生成AI

最終更新日:2025/09/16
Claude(クロード)は、アメリカのAIスタートアップ企業「Anthropic」が開発した最先端の生成AIモデルです。「ChatGPT」やGoogle社の「Gemini(旧Bard)」と同じように、対話型のインターフェースで質疑応答ができます。2024年3月にはマルチモーダル搭載の最新モデル「Claude3」が発表され、世界中で話題を集めています。
本記事では、Claudeの概要から注目される背景、活用例などについて詳しく解説します。最新版「Claude3」の特徴や料金プランもお伝えしますので、生成AIサービスを自社で導入、運用するためにぜひお役立てください。
Claude(クロード)は、アメリカのスタートアップ企業「Anthropic(アンソロピック)」によって開発され、2023年3月に一般公開されたAIチャットモデルです。LLM(大規模言語モデル)である「claude.ai」を介して、自然言語の対話ができます。
OpenAI社の「ChatGPT」やGoogle社の「Gemini(旧Bard)」といった他のAIチャットと同様に、質疑応答や文章生成、長文の要約、翻訳、プログラミングコード生成といった作業に対応しています。さらに、2025年9月からは新機能として生成したファイルをPDFやWord、Excelに出力できるようになりました。
現在、Claudeは登録してすぐに使える無料版の他に、有償版「Claude Pro」が提供されています。日本のユーザーは月額20ドルで契約でき、最新モデル「Claude3」を利用可能です。
Claudeの開発企業である「Anthropic(アンソロピック)」は、OpenAI社に所属していた元社員が2021年に立ち上げた企業です。GPT-2、GPT-3といったモデルの開発メンバーが、同社のやり方に異を唱え、退社後に設立しました。
Anthropicは、AI業界でも稀に見る資金調達を達成していることでも話題を集めています。2023年5月に、GoogleやSalesforceなどから合計4億5千万ドル(約620億円)を調達し、その後アジアの通信会社2社から約1億ドル、Amazonから40億ドル、そしてGoogleからは追加で20億ドルを獲得しました。1年の間に73億ドルという巨額の投資資金を得ることに成功しています。
短期間にこれだけの巨額資金を調達している実績を見ても、多くの有名企業がAnthropicの将来性に投資価値を見出していることがわかります。
ClaudeがAI業界を中心に注目を集めている理由としては、性能とコストのバランスや、API提供による使い勝手の良さが挙げられます。ここでは、Claudeの主な特徴について見ていきましょう。
Claudeの特徴として、リーズナブルな価格設定で高いパフォーマンスを発揮するAIモデルを利用できる点が挙げられます。Claudeの初代モデル「Claude Instant」や次の「Claude2」などでは、GPT-4に近い性能を、比較的安い価格で利用することが可能です。
また、ChatGPTなど他のモデルでは対応できない膨大な文章量でも、スムーズに処理ができるため、業務効率化を図る企業での活躍が期待されています。
ClaudeのAPIを利用して、外部アプリケーションにClaudeの機能を組み込むことが可能です。Webブラウザの検索情報やデータベース内の情報に基づく回答の生成や、外部サービスを介した高度な推論が実現します。
また、Claude3を使ったプロジェクト開発や導入など、幅広い用途での応用に対応できる能力を備えています。なお、Claude APIを使用するには、法人組織向けのアカウントを登録し、APIキーを作成する必要があります。
Claudeは、日本語を含めた多言語に対応しています。2023年10月より提供されている「Claude2」モデルでは、日本語を含む95ヶ国語に対応可能です。
また、2024年3月に発表された最新の「Claude 3」モデルは、現在159ヶ国で一般提供されており、日本語プロンプトにも対応しています。
生成AIモデルの中でも高い性能を示しているClaudeは、従来のモデルの使用範囲を越えた用途やシーンでの活躍が期待されます。ここでは、Claudeの主な活用例について紹介します。
Claudeでは、自然言語によるやり取りだけでなく、人間の感情やニュアンスに配慮した表現を実現しています。過去の生成AIに見られたような論理的な回答から、人間の言い回しにより近い表現が得られるように配慮されています。
また、Claudeを使って人間のような会話が成立するだけでなく、会話の中で特定の役割を担うことができます。事前情報として役割に関する詳細を提供することで、適切かつ自然な会話を返答します。
Claudeでは、入力トークン数が多いため、膨大な量の文章や長文データのスムーズな処理が可能です。Claude2モデル以降、最大10万トークンまで対応できるようになっており、長文の生成や編集、要約、翻訳も短時間で完了します。
Claude3の「Sonnet」モデルは、最大20万トークン、最上位の「Opus」モデルだと最大30万トークンまでの入力を受け付けています。また、PDFファイルの読み込みも可能で、研究論文のファイルや会議用資料をアップロードして要点を整理する、といった用途でも使えます。
