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最終更新日:2024/02/16
スパースモデリングとは?
近年、さまざまな企業がビッグデータやディープラーニングを活用し、新しい技術開発にまつわるニュースを目にするようになりました。
心躍るような情報を散見しますが、膨大なデータの収集と処理に四苦八苦する現実も存在します。データを収集するには労力がかかり、大量のデータを処理するためには、多額の予算と時間がかかるのです。
そこで最近注目が集まっているのが「スパースモデリング」。少量のデータを元に学習ができる技術です。
機械学習について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
機械学習とは何か?種類や仕組みをわかりやすく簡単に説明

スパースモデリング(英語:Sparse Modeling)とは、入力された情報を必要な要素と不必要な要素に選別し、重要と判断された情報のみを抽出して「希薄」で「まばら」なデータから学習する手法です。「スパース」の意味は「希薄」「まばら」などが挙げられます。入力された情報を必要な要素と不必要な要素に選別し、重要と判断された情報のみを抽出して「希薄」で「まばら」なデータから学習します。
スパースモデリングは、大量のデータから特徴を抽出するディープラーニングと違って、データの相互関係から「データの本質」を見極めていくのが特徴です。ディープラーニングほど、データの量と質が重要ではありません。
精度の高い学習には、データ量が多い方が良いものの、データ量は少なく、使用するマシンも小さくすみます。学習にかかる時間も減り、消費電力も削減できるので、低コストで行えるデータ分析手法と言えるでしょう。
スパースモデリングを用いて入力されたデータをパラメーター毎に要素を選択、推定を自動化するために、Lasso(ラッソ)と呼ばれる手法が使われます。
LassoはLeast Absolute Shrinkage and Selection Operatorの略で、直訳すると「最小で絶対的な縮小と選択を行う機能」です。データの相互関係から抽出された最小限の要素から、最小で「まばら」な解を導き出します。これにより、必要以上に学習してノイズから影響を受けやすくなる「過学習」を抑止する効果もあるのが特徴です。
スパースモデリングは、「ある事柄を説明するのに、必要以上に多くを仮定すべきでない」という「オッカムの剃刀」の考えを元に構築されています。「オッカムの剃刀」を念頭に入れておくと、あらゆる手法が理解しやすくなるでしょう。
スパースモデリングは、機械学習やディープラーニングの大きな違いは、扱うデータ量です。
スパースモデリングは限りなく少ないデータ量を元に、数少ない要素を元に分析を行います。一方で、機械学習やディープラーニングは大量の情報を学習し、データ量の多さに比例して分析の精度が上がるのが特徴です。
では、それぞれの手法をより詳しく見ていきましょう。

そもそも、機械学習やディープラーニングとはどんなものなのでしょうか?
機械学習はAIと混同されがちですが、AI技術を実現するための手法です。一方で、ディープラーニングはAI自らがデータの特徴を学習することを指します。前者は人間が設定し、後者はAI自身が判断するのが大きな違いです。
それぞれどういうものなのか、以下に紹介します。
機械学習には、以下のように主に3つの分野があります。
| 教師あり学習 | 教師なし学習 | 強化学習 |
| 学習データに正解を与えた状態で学習させる。正誤がハッキリしている問題解決に利用でき、電子メールのスパム判定や株価予測などで活用されている。精度が高く、速度も速いのが特徴。 | 習学習データに正解がない状態で学習させる。データの特徴からグルーピングや、データの特徴を抽出してコアな情報を導く。自動車の自動運転AIの画像認識などに活用されており、未知のパターンを発見する際に使われる。 | AIが周りの環境に合わせて試行錯誤を重ねながら最適な方法を導き出す手法。アルファ碁やゲームなどで活用されている。 |
ディープラーニングは深層学習とも呼ばれ、AIがデータから特徴を自ら導き出して、人間のように情報を学習していく手法です。自動運転を可能にしたり、がん細胞を検出したり、幅広い分野で活用されています。
DNN(ディープニュートラルネットワーク)という、動物や人間が持つ脳神経回路をモデルに設計されたアルゴリズムを、さらに多層に構造化しているのが特徴です。
AIと機械学習と混同しやすいですが、ディープラーニングはAIが持つ技術の一つであり、機械学習の手法の一つでもあります。データの特徴を「人間が判断する」場合は機械学習、「機械自身が判断する」場合がディープラーニングと覚えると分かりやすいでしょう。
機械学習やディープラーニングの特徴を踏まえると、良いこと尽くしに聞こえるかもしれません。しかし、両者には問題点がいくつかあります。
機械学習やディープラーニングでは膨大なデータが必要になります。さらにデータの質も問題解決に影響をするので、情報の質も気をつけねばなりません。データ量が少なく、質も低い場合は分析の精度が下がってしまいます。高質な情報を大量に収集する必要があり、コストが非常に高いのが難点です。
大量なデータを処理するためのGPUなど計算処理能力の高いマシンが必要となります。
ディープラーニングは膨大な情報から導き出された特徴を元に分析するので、結果に至るまでの計算過程が複雑です。ブラックボックスと言われるほど計算過程を把握するのは難しく、シンプルな分析でない限り結果の説明がほぼ不可能になってしまいます。
スパースモデリングAIの特徴は、少量のデータを元に分析をおこなっているため、どのデータが正解かをラベル付けするアノテーションが少なく済むということです。データ準備にかかる時間やコストが低く済み、また、処理するデータ量も少ないため、大きなマシンを必要とせずCPUのみで学習することができます。使用マシンが減ることで消費電力も安価になり、経済的だとも言えるでしょう。
また、スパースモデリングは「希薄」で「まばら」な要素を元に分析するので、入力したデータと出力されるデータの相関関係がシンプルで、説明可能なのが強みです。異常の検知や原因を突き詰めるのにも根拠が明確なので、例えば、医療業界のような患者さんへの説明が必要な状況にも向いています。

