生成AI
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最終更新日:2024/02/21
「変なホテル」は、少子高齢化という社会問題に直面している日本において、人手不足を解決すべくAIロボットを導入したホテルチェーンです。このホテルでは、受付からチェックイン、お部屋の案内まで、多くの業務がロボットによって行われており、スタッフの負担軽減と効率化が図られています。
予約は24時間いつでもオンラインで可能であり、料金も宿泊プランや宿泊日によって最適化されています。また、全客室に無料のWi-Fiを完備し、最新のアメニティと設備が整っているため、ビジネス利用から観光、休憩利用まで幅広いニーズに対応可能です。
そこで、今回の記事では以下を解説します。
ホテルがAIを導入するメリットは以下の3点です。
まず、ホテルがAIを導入することで人件費の削減が可能です。
受付や宿泊客対応をAIロボットが担うことで、従来のホテルにおいて必要なスタッフの人数を削減してホテルを運営することができます。
次に、顧客満足度の向上が見込めます。
現在、インバウンド需要により多言語対応が求められています。このため、ホテルでは多言語を話せる人材の獲得が必要になっており、スタッフの雇用が課題となっていることが多いです。
さらに、多言語を話せ24時間対応可能であるスタッフを雇用することはより難しいでしょう。
そのため、ホテルがAIを導入することは上記問題の解決法となり結果的に顧客満足度を上げることができます。
最後に、人手不足問題の解消が挙げられます。
地域(特に地方都市)によっては、ホテル運営のためのスタッフが十分に集まらないことがあります。AIを導入し、簡単な作業をAIが担うことで、人手が足りない地域でもホテルの運営をしていくことが可能です。
「変なホテル」を運営するのは、格安旅行でおなじみの旅行大手エイチ・アイ・エス。第一号施設は2015年、同社が運営する長崎県佐世保市のテーマパーク・ハウステンボス内に開業しました。
ホテルに入ると、恐竜や女性の姿をしたロボットがレセプションに立っており、恐竜は「未来くん」「希望くん」、女性は美人すぎるロボの「夢子さん」と名付けられています。チェックイン前、チェックイン後に荷物を預かってほしいときは、ロボットクロークに任せれば、ロボットアームが受け取った荷物をロッカーに収納してくれます。また、入館時に顔認証をすることで、ホテルの客室の開閉ほか、館内はキーレスで過ごすことが可能です。お掃除も「ルンバ980」を公式ロボット掃除機として導入。
さらにハウステンボスの「変なホテル」では、アンドロイドがお相手する「変なバー」や、キャッシュレスの無人コンビニ「スマート・コンビニ」なども備えており、ホテルのいたるところでロボットが活躍しているのです。そのため、人間のスタッフを見かけることはほとんどありません。
同社がロボットを全面採用した理由は、やはり人手不足です。地方都市では人材難が深刻化しており、無人化・省力化は避けられなかったといいます。2018年に開業した東京・浜松町の「変なホテル」には、アプリでの診察予約や決済、ロボットが案内をしてくれる「AIクリニック」も併設し、話題を呼びました。
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ただ、そんな「変なホテル」にも最近異変が起きています。なんと、ホテルの目玉だったはずのロボットが次々撤去されているというのです。ハウステンボスの「変なホテル」で稼働していたロボットは、ピーク時の2017年10月時点で、27種類243体。レセプションのほか、ホテル内の案内や荷物の運搬、清掃、客室の照明のオンオフや目覚ましなどもロボットで操作していました。しかし、客室のロボットにはAIは備わっておらず、音声認識で動くタイプだったため、宿泊者の声が認識されないとの問い合わせが増加し、やむなく撤去に至ったといいます。
また、コンシェルジュロボットも撤去されました。ユーザーの質問が多岐にわたり、また常時新しいイベントを対応させなくてはならないため、AIに学習させるのが困難だったそうです。そして荷物運搬ロボも、雨天時の利用が困難だったため終了しています。こうした見直しの結果、18年9月時点で稼働しているロボットは16種類85体まで減少しました。
受付だけはいまもロボットが業務にあたっていますが、今後は別の機器の導入も検討していくそうです。また、現在建設中の第3棟については全室和室になり、ロボットも稼働しないまったく別のコンセプトになることが予定されています。
開業当初に話題を呼んだ「変なホテル」のさまざまなロボットについては、実証実験を踏まえて生産性を見極めながら、活用を決定していくそうです。「変なホテル」では、最終目標として「キャッシュレス・ホテルの構築」を掲げており、現在はクレカ決済やQRコード決済と併せて現金も使用できるものを、今後は現金を利用不可とする予定です。そして最終的には顔認識技術の導入を推進し、宿泊者の顔と決済システムを結びつけることを目標としています。
「変なホテル」のオフィシャルサイトによると、「変」とは変わり続けるという意味だそうです。「変なホテル」は都内をはじめ日本各地に進出しており、台湾での海外1号店出店計画も発表しています。地方都市の人手不足を解決するために誕生した「変なホテル」が、世界を舞台にどう変化していくのか。今後の在り方に注目が集まっています。
(参照:変なホテルHP)
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