チャットボット導入のメリット・デメリットとは?運用を成功に導くポイントを紹介
最終更新日:2024/04/11
近年はさまざまな場所でAIが活用され始めており、より身近にAIの技術を体感できるようになりました。特に身近なAIとしては、スマートフォンなどからも利用することができるチャットボットが挙げられるでしょう。チャット形式で打ち込んだ文章に自動回答してくれるチャットボットは、近年さまざまな企業で導入され始めています。
では、実際にチャットボットを導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。また、デメリットが生じることはあるのでしょうか。今回は、チャットボットを導入するメリット・デメリットについて解説するとともに、チャットボット導入を成功に導くためのポイントをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
チャットボットとは?
チャットボットとは、「チャット(会話)」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、ユーザーの問いかけに合わせて返事をしてくれるプログラムのことを指します。近年では、米マイクロソフトが開発したチャットボット「女子高生りんな」なども人気を集めました。
そんなチャットボットは昨今、単なるお遊びの範ちゅうを超えて、カスタマーサポートなどビジネスの場でも多く普及され始めています。ネット通販や企業のウェブサイトなどにアクセスした際に、画面の端に自動的にチャット画面が開くのを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
さらに最近では、チャットボットを稼働させるプラットフォームも多彩になっており、WEBブラウザだけでなく、LINEやFacebookメッセンジャーといったコミュニケーションアプリを利用するケースも増えているのです。
チャットボット導入5つのメリット・効果
では、実際にチャットボットを導入した場合、どのようなメリット・効果が得られるのでしょうか。ここからは、チャットボット導入によって得られる主なメリット・効果についてご紹介していきます。
問い合わせ対応コストの削減
チャットボットを導入することによって、これまで従業員が行わなければならなかった問い合わせ対応を、自動化・効率化できるようになります。これにより人件費や業務委託費といったコストを削減できるようになることは、大きなメリットの一つといえるでしょう。
チャットボットの導入によって、コールセンター(カスタマーサポート)の人件費を削減できれば、その分のコストを新規事業に投じていくことも可能になります。企業としての成長を図っていく上でも、問い合わせ対応コストを削減できるメリットは非常に大きいといえるのです。
24時間365日いつでも対応可能
従来のコールセンター(カスタマーサポート)では、自社の従業員や外注先のオペレーターなどが対応する必要があったため、1日のうちで限られた時間しか問い合わせに対応することができませんでした。その点、チャットボットを導入すれば、問い合わせ対応を自動化できるようになるため、24時間365日いつでも対応できる環境を構築できます。
従業員の負担を軽減させながら、いつでも対応できる環境を構築できるという点は、非常に大きなメリットといえるでしょう。
社員の生産性向上
一般的に問い合わせ対応業務は、自社スタッフもしくはコールセンターへの外注によって行われます。しかし、人手が限られる企業の場合、他の業務と並行して問い合わせ対応を行わなければならないケースもあるのです。そういった企業の場合、問い合わせ対応業務が発生するたびに別の業務をストップしなければなりません。
しかし、チャットボットを導入すれば、問い合わせ対応の大半をチャットボットに任せられるようになります。社員は、チャットボットだけでは解決できない問い合わせだけに対応すればよいため、本来の業務に集中しやすくなるのです。社員の生産性を向上させるという意味でも、チャットボットがもたらす効果は非常に大きいといえるでしょう。
気軽かつフランクな形式で質問できる
問い合わせの窓口が電話やメールのみの場合、問い合わせというアクション自体を面倒に感じてしまい、離脱してしまうユーザーも少なくありません。その点、チャットボットであれば友人などとのチャットと同じ感覚で会話することができます。また、「相手がロボット」であるため、より気軽に問い合わせを行うことができるでしょう。
