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最終更新日:2024/04/04
近年、AI・人工知能を活用したサービスが急増しており、気軽にAIの技術を体感することができるようになりました。私たちにとって非常に身近な存在になりつつあるわけですが、AIという領域にはさまざまな専門用語が存在するため、それらの専門用語までは理解できていないという方も多いのではないでしょうか。また、聞いたことはあるものの詳しい意味までは分からない言葉なども存在するかもしれません。
そこで今回は、AIの精度を大きく左右する「データラベリング」という言葉を取り上げ、その詳しい意味を解説していきます。
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データラベリングとは、AIの精度を高める上で非常に重要となる「ラベル付け作業」のことです。データラベリングアノテーションと呼ばれることもあり、その一例としては以下のような作業がデータラベリングに該当します。
このような形で、それぞれのデータに正解となる分類情報を与えていくことによって、AIモデルとして適切な振る舞いを行うための準備を行うことができるわけです。こういった点からも、データラベリングはAI構築に欠かせない大切な作業であることがお分かりいただけるでしょう。
では、AIにおけるデータラベリングの必要性(重要性)はどのようなものなのでしょうか。基本的にAIは、学習したデータの質によって予測や分析の精度が決定されるものです。そのため、人間と同じように、間違った「お手本(データ)」によって学習が行われたAIの場合、期待とは異なる予測・分析を行うようになってしまいます。
どれだけ大量のデータを収集することができたとしても、それらのデータの質が低ければ、いくら学習を重ねても期待した精度に到達することはありません。だからこそ、高い精度のAIを構築するためには、まずプロジェクトの早い段階で正確にアノテーションされたデータを用意することが重要になるのです。これは、AIを用いたプロジェクトを成功させる上でも非常に重要な要素といえるでしょう。
データのラベル付けを概念的に分離することは可能ですが、データラベリングに関連するツールでは、データセットの性質に従って概念を分類する必要があります。具体的には、以下のような種類に分類されるのが一般的です。
データラベリングのワークフロー全体には、データへのアノテーション、タグ付け、分類分け、モデレート、そして処理が含まれています。データラベリングにおいて重要な作業であるアノテーションにも、以下のような種類が存在します。
セマンティックアノテーションとは、テキスト内に存在するさまざまな単語(人の名前、物体の名称、企業名など)に意味付けをするタグ付けのことです。機械学習アルゴリズムが適切な形でデータの読み込みを行えるようにすることが目的で、具体的な活用例としては「検索エンジンの関連性改善」「チャットボットの学習」などが挙げられます。
機械学習による画像認識、映像処理といったAI活用は、さまざまな分野で導入されています。その代表例としては、「自動車の自動運転」「商品リストの分類」「SNSにおける不適切画像の摘出」などが挙げられるでしょう。これらの機械学習モデルは、それぞれの画像・映像の内容を的確に理解しなければ正しく機能しません。そのため、開発者は画像認識や映像処理の学習をさせるために「現場測定データ」として利用可能な「タグ付けされたデータ」を大量に用意する必要があるのです。
テキストやコンテンツの分類を行う作業もアノテーションに該当します。具体的には、「あらかじめ定義されたカテゴリを、フリーテキストの文章に割り当てていく」といった作業です。ニュースサイトなどで「スポーツ」「娯楽」「政治」「国内」といったカテゴリ分けが行われているものを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。あのようなカテゴリ分けは、まさにこの「テキスト・コンテンツ分類」というアノテーションによって実現できるものです。
最近ではAIが文章を理解して自動応対する「チャットボット」が注目を集めていますが、このチャットボットにおいてもアノテーションが行われています。チャットボットがユーザーの質問に対して的確な回答を行うためには、そのユーザーの意図をしっかりと汲み取らなくてはなりません。たとえば、飲食店のチャットボットに「キャンセル料はいくらですか?」という質問が寄せられたとします。当然、このユーザーの意図は「キャンセル料を教えて欲しい」というものになるわけですが、チャットボットに判断能力が備わっていない場合、「事前に連絡をすればキャンセル料は発生しませんか?」といった問い合わせに対しても「キャンセル料がいくらなのか」という質問に対する回答を行ってしまう可能性があるのです。
それこそ、「チャットボットという単語が含まれているか」という判断基準しか備えていないチャットボットであれば、上記のような回答になってしまう可能性があります。
そのような問題を解消するために行うのが、このインテント抽出です。インテント抽出では、語句や文といったレベルでユーザーの意図をタグ付けしていきます。この作業を継続していくことで、特定の要求を行う上で必要な表現のライブラリが構築されていき、より的確にコミュニケーションを取れるようになっていくわけです。
データラベリングには、主に以下のような方法が存在します。
これらの方法は、それぞれどのような特徴を持っているのでしょうか。詳しくみていきましょう。
内部ラベリングとは、企業のIT部門もしくは担当スタッフが、データにラベル付けを行っていく作業のことです。この方法でデータラベリングを進めていくためには、労働集約的な取り組みに専念するのに十分なリソースとスタッフを備えていなければなりません。そのため、人材が限られている企業には向かない方法といえるでしょう。
合成ラベリングは、人の手作業によるデータ入力作業が少ないことが特徴のラベリング方法です。既存のデータセットを利用して新しいデータを生成できるため、内部ラベリングのように十分なリソースとスタッフが求められるわけではありません。また、合成ラベルを使用することによって生成されたデータラベルは、高品質でることも特徴の一つです。プロセス自体が効率的であるため、人材の限られる企業にもおすすめの手法といえるでしょう。ただし、合成ラベリングの場合、合成データのラベル付けにはかなりの計算能力が必要であるため、専門知識を持つ従業員がいない企業では難しいと言わざるを得ません。そのような企業の場合、外部に依頼することになるため、コストのかかる作業になる可能性がある点は、あらかじめ把握しておく必要があるでしょう。
プログラマティックラベリングとは、自動スクリプトを使用してデータを検出およびラベル付けしていく作業のことです。プログラムによるラベリングは、誤ったラベリングを起こしやすい傾向にあるため注意が必要になります。そのため、プログラマティックラベリングによって満足のいく結果を得るためには、繰り返しの検証と見直しが必要といえるでしょう。
最近では、アウトソーシングでデータラベリングを進めていくという方法も多くなってきています。外部の人材に依頼することで、専門的な知識を持つ従業員がいない企業でも効率的に人材を補うことが可能です。ただし、アウトソーシングでのデータラベリングを実行する場合、請負業者のスキルに依存することになってしまう点には注意が必要になるでしょう。より効率的に人材を補えるというメリットがある反面、ワークフローの組織に対する制御が弱くなってしまうというデメリットがあるため、予算に応じて最適な手段は何かしっかりと検討していく必要があります。
クラウドソーシングは、クラウドサービスを介して、データラベリングに関する専門の知識を持つ人材に作業を依頼する方法です。最近では、データのラベル付け作業を代行してくれるサービスを提供する企業も多くなってきています。
そのため、人材が限られている企業や、専門知識を持つ従業員がいない企業にとっては効果的な手段といえるでしょう。データラベリングと注釈を行うための手段を持っていない企業にとっては、クラウドソーシングが効率的にAI導入を進めていく上での最適解といえるかもしれません。
今回は、精度の高いAIを構築する上で欠かすことのできないデータラベリングについてご紹介しました。ただ大量のデータを集めれば良いわけではなく、良質なデータを大量に集めた上で、適切なデータラベリングを行っていくことが重要であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
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