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PKSHA独自の事業モデルで「多層伝言ゲーム」をなくす。日本のAI活用推進の鍵となるPKSHAの事業戦略を語る

最終更新日:2025/03/03

株式会社PKSHA Technologyは、2025 年 2 月 25 日(火)、第二回 事業説明会にて「AI実装パートナーとして捉える国内大企業のAI活用のハードル」の講演を実施しました。本講演では、PKSHA Technology 代表取締役 上野山 勝也氏が登壇し、日本国内大企業におけるAI活用の課題と、独自のプロダクトを用いたその解決策を講演。さらに、AI SolutionおよびAI SaaSの最新事業も紹介しました。

国内大企業のAI活用の壁と解決策

日本のGDPは全世界的に見ると4位である一方で、デジタル競争力は先進国の中でかなり低く、AIの社会実装が進んでいないことが課題となっています。その要因の一つとして、企業の俊敏性の低さが挙げられ、特にソフトウェア開発におけるビジネス構造に問題があると言います。

大規模開発では、開発の段階ごとに担当チームに分かれており、チーム間でのコミュニケーションをとるには伝言を重ねて行う必要があります。この開発体制が「多層伝言ゲーム」を生み、こうした大人数での水平分業型の状態が、ソフトウェア開発のスピードを著しく低下させています。

PKSHAは、この多層のコミュニケーションをを1つの階層に統合し、顧客の質問に対してエンジニアがその場で議論する解決垂直統合型の体制をめざします。「多層伝言ゲーム」をなくし、顧客の質問を持ち帰らず、エンジニアがその場で議論を行う共進化型の双方向コミュニケーションを図ることで、円滑に開発を進めていきます。

また、日本のデジタル活用にブレーキがかかっている根本的な問題には、ビジネスモデルのインセンティブの構造矛盾があるとコメント。開発に関わる人員は、増えれば増えるほど人的工数に比例して収益が増加するため、プロジェクト規模が拡大しやすくなり、開発工程が増えることで長期間にわたる大規模開発となります。この労働集約型の構造を脱却するため、PKSHAではライセンス型ビジネスモデルへの切り替えにより、迅速な開発と人数を絞ることで効率性を高め、売り上げの増加につなげています。

さらに、PKSHA独自のアルゴリズムモジュールを組み合わせて活用することで開発を高速化。パッケージ型のAI SaaSとセミカスタマイズ型のAI Solutionのハイブリッドモデルの提供により、顧客の要望に適した開発を実現します。

上野山氏は、これから社会は共進化型に移行していくと述べ、今後ソフトウェア開発のみならず、ジャーナリズムでの情報収集など、様々な領域においてリアルな議論や対話の価値があがっていくと強調。共進化型での対話を重視しながらコミュニケーション領域でのソフトウエア開発を加速していくと総括しました。

AIエージェントによる次世代SaaS事業

続いて、PKSHA Workplace 執行役員 山本 健介氏がSaaS事業のアップデートについて、ボイスボットやチャットボットなど幅広い領域で展開しているプロダクトを紹介。様々なサービスを展開している中で、高度な推論能力を持つAIエージェントが今後プロダクトを展開していく鍵となり、思考プロセスの自律的な決定や参考情報の自律的な選択を実現するといいます。また、一つのエージェントに物事を任せると精度が劣るケースも多いため、複数の専門エージェントにマスターエージェントが強調することでより精度を上げるプロダクト開発が進められています。

京都銀行では実務に回答生成機能(RAG)を用いたプロダクトが本導入されており、その実績として86%の検索精度を達成し、年間8,000時間の削減効果が見込まれることが確認されたほか、FAQ作成・メンテナンスの作業負担の軽減や、行員の規程検索時間の短縮も期待されています。山本氏は、今後もAIエージェントにより物事を人に代わって自律的に遂行していく世界を実現していくと述べています。

新事業の発表では、PKSHA Technology 社長室 室長 大野 紗和子氏が登壇し、人事業務における採用プロセスの最適化についてPKSHA AI Suite for HRによるソリューションを紹介しました。採用市場ではオペレーションの多様化や人材確保の深刻化など、年々課題が複雑化しており、人材側においてもキャリアマッチングが困難になっているという実状です。

このような課題に対して、PKSHAは広い社会の中から人が適職に出会う機会を拡大するため、企業と人材の双方の特徴を最大限に汲み取った双方向のマッチングをめざし、スキルや経験をAIに見極めてもらった上で、採用者がカルチャーフィットの相互確認を行うといった採用の効率化を実現していきます。

具体的には、候補者レジュメとポジションのマッチ度を可視化する「PKSHA書類選考AI」で書類選考を効率化し、より候補者にあったポジションを案内したり、AI面接「SHaiN」を活用して、利用が一般化されているChatGPTにより作成されたエントリーシートが適切であるか審査を行うなど、企業のニーズに合わせた様々なソリューションを展開しています。

PKSHA Technology 執行役員 佐野 長紀氏による事業紹介では、クレジットカードの不正利用や保険金の不正請求などの様々な社会問題を防ぐため、PKSHA Securityを活用したソリューションが紹介されました。ネット社会においては、特に誹謗中傷や悪質な勧誘といった問題が顕著となっており、これらの安心・安全を担保するために「PKSHA Security for Post Guard」の構築を目指しています。

本サービスでは、SNSやWebメディア上に投稿されたデータから不適切表現の疑いのある投稿をAIが抽出し、疑いがあると判断された投稿は監視担当者がチェックし、投稿を削除するかどうかを決定します。これにより、実際にカスタマイズ提供した企業では、投稿監視費用が約8割削減されコスト削減の効果が確認されました。PKSHAがこれまで培ってきた自然言語処理技術や、マッチングアプリ事業者や監視事業者との協業を通じて得たノウハウを活かし、今後は不適切表現のみならず、会社 ・ 商品への苦情や不満をチェックすることで改善につなげていく予定です。


本講演では、PKSHAが掲げるミッションおよびビジョンである共進化型の未来に向け、人とAIが連携することで相乗効果を発揮する幅広い業務に対応可能なソリューションが紹介されました。今後の展望には、新たなグループ企業の参画をはじめ、パッケージ性の高いAI SaaS事業の展開とスピード感のある社会実装が挙げられます。AIエージェントを加速させ、サービス提供の付加価値を高めることによって、AI導入の促進に躍進していくでしょう。

AIsmiley編集部

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