生成AI
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最終更新日:2024/04/04
昨今、金融機関や自治体など、紙文書の利用が多い組織での光学文字認識技術(OCR)によるデータ化が推進されつつあります。また、OCRとAI・人工知能を組み合わせた「AI OCR」も登場し、ますます使い勝手が向上する中、NTTデータは「AI OCR」で自治体文書の9割を正確に読み取れるとの実験結果を発表し、話題を集めています。
AI-OCRについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI-OCRとは?種類や事例、メリットなど比較ポイントを解説
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツール「WinActor」を手掛けるNTTデータは、RPAを導入する自治体において「AI OCR」の実用性を検証したところ、なんと自治体文書の93%はAI OCRで正確に読み取れることが判明しました。
実証実験は、2018年12月から2019年3月にかけて東京都の町田市、福島県の郡山市、千葉県の市川市など6つの自治体で実施。給与支払報告書や出生届など73種類の紙文書の約7万6000の文字を読み取って実施しました。
紙文書をシステムに入力する作業をRPAなどで自動化する場合、まずは紙文書の内容を文字認識技術で読み取ってデータ化する作業が必要です。ただ、通常のOCRの場合、定型文書しか読み取れなかったり、手書き文字に対応していなかったりという課題がありました。その点、文字を読み取りながら学習を重ねるAI OCRであれば、非定型文書や手書き文字にも対応が可能です。今回の検証結果は、大量の紙文書を扱う自治体の事務作業自動化に向けて、その有効性を示すことができたといえます。
自治体でのOCRやRPAの導入事例は、続々と増えています。
愛知県では、職員による定型的なPCへの入力作業をRPAに代行させたところ、職員による入力・確認などの作業時間を最大95%削減することに成功しました。 自動化した業務と、その削減率は以下の通りです。
とくに、「財務システムでの支払業務」で扱う請求書は、各社によってフォーマットが異なるため、OCRでの自動化がしにくい分野とされてきました。しかし、AI OCRであれば非定型文書にも対応できるので、こうした業務分野でも自動化が推進されるようになっています。
また、全国の自治体の中でもいち早く導入実験を始め、その成果を確認した茨城県のつくば市では、全業務の自動化推進を決め、「日本一ロボットが活躍する自治体を目指す」としています。
京都府の舞鶴市は「便利な田舎暮らしができるまち」の実現を掲げ、地域独自の豊かな自然や文化を維持する一方で、IT、IoT(モノのインターネット)、AIなどの新たな技術を積極的に活用する方針を示しています。
同市では、京都電子計算から「AI手書き文字認識サービス」の提供を受けて業務の効率化を図ります。
「AI手書き文字認識サービス」は、公共団体向けのAI-OCRサービスで、Cogent LabsのAI-OCRサービス「Tegaki」と、補正・分割・確認・結合などの前後処理を担当する連携ツール群「Seisho」、京都電子計算が地方公共団体向けに提供するLGWAN(総合行政ネットワーク)の基盤を組み合せたものです。
IT技術の導入によって、舞鶴市は労働人口の減少や長時間労働の改善に向けた働き方改革に取り組むとしています。
京都府舞鶴市 五老スカイタワーと舞鶴湾
少子高齢化で労働力が不足する中、紙文書が中心の地方自治体でも、文字認識技術によるデータ化とそれを活用した自動化が求められています。こうした動きは、今後ますます全国の自治体に広がっていくでしょう。
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