より気軽かつフランクな形式で質問できる環境を構築することで、「多少の疑問を抱えているユーザー」の信頼獲得にも繋げていけることは、大きなメリットといえます。
売上げアップに貢献
チャットボットを導入すれば、疑問・悩みを抱えるユーザーに対してすぐに的確な回答を行えるようになります。すぐに疑問を解決できる環境であれば、ユーザーがサイトから離脱する割合も抑えられるようになるため、長期的な「売り上げアップ」にも貢献してくれるのです。
大切な見込み顧客を逃さずに、信頼関係を構築していく上でも、チャットボットを導入することで得られる効果は非常に大きいといえます。
チャットボット導入5つのデメリット・問題点
チャットボットを導入することでさまざまなメリットが得られることがお分かりいただけたかと思いますが、いくつかのデメリット・問題点が存在することも忘れてはなりません。ここからは、チャットボット導入のデメリット・問題点についてみていきましょう。
導入までに時間がかかる
チャットボットを導入すると、問い合わせ対応業務の自動化・効率化を実現できるわけですが、導入に必要となる作業が多く、実装までに時間がかかってしまう点は事前に把握しておく必要があるでしょう。
具体的に必要な作業としては、チャットボット運用担当の人材確保、FAQ整備、シナリオ作成、データ収集などです。これらの作業を終えて、はじめてチャットボットの運用が可能になるため、チャットボット導入を検討する段階から「導入までには数ヶ月かかる」という点を念頭に進めていくことが大切になります。
すべての質問に対応できるわけではない
チャットボットを導入することで、問い合わせ対応の自動化・効率化が可能になるわけですが、決してすべての質問に対応できるわけではありません。たとえば、シナリオ型チャットボットの場合、事前に設定したシナリオやルールから外れた質問には対応できないため、「従業員による対応」と組み合わせながら柔軟に進めていく必要があるでしょう。
顧客満足度が下がる可能性もある
チャットボットは、問い合わせ対応をスピーディーに行えるようになる反面、簡潔に回答を行うため、人によっては対応が淡白に感じられるかもしれません。「はやく回答を得られれば問題ない」というユーザーであれば特に影響はありませんが、問い合わせ対応の印象が企業イメージに繋がるケースもあるのです。
そのため、チャットボットによる問い合わせ対応の効率化は、顧客満足度に影響を与える可能性もあることを事前に把握しておく必要があるでしょう。
複数の質問に一度に対応できない
チャットボットは、複数の質問を一度に対応することはできません。そのため、複数の疑問を抱えているユーザーには、チャットボットが効率的とは感じられない可能性があります。また、質問を一つずつ入力して解決していくことに面倒臭さを感じてしまい、離脱に繋がってしまうケースもあるでしょう。
・運用コストがかかる
チャットボットを導入すれば大幅な業務効率化を実現できるようになりますが、チャットボットには「運用コスト」が必要になる点もあらかじめ把握しておく必要があるでしょう。目的や規模によって、導入・運用コストは大きく変化するため、検討する段階から「どの程度の運用コストがかかるのか」「運用コスト以上のリターンは見込めるのか」といった点を明確化しておくことが重要です。
チャットボット導入を成功に導く4つのポイント
では、チャットボットの導入を成功に導くためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。ここからは、チャットボット導入を成功させる上で重要となる4つのポイントをご紹介していきます。
導入目的を明確にしておく
現在は、さまざまな種類のチャットボットが存在しています。そのため、自社にとって最適なチャットボットを選定することが大切です。チャットボットを導入する前の段階で、「導入の目的」を明確にしておくことで、最適なチャットボットが見つかりやすくなるでしょう。
導入の目的は一般的に、「売上アップを図りたい」「顧客満足度を向上させたい」「業務効率化を実現したい」といったものが考えられます。こういった導入の目的が明確化されていれば、自社の目的を達成するための機能を搭載したチャットボットが見つかりやすくなるわけです。