Claudeでは、Pythonなどのプログラミングコードの自動生成も短時間で完了できます。Anthropicの公式サイトで公開されているベンチマークでは、コーディングにおけるGPT-4のスコアは67%であるのに対し、Claude3のOpusモデルは84.9%と高い数値を打ち出しています。
高精度なコーディングにClaudeを用いることで、生産性の向上につながります。
Claudeは、Slack連携に対応しています。Slackの社内ワークフローにClaudeを導入して、社内FAQ用のチャットボットや会議の議事録作成、資料要約などさまざまな業務支援を実行することが可能です。
また、DMメッセージを使って、1人ひとりの課題に対して個別サポートを導入するといった使い方もできるでしょう。
現在、Claudeではいくつかのモデルが利用可能です。それぞれのモデルの特徴について紹介しましょう。
Claude Opus4は、Anthropicが2025年に発表したClaude 4シリーズの最上位モデルです。高度な推論力を備えており、複雑なコードの生成や大規模な文書解析など、専門性の高い作業にも対応可能です。
特に、ソフトウェア開発や研究領域においては長時間の自律的な処理が可能であり、実際に企業の開発現場では「数時間にわたる継続的なコード修正やリファクタリング」に活用された事例もあります。
Claude Opus4は、自然な文章生成はもちろんのこと、問題解決に必要な「思考の深さ」に強みを持っています。そのため、戦略的な資料作成や精緻なデータ分析など、業務効率化に直結する利用シーンが期待されています。
Claude Opus4は、Anthropic公式の「Claude Pro」やAPI経由で利用可能です。
このように、個人利用から法人利用まで幅広いプランが用意されており、利用規模や目的に応じて選択できる点が特徴です。
Claude Opus4とOpenAIのChatGPT(特にGPT-4)を比較すると、それぞれに強みがあります。
両モデルは競合関係というより、目的に応じて使い分けが望ましいと言えるでしょう。
Claude Opus 4.1は、Claude Opus4の改良版として2025年8月に発表された最新モデルです。Opus4が得意とする長時間タスク処理に加え、さらに高精度なコーディング支援や細部まで考慮した推論能力を備えています。特に「SWE-bench Verified」というソフトウェア開発ベンチマークでは74.5%というスコアを記録しており、従来のOpus4を上回る性能を発揮しています。
また、Opus 4.1は「thinking budgets」と呼ばれる設定が可能で、ユーザーが求める応答の精度や処理時間を調整できるのも特徴です。これにより、短時間での応答が必要な場合と、深い分析が必要な場合で柔軟に使い分けられます。
Claude Opus 4.1は、基本的にはOpus4と同じ料金体系で提供されています。
Opus4と同一料金で利用できるため、精度や柔軟性を重視する企業にとっては、Opus 4.1を選択するメリットが大きいといえます。
Claude Opus 4.1とChatGPTを比較すると、次のようなポイントが挙げられます。
両者を比較すると、Opus 4.1は「専門性の高いビジネスユース」、ChatGPTは「幅広い一般利用」に適しているといえるでしょう。
Claude Sonnet4は、2025年にリリースされたClaude 4シリーズの中核モデルであり、「性能とコストのバランス」を重視した構成が特徴です。最上位のOpusシリーズほどの計算リソースは必要とせず、軽量なHaikuシリーズよりも高精度な応答を提供します。
特に、ビジネスドキュメントの作成やデータ分析レポートの要約、マーケティング資料のドラフト作成といった業務で活用されやすく、多くの企業が「日常業務の標準モデル」として採用しています。応答速度と処理精度のバランスが取れているため、普段使いの生成AIとして有用です。
また、Sonnet4ではマルチモーダル処理(テキスト+画像解析)にも対応しており、図表を含むドキュメントの理解や要約など、実務に直結するシナリオで活用しやすくなっています。
詳しくはこちらでも解説しています。
Claude 4 モデル登場!新機能や他社との比較・料金など詳しく解説
Claude Sonnet4は、以下の方法で利用できます。
この価格体系により、中小企業から大規模企業まで幅広い層が導入しやすいのがSonnet4の魅力です。
Claude Sonnet4とChatGPTを比較すると、それぞれ以下のような特徴があります。
総じて、Claude Sonnet4は「ビジネス利用の標準モデル」、ChatGPTは「幅広いユースケースに対応する万能モデル」と位置付けられます。
本セクションでは、Claude 3.7 Sonnetが他のモデルと比べてどのような優れた点を持っているのか、具体的な特徴を詳しく解説します。
Anthropic社が公開しているベンチマークによると、Claude 3.7 Sonnetはコーディングスクリプトの生成や高度な推論タスク、大学院レベルの数学問題の解決などにおいて、従来の3.5 Sonnetを大きく上回るパフォーマンスを発揮します。最新のOpusシリーズに迫る精度を持ちながら、軽量モデルとしての使いやすさも維持している点が魅力です。
また、Claude 3.7 Sonnetは、従来の3.5 Sonnetに比べて処理速度がさらに改善され、大規模データの解析や複雑なチャート生成でもスムーズに対応可能です。処理の安定性も高まり、ビジネス利用において効率的なワークフローを構築しやすくなっています。
