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最終更新日:2026/02/10
Google Try It OnとDopplとは?
オンラインショッピングで「サイズが合わなかったらどうしよう」「実際に着るとイメージと違うかも」と不安になったことはありませんか。
Googleが提供するAI試着技術「Try It On」と「Doppl」を使えば、購入前に自分が服を着た姿を確認できます。
本記事では、両サービスの特徴や使い方、企業とユーザー双方が得られるメリットについて解説します。

Googleは現在、2つの異なるバーチャル試着サービスを展開しています。
1つは検索機能に組み込まれた「Try It On」、もう1つは実験的なアプリとして提供される「Doppl」です。どちらもAI技術を使って服を着た姿を確認できますが、利用方法や機能に違いがあります。
以下の表で、両サービスの主な違いを整理しました。
| サービス名 | Try It On(トライイットオン) | Doppl (ドップル) |
| 形態 | Google検索・ショッピング機能の一部 | 独立したスマートフォンアプリ |
| 主な機能 | 検索結果からモデルや自身の写真で試着 | アバター作成、動画生成による試着 |
| 提供状況 | 日本を含む一部地域で順次展開 | 米国限定の実験的サービス(2026年1月時点) |
「Try It On」は、Google検索やショッピング機能と一体化したバーチャル試着サービスです。検索結果から直接、服や靴を試着できるため、わざわざ別のアプリを開く必要がありません。
自分の写真をアップロードするか、Google側が用意した様々な体型のモデルを選ぶことで、服のサイズ感や布の垂れ具合を画面上で確認できます。
2025年10月より、日本でもサービスが始まりました。米国では、トップスやボトムスに加えてスニーカーなどの靴にも対応しています。
「Doppl」は、Google Labsが開発したAI試着アプリです。Try It Onの技術をベースにしながら、独立したアプリとして提供されています。
その特徴は、自分の全身写真から作ったデジタルアバターに服を着せて、静止画だけでなく「歩く姿」の動画まで生成できる点です。歩いたときの服の揺れやシルエットの変化を確認できるため、より現実に近い着用感をイメージできます。
2026年2月時点では、アメリカ国内のみでの提供ですが、今後のグローバル展開が期待されています。
Googleが独自開発したファッション専用のAIモデル(Google Shopping AI Modeを技術基盤としたもの)は、服の物理的な特性や人体との関わり方を理解しています。
これまでの単純な画像合成とは異なり、綿やシルクといった素材ごとの質感、光の当たり方、シワの入り方まで精密に再現できます。
この技術の背景には「Shopping Graph」と呼ばれるシステムがあり、数十億点にも及ぶ商品データと連携することで、正確な試着シミュレーションを実現しています。
服が体にどうフィットするか、どんな風に動くかを予測する精度の高さが、従来のサービスとの大きな違いです。

Google検索やショッピングタブから簡単に使える「Try It On」の操作手順を紹介します。
利用の流れは次の3ステップです。
まず、Googleで「夏 Tシャツ」「ブーツ コーデ」といったキーワードで検索します。
検索結果が表示されたら、「ショッピングタブ」か「画像検索」のタブを開いてください。

商品の画像をクリックすると、Try It Onに対応している商品には「Try On(試着する)」や「試してみる」というアイコンが表示されます。

このアイコンをタップするだけで、バーチャル試着モードが起動します。特別なアプリのインストールや会員登録は必要ありません。気になるアイテムを見つけたら、その場ですぐに試着体験を始められる手軽さが魅力です。
GoogleのAI試着機能の目玉は、肌の色や体格、髪型が異なる多様なモデル(XXS〜XXXLまで対応)の中から、自分に最も近い人物を選んで着用感を確認できる点にあります。
しかし、2026年現在、日本国内においては、この「モデル選択機能」が一部のブランドや特定のカテゴリー(主に海外ブランドのトップスなど)に限定して表示される状況が続いています。
基本的には自分の全身写真をアップロードしてバーチャル試着する方法が、試着イメージとのズレも生じないので、望ましいでしょう。(次項で詳しく解説します)
スマートフォンに保存してある全身写真を1枚アップロードすると、AIがその写真に服を合成してくれます。自分が実際に着ている姿を画面上で作成できるため、よりリアルな着用イメージを確認できます。

一度写真をアップロードすれば、様々な服や靴を次々と着せ替えて試すことが可能です。複数の商品を比較検討する際にも便利でしょう。

試着した画像は保存したり、友人にシェアしたりできます。購入前に「どっちが似合うかな?」と友人に意見を聞きながら買い物できるので、失敗のリスクを減らせます。

静止画だけでなく「動く姿」まで確認できるアプリ「Doppl」の使い方を解説します。アプリならではの高度な機能を活用するための流れは、次の3ステップです。
(※2026年2月現在、Dopplは米国でのみサービスを提供しています。国内ユーザーはアプリ自体を使用できない可能性があります)
DopplアプリをiPhoneまたはAndroidスマートフォンにインストールしたら、まず全身写真を用意します。背景がシンプルで、体の輪郭がはっきりわかる写真を撮影またはアップロードしてください。

