?
Dream Machineは多言語に対応しており、日本語のプロンプトでも動画や画像を生成することが可能です。もし、日本語で入力して思うような動画が得られない場合には、プロンプトを英語に翻訳して英語で入力すると、スムーズに読み込まれる可能性もあります。
Dream Machineで懸念されている危険性とは?
Luma AI社のDream Machineでは、不適切な画像の利用やフェイク動画による偽情報の拡散リスクなど、いくつかの危険性が懸念されています。例えば、スマホで写真を先に撮っておいて、その画像を基に動画を生成し、「痴漢した瞬間の動画がある」と言えば、実際には起こっていない事件の犯人に仕向けることもできてしまうかもしれません。ただし、Dream Machineの利用規約において、ディープフェイクやポルノなどの禁止事項が設けられています。公式サイト上で利用規約を確認した上でDream Machineを利用することを推奨します。
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