逆に、目的に合わないチャットボットを導入してしまうと、導入コスト・運用コストがすべて無駄になってしまう可能性があるため、注意しなければなりません。
・問合せの一次窓口をチャットボットに集約する
チャットボットを導入する企業の多くは、業務効率化によって従業員の負担を軽減させることを目的としているはずです。従業員の負担を軽減させるためには、問い合わせ対応の取り次ぎを極力少なくする必要があります。そのために必要となるのが、問い合わせの一次窓口をチャットボットに集約することです。
一次窓口をチャットボットに集約することで、ユーザーは迷いなく質問を行えるようになると同時に、確実に答えを得られる部署に取り次ぎを行えるようにもなります。有人対応を併用することで、より効率的にユーザーの疑問を解決できる環境構築が行えるでしょう。
有人対応も活用する
先ほどもご紹介したように、チャットボットはすべての問い合わせに対応できるわけではありません。構築したシナリオでは対応できない問い合わせが寄せられるケースもあるからです。
そのため、チャットボットでは解決できなかった問い合わせに対応できるよう、有人対応も活用していくことが大切になります。「頻繁に寄せられる問い合わせはチャットボットが対応」「チャットボットでは対応できない問い合わせは有人対応」というように棲み分けすることで、従業員の負担を大きくせずに問い合わせ対応を行えるようになるのです。
運用・メンテナンス業務を怠らない
AI搭載型のチャットボットは、過去の問い合わせ履歴をデータとして蓄積していくため、データの蓄積量が大きくなるほど、回答の精度も高まっていく傾向にあります。しかし、AIが必ずしも正確な情報を学習しているとは限らないため、定期的なメンテナンスが必要になるのです。
このメンテナンス作業を怠ってしまうと、間違った回答を行うチャットボットが構築される可能性もあるため注意しなければなりません。そのため、運用・メンテナンス業務を怠らないようにすることが非常に重要なポイントといえるでしょう。
課題・目的や社内文化に合わせてチャットボット導入を検討しよう
今回は、チャットボット導入のメリット・デメリットや、運用を成功に導くためのポイントについてご紹介しました。現在はさまざまな種類のチャットボットが存在するため、自社の課題・目的や社内文化に合わせて最適なチャットボットを導入することが大切です。
AIsmileyでは、チャットボットの利用料金・初期費用・無料プラン・トライアルの有無などを、一覧で比較・確認できる資料を無料でお配りしていますので、チャットボットの導入を検討される際は、ぜひお気軽にご活用ください。
- AIサービス
- チャットボット
業務の課題解決に繋がる最新DX・情報をお届けいたします。
メールマガジンの配信をご希望の方は、下記フォームよりご登録ください。登録無料です。
AI・人工知能記事カテゴリ一覧
AI・人工知能サービス
- 生成AI
- 画像生成AI
- ChatGPT
- AI研究開発
- LLM
- DX推進
- おすすめAI企業
- チャットボット
- ボイスボット
- 音声認識・翻訳・通訳
- 画像認識・画像解析
- 顔認証
- AI-OCR
- 外観検査
- 異常検知・予知保全
- 自然言語処理-NLP-
- 検索システム
- 感情認識・感情解析
- AIモデル作成
- 需要予測・ダイナミックプライシング
- AI人材育成・教育
- アノテーション
- AI学習データ作成
- エッジAI
- IoT
- JDLA
- G検定
- E資格
- PoC検証
- RPAツール
- Salesforce Einstein
- Watson(ワトソン)
- Web接客ツール
- サプライチェーン
- メタバース
- AR・VR・デジタルツイン
- MI
- スマートファクトリー
- データ活用・分析
- 機械学習
- ディープラーニング
- 強化学習
- テレワーク・リモートワーク
- マーケテイングオートメーション・MAツール
- マッチング
- レコメンド
- ロボット
- 予測
- 広告・クリエイティブ
- 営業支援・インサイドセールス
- 省人化
- 議事録自動作成
- 配送ルート最適化
- 非接触AI
業態業種別AI導入活用事例
今注目のカテゴリー
AI製品・ソリューションの掲載を
希望される企業様はこちら