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最終更新日:2024/01/26
順天堂大学大学院、花王株式会社生物科学研究所、Preferred Networks(PFN)らの研究グループは、パーキンソン病患者皮脂中のRNAに病態と関連した特有の情報が含まれることを発見。さらに皮脂RNA情報を用いた機械学習モデルがパーキンソン病の診断方法になりうることを明らかにしました。
このAIニュースのポイント
順天堂大学大学院医学研究科神経学の斉木臣二先任准教授、服部信孝教授、花王株式会社生物科学研究所、株式会社Preferred Networks(PFN)らの研究グループは、パーキンソン病患者皮脂中のRNA(リボ核酸)に病態と関連した特有の情報が含まれることを発見しました。さらに皮脂RNA情報を用いた機械学習モデルがパーキンソン病の診断方法になりうることを明らかにしました。
RNA:RNAはDNAの情報に基づき、生体内で合成される分子
これらの結果は、皮脂RNAという簡便かつ侵襲を伴わずに採取可能な生体成分を用いたパーキンソン病の新たな検査方法の可能性を示した画期的な成果で、病態に基づく早期診断に繋がる点に意義があります。本成果は英国科学雑誌「Scientific Reports」のオンライン版に9月20日付で公開されました。
パーキンソン病は有病率が10万人あたり約140人に上る日本で2番目に多い神経変性疾患で、運動に関する症状や自律神経障害、認知機能低下が徐々に進行します。現在のところパーキンソン病を根治するための治療方法は存在していませんが、早期に確定診断を行い、適切な治療を継続することで症状をコントロールすることができます。しかし、パーキンソン病の診断には専門的かつ複雑な検査が必要であるため、より簡便な検査方法が求められています。
順天堂大学の研究グループは、パーキンソン病患者の病状を正確に反映するバイオマーカーを探索しています。パーキンソン病では皮脂の増加を伴う脂漏性皮膚炎などいくつかの皮膚症状が高頻度に併発することが知られています。今回、「皮脂にはパーキンソン病と関連した情報が含まれる」との仮説を立て、皮脂RNAの網羅的解析技術を保有する花王と、機械学習や深層学習などの人工知能関連技術を保有するPFNと三者で共同研究を実施しました。
研究グループは、軽症パーキンソン病患者*5を対象として2回の独立した試験を設定し、グループ1(未治療のパーキンソン病患者7名、健常者13名)、グループ2(未治療および内服加療中のパーキンソン病患者46名、健常者50名)の皮脂RNA情報の比較を行いました。

皮脂RNAは1枚のあぶらとりフィルムを用いて顔全体から採取した皮脂から抽出することができます。抽出された皮脂RNAを用いて次世代シーケンサーによるRNA発現量を網羅的に解析し、含まれる情報の抽出や機械学習モデルの構築を行いました。

皮脂RNA解析の結果、グループ1・グループ2それぞれにおいて約4000種のRNAの情報が得られました。パーキンソン病患者において大きく変化していた約200~400種のRNAに注目したところ、パーキンソン病の病態と密接に関係するミトコンドリアに関連した複数のRNAが増加する傾向が示されました 。
ミトコンドリア:細胞のエネルギー産生に関与する細胞内小器官
このことから、パーキンソン病患者の皮脂RNAには健常者とは異なる情報が含まれること、さらにそれら皮脂RNAから得られた情報が既に知られているパーキンソン病の病態に関連した変化と矛盾していないことが示されました。
次に、皮脂RNAの情報とExtremely Randomized Trees *7と呼ばれる機械学習モデルによってパーキンソン病を判別できるか検証しました。グループ1・2を統合して解析を行った結果、皮脂RNA・年齢・性別情報を用いてパーキンソン病を判別することが可能であることが示されました。

また、同じ方法を用いてパーキンソン病の重症度*5を予測し、その予測された重症度の数値と皮脂RNA・年齢・性別情報を組み合わせて機械学習モデルを構築することによって、より精度よくパーキンソン病を判別することが可能でした。これらの結果から、皮脂RNAに含まれる情報を用いて機械学習モデルを構築することで、パーキンソン病を精度よく判定することができることが示されました。
今回の成果から皮脂RNA情報と機械学習モデルを組み合わせることにより、パーキンソン病の早期診断が可能となることが期待されます。この方法では、試料として用いる皮脂RNAをあぶらとりフィルム1枚を用いて侵襲を伴うことなく誰でも採取することが可能であることから、簡便なパーキンソン病の検査方法が提供できるようになれば、早期診断や先制医療開発の一助となるものと考えられます。
パーキンソン病の診断は、鑑別しなければならない類似の疾患が存すること、皮脂RNAの変化に関しても日々の生活などの外的要因が完全には精査されていないといった課題があります。研究グループでは、類似の疾患との鑑別診断が可能な機械学習モデルの構築や、精度向上のために制御が必要な日常生活の影響について検討を続けており、パーキンソン病の新たな検査方法の開発を目指しています。
出典:PR TIMES

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