購買を後押し!クーポン配信を行うAI・人工知能サービスの仕組みとメリット
最終更新日:2024/04/11
購入を悩んでいる顧客の意思決定に影響を与える要因のひとつに「クーポン」があります。このクーポンの有無で、購入判断に影響が生まれるケースは決して少なくありません。そして最近は、より最適なクーポンを配信するためにAIを活用しているサービスも増えてきているのです。
では、具体的にどのような仕組みのもとでAIによるクーポン配信が行われるのでしょうか。今回は、クーポン配信を行うAIサービスの仕組みやメリットを詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
東芝グループ:レシートクーポンの効果を可視化するAIサービスを開発
(参照:東芝テック:AIを活用した販売促進業務の効率化と効果を可視化する「PromotionOne(プロモーションワン)」を発売)
現在はさまざまな業界でクーポンが活用されており、そのクーポンの販売促進効果を可視化するためのサービスも多くなってきています。そのサービスにおいてAIが導入されるケースが多くなってきているのです。
代表的な例としては、東芝グループが2020年8月に発売したクラウドサービス「PromotionOne」が挙げられるでしょう。この「PromotionOne」では、同社が提供している販売促進レシート発券クラウドサービスの「テッククーポンデリ」や、量販店向けのトータルソリューションストアシステムの「PrimeStore(プライムストア)」と連携し、POSデータを自動収集することが可能です。また、レシートクーポンの販売促進効果をAIが分析し、グラフや表でわかりやすく表示させる機能も備わっています。
これまで、レシートクーポンの販売促進効果を確認するには、販売データの集約や分析を行うシステムを構築したり、データを活用するための専門知識を持った人材を確保したりしなければなりませんでした。そのため、効果的に販売促進を行うためには、多くの時間と労力を費やさなければならなかったわけです。これは、人手不足が深刻化している流通業界にとって大きな課題といえます。
東芝テックは、このような課題を解決すべく、クラウドサービス「PromotionOne」の開発に着手し、いよいよ2020年8月に発売となりました。ちなみに東芝テックでは、各店舗の現状分析から販促企画立案までの一連業務を支援する「役務サービス」も提供しているため、販売促進業務をトータルで支援することが可能になったといいます。
AIを活用したクーポン配信の実例
(参照:セブンネットショッピング|本・雑誌・CD・DVD・ギフト 通販)
AIを活用したクーポン配信によって、注文率が導入前の3倍に上がったという事例もあるなど、AIを活用したクーポン配信には多くのメリットが存在します。たとえばECサイトの場合、ユーザーがどのようにサイト内を回遊したのかを解析した上で、適切なバナーを表示させることができるわけです。
ECサイトに訪れたユーザーは、一人ひとり「目的」や「悩み」が異なるため、当然サイト内の行動にも違いが生まれます。そのため、すべてのユーザーに対して同じポップアップを表示させていても、反応を得られる可能性は高くありません。
しかし、ユーザーの行動を解析し、「クーポンを配布するにふさわしいユーザーかどうか」を判断した上でクーポンの案内を表示する仕組みを構築しておけば、より確実にユーザーからの反応を得られるようになるわけです。さらに、「クーポンに興味を持たない可能性が高いユーザーのストレス」を招いてしまうリスクも抑えられるため、いわば一石二鳥といえるでしょう。
ちなみに、セブンネットショッピングが運営しているECサイト「セブンネットショッピング」では、AI搭載型のWeb接客ツール「ZenClerk(ゼンクラーク)」を導入しており、購入を迷っているユーザーだけにクーポンを配布する仕様にしたところ、売り上げ・利益の拡大に成功したといいます。これは、AIによって「サイト内でのユーザーの行動」を可視化できているからこそ実現できたものといえるでしょう。
ECサイトにおいてクーポンは不可欠な存在となりつつある
多くのECサイトではクーポンが導入されているため、もはやクーポンはECサイト運営において必要不可欠な存在といっても過言ではないかもしれません。しかし、クーポン配布を行う場合には、しっかりと戦略を立てなければ失敗に終わってしまう可能性があるため注意が必要になります。とくに、訪問したユーザー全員にクーポンを配信してしまうと、クーポン配信のコストだけが膨らみ、高い反応を得られず損失が大きくなってしまう可能性もあるからです。
その点、AIを活用したクーポン配信であれば、「購入を本格的に検討しているユーザー」と「購入する意思の弱いユーザー」を分類することも可能になります。購入に至る可能性が低いユーザーにクーポンを配信しても、そのクーポンが利用される可能性は低いですが、本格的に購入を検討しているユーザーだけにクーポンを配信すれば、高い反応を得られる可能性があるのです。無駄な販促費用を抑えつつ、クーポン配信の精度を高められるという点で、AIの活用には大きなメリットがあるといえるのではないでしょうか。
また、クーポンは初回購入時だけでなく、継続的に利用するユーザーに向けて配信することもできます。そのため、多くのユーザーに「次もここで買い物しよう」と思ってもらえるようなクーポン配信を実現できれば、ECサイトとしての「ブランド力」も高めていくことができるのです。そのブランド力は、長期的な利益に大きな影響を与える要素といえますので、いかにAIを有効活用して効率的にクーポンを配信できるかという点は、非常に重要なポイントといえるでしょう。
AIを活用したクーポン配信は、企業の売上とブランディング向上に貢献する
今回は、クーポン配信を行うAIサービスの仕組みとメリットについて詳しくご紹介しました。AIを活用すれば、「反応を得られる可能性が高いユーザー」だけにピンポイントでクーポンを配信することも可能になります。クーポン配信のコストを抑えながら効率よく反応を得られるという点は、AI活用の大きなメリットといえるでしょう。
また、AI搭載のクラウドサービスを活用すれば、これまで多くの時間と手間を要していた検証業務も効率化することができます。人手不足が深刻化している昨今において、業務効率化を実現できるメリットは計り知れません。業務の自動化を実現するだけでなく、分析の精度も高められるAIは、今後さまざまな業界で重宝される存在になるのではないでしょうか。
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