近年になって注目を集めている「エッジAI」は、自動運転などに必要不可欠な技術のひとつです。クラウドにデータを送受信するクラウドAIに対して、エッジAIはIoT機器やセンサーなど端末そのものに搭載されているAIで、今後ますます社会に必要となってくる技術と言えるでしょう。
以下では、エッジAIについて見ていきます。
あらゆる機械がインターネットにつながる時代がやってきています。今まではクラウドに集めていたデータを、ユーザーが持つ端末など「エッジ」に収集し、処理を行うのがエッジAIです。AIの学習モデルを使って、顔認識や物体認識・検出など画像認識の技術を端末上で分析する事例があります。
エッジAIは、リアルタイムで判断可能で、データ発生源で即座に分析できるのが最大のメリットと言えるでしょう。例えば製品のNG判定や、顔認証での入場管理、航空機のセンサー故障予測などですでに活用されています。
またクラウドを通さないので、情報漏洩のリスクを減らし、プライバシーの保護を確保できるのもメリットです。また通信コストを削減できるのも長所と言えます。
一方で、大きなデータ処理は難しく、システム設計が難しいというデメリットもあります。
エッジAIの特徴として、スパースモデリングと親和性が高いことも挙げられます。近年では2019年に世界を代表する研究グループ、イベント・ホライズン・テレスコープがブラックホールの撮影を可能にして話題を呼びました。
スパースモデリングは軽量でチップに置けるため、端末に組み込んで、移動しながら使用する環境に適しています。計算量が少なく済むことから、クラウドを接続できない環境に適しており、また情報漏洩のリスクを避けたい事業などに良いでしょう。
実例として、移動体の検知や、データ欠損部分の修復に採用されています。

実際にスパースモデリングは、どんな業務に向いているのでしょうか?
データ量が豊富にある場合はディープラーニングの方の方が精度が高いですが、少ないリソースで効率化を行いたい業務の場合はスパースモデリングが向いていると言えます。
ここで、実際にスパースモデリングが活用されている事例をいくつか紹介します。
医療現場において、スパースモデリングの画像処理技術が目覚ましい進化を遂げています。
CTスキャンやMRIなど、詳細であればあるほど正確な診断が下せる画像診断ですが、患者への負担があるのも事実です。そこで、重要な部分だけを集中して撮影し、スパースモデリングによって画像を再編成して、鮮明な画像を再現する技術が開発されました。この技術によって検査時間も大幅に短縮され、患者が受ける放射線量も大幅に抑えられるようになったことが話題を呼んでいます。
将来的には、標本採取が困難だった脳卒中やがんなどの最終診断に、スパースモデリングを使用することで物理的・時間的な困難を乗り越えられるのでは、と期待が集まっています。
外観検査などAI導入が進む製造業ですが、不良品(NG)データをたくさん集めることがハードルになる事例が多くあります。その問題を解消する技術としてスパースモデリングの導入を検討する企業が年々増えてきました。
スパースモデリングは高精度で高速の検査を可能にし、複雑な事例も説明可能な問題に落とし込む技術なので、現場改革に役立ちます。
今まで目視検査されてきたモーターやカーナビなどの半導体基板や自動車の金属部品、PCパーツとして使われる樹脂成形品などの製造業にも、今後は導入されていくでしょう。
職人が培ってきた技術をAIに譲り渡すことで、事業効率化が期待できます。
スパースモデリングは、宇宙に存在する、数多くある惑星の謎に一歩近づく技術として一躍有名になりました。近年、注目されているアルマ望遠鏡という、世界で一番高い解像度と感度を誇る望遠鏡は複数のアンテナから得たデータを合成し、画像を復元します。しかし、これには高精度な画像復元処理が必要です。そこでスパースモデリングが導入され、従来より3倍もの解像度で画像を復元することができるようになりました。
2020年には東京大学によって、スパースモデリングを用いて若い星の周りを取り巻く原始惑星系円盤を捉えることに成功しています。「中心に位置する星から、惑星が形成されるシナリオ」に一歩近づいたことが話題を呼びました。

スパースモデリングは、ディープラーニングほど認知されていないものの、すでにさまざまな場面で活用されています。IoT技術が一般化されるようになる頃には、スパースモデリングを使ったAIは社会になくてはならないものになるかもしれません。
また、医療や経済の発展や未知なる宇宙の神秘の発見まで、相当な可能性を持っています。低コストで導入でき、消費電力も少なくSDGsにもつながり、まさに現在にふさわしい技術と言えるでしょう。
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AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能とは?定義・歴史・種類・仕組みから事例まで徹底解説
スパースモデリング(英語:Sparse Modeling)とは、入力された情報を必要な要素と不必要な要素に選別し、重要と判断された情報のみを抽出して「希薄」で「まばら」なデータから学習する手法です。
スパースモデリングは、「ある事柄を説明するのに、必要以上に多くを仮定すべきでない」という「オッカムの剃刀」の考えを元に構築されています。
スパースモデリングが向いている領域として、以下が挙げられます。
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