人(消費者)の行動予測を行うAIの仕組み・メリットを紹介!
最終更新日:2024/04/11
業務効率化や生産性向上といった目的だけでなく、最近ではセキュリティ対策などにも活用されるようになったAI・人工知能。すでにさまざまな場所で活用されているため、多くの人にとって身近な存在へとなりつつあるのではないでしょうか。中国ではスマートグラスや鳥型ドローンという形で監視を強化するなど、その活用の幅は日々広がりつつある状況です。
そのような中で、AIは「人の行動予測」という分野にも活用され始めており、大きな注目を集めています。その行動予測とは、一体どのような仕組みで成り立っているのでしょうか。また、人の行動予測を行うことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。今回は、人(消費者)の行動予測を行うAIの仕組みやメリットについて詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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行動予測を行うことのメリットとは?
冒頭でもご紹介したように、最近はAIを活用して消費者の行動予測を行う企業が増加しているのですが、そもそも消費者の行動予測を行うことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。まずは、行動予測を行うメリットについて詳しくみていきましょう。
より適切な戦略を立てることができる
たとえば、ECサイトを運営していく上で「Aという商品を購入した人が一緒に購入している商品は何か」「Bという商品を購入した人が興味を持ちやすい商品は何か」といった情報を明確にできれば、商品ごとに「同時に購入される可能性が高いおすすめ商品」を掲載することが可能になります。AIは、過去のデータをもとに予測していく作業を得意としているため、過去にECサイトを利用したユーザーの行動履歴をもとに、次なるユーザーに向けたレコメンドを行っていくことができるのです。
実店舗における購買行動体験も質を高められる
AIを活用すれば、顧客の行動を可視化しやすいECサイトだけでなく、実店舗においても顧客の行動をデータとして学習し、可視化していくことが可能になります。実店舗における顧客の行動が可視化されれば、「この商品をどこに配置すれば購買されやすくなるか」「同時に購入されやすい商品をどのようにまとめれば良いか」といったものをより明確にすることができるのです。
このような部分を追求することによって、顧客に「この店舗は目的の商品を見つけやすい」といった印象も与えられるようになるため、企業のブランディングといった面でも大きなメリットがあるといえるのではないでしょうか。
閲覧履歴やネットワークカメラを用いて行われる「行動予測」の仕組み
ECサイトにおける行動予測は、主にユーザーの閲覧履歴を活用して行われます。Webマーケティングの場合は、主に閲覧履歴を利用して、商品ごとの関連性や成約状況などを可視化していくわけです。閲覧履歴は、ユーザーごとのリアルな足跡に近い情報となるため、「どのページに長い時間滞在したのか」「この商品に興味を持ったユーザーが他に閲覧しているページは何か」といったものまで可視化していくこともできます。
一方の実店舗の場合、Webマーケティングと比べて行動を可視化するのが難しいように感じられるかもしれません。しかし、店舗内にネットワークカメラを設置することで、「来店者の性別」「おおよその年齢(年代)」「新規顧客orリピーター」「店舗の滞在時間」といった情報を読み取ることが可能になります。また、実店舗の場合にはネットワークカメラから来店者の表情まで読み取ることも可能であり、意外と多くの情報を取得することができるのです。
これらの情報を活用して、店舗内に設置する商品の配置を工夫したり、困っている表情の来店者をサポートしたり、混雑時の予測を行って適切な人員配置を行ったりと、最適な戦略を組んでいくことが可能になります。来店者にとっても、より買い物をしやすい環境につながっていくわけですから、やはりAIによる行動予測には多くのメリットがあるといえるのではないでしょうか。
AIによる行動予測は「人の目的」まで可視化する?
(参照:VAAK Inc. | AI behavior analysis solutions)
Webマーケティングや実店舗運営において、AIによる行動予測を活用することには多くのメリットがあることがお分かりいただけたかと思います。しかし、行動予測はこれらの分野だけでなく、防犯という分野においても活用することができるのです。
AI監視カメラの開発を行っている株式会社VAAKでは、ディープラーニングによる物体認識や顔認証といった技術だけでなく、体の関節や人の属性など、100種類以上のデータを統合的に分析する技術を実用化しているといいます。そして、地域周辺の犯罪発生率や天候情報といったマクロ視点のデータと、人間の行動を予測することで取得できるミクロ視点のデータの両方を活用することによって、行動予測を行ったり再来店日時を予測したりしているそうです。
このミクロ視点のデータというのは、主に「性別」「人の動き」「商品」「環境(周りの人の数など)」といったものが挙げられ、これらとマクロ視点のデータを統合分析することによって「人の目的」までも可視化することが可能になるといいます。来店者の年齢や目線、歩くスピード、歩幅、といった情報まで可視化できれば、「トイレに来た」「飲み物を買いに来た」など、より具体的な目的を予測することができるわけです。
こういった形で目的を可視化できれば、より高い精度のレコメンドも行えるようになるため、成約率の向上にもつなげていくことが可能になります。もちろん、目線まで可視化できるわけですから、万引き被害の防止にもつなげることが可能です。
AIの精度も非常に高く、ただ商品を手に取っただけでは万引きである可能性は低いと判断し、キョロキョロしたり、不審な行動を見せたりした場合に店員へアラートで知らせる仕組みとなっているため、より確実に被害を防止できるわけです。実店舗においては、売り上げの向上だけでなく万引きの被害も減らさなければなりませんので、その両方の目的を実現できるAIには多くの魅力があるといえるでしょう。
AIによる行動予測はマーケティングや防犯に大きく貢献する
今回は、人の行動を予測するAIの仕組みやメリットについてご紹介しました。売り上げを向上させる上でも、セキュリティを高める上でも、AIによる行動予測は効果的なものであることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
現在もAIの技術は進歩し続けていますので、今後さらに革新的なサービスが開発されていく可能性も十分に考えられます。マーケティングや防犯といった分野でAIがどのように貢献していくのか、ますます目が離せません。
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