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最終更新日:2025/03/24
京セラと筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構は、共同研究により、最適な仮眠をサポートする仮眠起床AIシステム「sNAPout」を開発しました。
このニュースのポイント
京セラ株式会社と筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)は、共同研究により、最京セラと筑波大学(IIIS)は、共同研究により、最適な仮眠をサポートする仮眠起床AIシステム「sNAPout」を開発しました。
日本人の平均睡眠時間は、国際的に見て短い傾向があります。睡眠不足は労働生産性の低下や経済損失にもつながり、日本における睡眠不足による経済損失は、年間約15兆円に上ると試算されています。このような背景から、睡眠不足は個人の健康問題にとどまらず、社会全体の課題として注目されています。
こうした深刻な社会課題を解決するため、京セラと筑波大学IIIS阿部 高志 准教授は共同研究を行い、短時間の仮眠(パワーナップ)を効果的に活用し、日中の生産性向上を支援する仮眠起床AIシステムの開発に至りました。
「sNAPout」は、京セラ独自のレーザードップラー式血流量センサを搭載したイヤホンデバイスと、AIを搭載したスマートフォンアプリで構成されます。IIISが脳波計から算出した正確な睡眠段階毎にイヤホンデバイスから得た血流量を分類し、その特徴をAIに学習させることにより、高精度かつリアルタイムで解析できるアルゴリズムを構築しました。仮眠したい時にイヤホンデバイスを装着して、アプリを起動し、好みの入眠音を聞きながら仮眠を取るだけで、AIが最適な起床タイミングを判定します。
先行研究によると、人間の睡眠サイクルは眠りの深さにより3段階に分けることができ、「睡眠段階2」に入ってから9分後に起きると目覚めがいいことが分かっています。この知見に基づいた最適なタイミングで起床を促すことで、仮眠からのスムーズな覚醒を実現します。
さらに、左右の耳に異なる周波数の入眠音を流し、疑似的に振動を再現することにより、入眠を促進する技術を確立しました。これにより「睡眠段階2」に入るまでにかかる時間を短縮します。また「睡眠段階2」に入った段階で音刺激があると睡眠効果が下がるため、その段階に入ると入眠音を停止する技術も取り入れています。
京セラと筑波大学IIISは、今後さらなる学習データの拡充や、仮眠の効果を可視化する技術の研究開発について検討していきます。京セラは、4月より本製品を利用した法人向けの有償実証実験を開始し、将来的には本開発品のコア技術である血流量センサと仮眠起床AIモデル、入眠音をアセットとしてイヤホンメーカーに提供し、製品化・販売に向けた事業スキームも検討中です。
出典:京セラ
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