生成AI

最終更新日:2025/03/31
リクルートは、熱海市で生成AIを活用した観光マーケティング業務の効率化を実証し、分析業務負担を最大15分の1に削減しました。
このニュースのポイント
株式会社リクルートの観光に関する調査・研究、地域振興機関「じゃらんリサーチセンター」は、自治体・DMO(観光地域づくり法人)が生産性高くインバウンド推進するための生成AI活用実証実験を実施しました。
近年、日本のインバウンド市場は急速に回復し、2024年の訪日外国人旅行者数は2019年比115.6%に達しました。観光庁では「観光DX」を推進し、自治体やDMOにデータ活用や多言語対応の強化を求めていますが、多くの自治体・DMOはリソース不足に課題を抱えています。こうした課題に対応するため、「じゃらんリサーチセンター」はインバウンド推進を支援すべく、生成AIを活用した観光マーケティングの実証実験を実施しました。
本実証実験では、静岡県熱海市をモデルケースとして実施され、特にマーケティング分析、データ活用、多言語対応の3つの領域で顕著な成果が得られました。AIインバウンドマーケティングツールを活用したことで、通常のマーケティング分析に比べて作業時間を約15分の1に削減。従来は多言語の記事や口コミを手作業で収集し、翻訳・要約する必要がありましたが、AIを活用することで迅速かつ正確な分析が実現しました。
また、観光案内所で蓄積されている訪日観光客の問い合わせデータを、生成AIを活用して要約・分析し、頻度高く自治体やDMOの関係者と共有することを可能にしました。これにより、観光案内所のデータを迅速に活用でき、地域のインバウンド対応の意思決定をスピーディーに行えます。さらに生成AIを活用することにより、旅ナカデータの分析に係る工数が約4分の1に削減されました。これまでは情報を手作業でまとめる必要がありましたが、AIが自動でデータを整理・要約することで、関係者が瞬時に情報を把握しやすくなりました。
観光情報の翻訳では、特にChatGPTを活用した翻訳がより自然で違和感のない文章となり、WEBサイト掲載に適した品質であることが証明されました。また、従来の翻訳作業に比べて工数が約12分の1に削減され、観光情報の発信スピードも大幅に向上しました。
今回の実証を通じて、生成AIを活用した持続可能なデータ活用の仕組みが検証され、自治体やDMOが低コストで始められる「スモールスタート型」AI活用モデルを構築しました。AIを活用してデータの収集・整理を効率化し、業務に生かすとともに、AIと人手を組み合わせた業務プロセスの効率化、プロンプト設計を工夫して高精度なアウトプットを得ることが可能です。
出典:株式会社リクルート
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