他にもClaude 3.7 Sonnetの特徴については、こちらの記事で解説しています。
Claude 3.7 Sonnetとは?最新のハイブリッド推論モデルの詳細解説
Claude 3.7 Sonnetは無料版でも利用可能で、Artifacts機能も引き続き搭載されています。ただし利用回数には制限があり、有料プラン「Claude Pro」にアップグレードすることで、使用回数を大幅に増やすことができます。
無料プラン:基本機能を体験可能(利用回数に制限あり)
まずは無料版で試し、利用頻度が高まってきた段階で有料プランへ移行しましょう。
Claude 3.5 Haikuは、Anthropic社が手掛けるClaudeシリーズの最新LLM(大規模言語モデル)「Claude 3.5 」の最軽量版に当たるモデルです。
前世代のClaude 3 Haikuの後継として登場しており、「軽快な処理性能」と「コストパフォーマンスの良さ」の両立を目指しています。2024年11月初旬にはAPI版がリリースされ、AWSや自治体のLGWANなど、多彩な環境へ迅速に統合される動きが進んでいます。
一方で、Claude 3.5 Sonnetは、2024年6月21日にアメリカのAnthropic社からリリースされた生成AIツール「Claude」シリーズの最新モデルです。
前モデルのClaude 3.5 Opusを超える性能を備え、Claudeが得意とする自然な言い回しの生成に加えて、コーディングスクリプトやチャート生成機能が強化されています。テキストや図、デザインなどのWebコンテンツの生成からデジタルマーケティングまで、幅広い分野での活用に期待が集まっています。
この章では、それぞれの特徴や料金について解説します。
Claude 3.5 Haikuは、Anthropic社が手掛ける Claude シリーズの最新LLM(大規模言語モデル)「Claude 3.5」の最軽量版に当たるモデルです。
前世代のClaude 3 Haikuの後継として登場しており、「軽快な処理性能」と「コストパフォーマンスの良さ」の両立を目指しています。2024年11月初旬にはAPI版がリリースされ、AWSや自治体のLGWANなど、多彩な環境へ迅速に統合される動きが進んでいます。
一方で、Claude 3.5 Sonnet(クロード 3.5 ソネット)は、2024年6月21日、アメリカのAnthropic社からリリースされた生成AIツール「Claude」シリーズの最新モデルです。
前モデルのClaude 3.5 Opusを超える性能を備え、Claudeが得意とする自然な言い回しの生成に加えて、コーディングスクリプトやチャート生成機能が強化されています。テキストや図、デザインなどのWebコンテンツの生成からデジタルマーケティングまで、幅広い分野での活用に期待が集まっています。
なお、Claude 3.5 Haikuについては以下の記事で詳細を解説しています
。
Claude 3.5 Haikuの特徴と始め方を紹介!できることやSonnetとの違いも解説
Claude2モデルは、初代モデルから安全性が強化され、有害性のある回答を生成するリスクが低減されています。ただ、Claudeではプロンプトや対話の情報漏えいや、作成コンテンツによる著作権や商標の侵害などの課題や注意点も残されています。
また、ハルシネーションと呼ばれ、事実とは異なる回答を出力する可能性もあります。ハルシネーションは高度な生成AIに見られやすい現象で、トレーニングデータの偏りや情報不足などによって起こるとされています。登場してまだ新しいAIモデルであるが故に、セキュリティ面の注意点を認識して利用する必要があります。
Claudeは、AI業界で話題を集めるAnthropic社が開発した次世代生成AIモデルです。あらゆるベンチマークでGPT-4を上回る性能を示しており、最新モデル「Claude3」はマルチモーダル対応により、活用の幅が大きく広がっています。リーズナブルな価格で高度な能力を発揮するClaudeは、ビジネスシーンでの活躍が期待されています。
生成AIサービスを比較検討するために役立つ一覧表を下記にて無料配布しています。自社における生成AI活用に向けてぜひご活用ください。
Claudeは日本語プロンプトを利用可能です。Claudeが公式に発表している対応リージョンには日本も含まれており、無料版または有償版「Claude Pro」に登録することでスタートできます。
ただ、ClaudeのAIモデル自体は、英語を中心にトレーニングされているため、日本語にうまく対応できない可能性もあります。日本語の回答がうまく生成されないときは、英語に翻訳して入力してみると良いでしょう。
Amazonが提供するフルマネージド型サービス「Amazon Bedrock」上にて、Claude2.1の一般提供がスタートしており、現在日本(東京リージョン)のAWSでもアクセスが可能です。
Amazon Bedrockでは、主要なAI技術やAmazonの高パフォーマンス基盤モデルをAPI経由で利用できます。セキュリティ性やプライバシーにも配慮された環境でClaudeを導入、カスタマイズすることが可能です。
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