AIが体型、髪型、肌の色などを深層学習アルゴリズムで解析し、数分で本人そっくりのデジタルアバターを自動生成します。精度の高いアバターを作るコツは、明るい場所で、体のラインがわかる服装で撮影することです。
暗い場所や体が隠れる服装では、AIが正確に体型を認識できない場合があります。一度作成したアバターは保存されるため、次回以降は撮影不要です。
オンラインショップのスクリーンショットや、SNSで見つけた服の画像など、どんな画像でもアプリに取り込めます。アプリ内の「+」アイコンをタップして画像を選択するだけで、AIが自動的に服の形状や質感を抽出します。
そして、先ほど作成したアバターに自然にフィットさせてくれます。

特定のECサイトに限定されず、スマートフォンに保存してある画像データから自由に試着を楽しめる点が便利です。友人が着ている服の写真や、雑誌の切り抜きなど、様々な画像で試すことができます。
Dopplの最大の特徴が、この動画生成機能です。静止画での試着だけでなく、実際に歩いている姿を動画で確認できます。
動画アイコンをタップするだけで、アバターが動き出します。歩行時の服の揺れ具合やシルエットの変化をリアルにチェックできるため、静止画ではわからない情報を得られます。
たとえば、スカートの裾がどのように揺れるか、パンツの動きやすさはどうかといった点を確認できます。
静止画だけでは判断しにくい「動きやすさ」や「見栄え」を事前に把握できるため、購入後の失敗をさらに減らせます。

バーチャル試着技術の導入は、買い物をする消費者と商品を販売する企業の双方に利益をもたらします。
それぞれの立場から見たメリットを整理しました。
| 視点 | 主なメリット |
| ユーザー |
|
| 企業 |
|
「サイズが合わない」「思っていた色やデザインと違う」といった不安は、オンラインショッピング特有の問題です。バーチャル試着を使えば、購入前に着用イメージを確認できるため、こうした不安を解消できます。
結果として、購入の決断をしやすくなります。業界のデータによると、バーチャル試着の導入により返品率を数割削減できる可能性があります。
企業にとっては、返品にかかる配送コストや在庫管理の負担が軽くなります。ユーザーにとっても、返品の手間や時間がなくなるため、双方にメリットがあります。
実店舗に行く時間がない忙しい人でも、スマートフォン1台あれば自宅やオフィスから本格的な試着体験ができます。移動時間や営業時間を気にする必要がありません。
Dopplのようなアプリを使えば、手持ちの服と欲しい服の組み合わせをシミュレーションすることも可能です。
新しいコーディネートのアイデアを試したり、普段選ばない色やスタイルに挑戦したりと、ファッションの楽しみ方が広がります。店舗では試着室の数に限りがあるため、何着も試すのは気が引けますが、バーチャル試着なら何度でも気軽に試せます。
試着した画像や生成された動画は、SNSやメッセージアプリで簡単にシェアできます。
友人や恋人、家族に「これ似合う?」とすぐに聞けるため、客観的な意見を参考にしながら購入を決められます。一人で悩むよりも、周りの意見を聞いた方が満足度の高い買い物ができるでしょう。
企業にとっても、ユーザーがシェアすることで自然な口コミが広がるメリットがあります。こうしたUGC(ユーザー生成コンテンツ)は、広告よりも信頼されやすく、ブランド認知の拡大につながります。

AI試着技術の進化は、単なる便利機能にとどまりません。ファッション業界全体の構造や消費者の買い物行動を大きく変える可能性を秘めています。
AIがユーザーの体型や好みを学習することで、より個人に最適化された「パーソナライズドコーディネート」の提案が可能になります。
「AI Mode」などの機能と連携すれば、検索から試着、購入までがシームレスにつながり、直感的なショッピング体験を実現できます。
将来的には、AIスタイリストが自動でおすすめコーデを提示するようになるかもしれません。
自分に似合う服を探す手間が減り、買い物の在り方そのものが変化していくでしょう。個々人の好みやライフスタイルに合わせた提案が受けられるようになれば、ファッションの楽しみ方はさらに広がります。
返品率が下がれば、物流によるCO2排出量が削減されます。また、返品された衣類の廃棄も減少します。
無駄な購入や廃棄を減らすことで、ファッション業界全体の環境負荷を軽減できます。結果として、サステナブルな消費社会への貢献につながります。
テクノロジーの活用は、企業の経済的なメリットだけでなく、環境問題という社会的な課題解決にも寄与するでしょう。
消費者が本当に必要なものだけを購入し、長く大切に使う、そんな持続可能な消費スタイルをAI試着技術が後押しします。
GoogleのTry It OnとDopplは、AI技術を活用したバーチャル試着サービスです。
Try It Onは検索機能に統合されており、日本でも利用できます。Dopplは動画生成機能を持つアプリで、現在は米国限定です。
どちらも購入前の不安を解消し、返品率を下げる効果があります。ユーザーは自宅で手軽に試着でき、企業はコスト削減と売上向上を期待できます。
AI試着技術は、パーソナライズされた提案やサステナブルな消費を通じて、ファッション業界の未来を変える可能性を秘めています。
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