サーキットレース安全対策支援として富士通のAI技術を活用
最終更新日:2023/12/05
富士通は、AI技術を活用したシステムをドイツのサーキットレーストラックに導入し、安全対策強化を支援していくと発表しました。
このAIニュースのポイント
- ドイツのサーキットレーストラックに、富士通のAI技術を活用した安全対策強化システムの本導入がスタート
- カメラやAIを搭載したICTの活用により、トラックの異常を自動検出し、即座に危険を警告できる基盤を整備していく
- 2025年のグランプリシーズンまでにレーストラック全域にHDカメラの増設とAI機能の強化を行い、安全対策強化をめざす
富士通株式会社はドイツのサーキット運営会社ニュルブルクリンクにおけるレースの安全対策において、AI技術を活用したシステムを導入し、安全対策強化支援を行っています。
ニュルブルクリンクのレーストラックでは、レースの安全を守るスタッフであるトラック・マーシャルたちが旗を振ったり、ラジオ放送を活用することで、ドライバーに危険の警告や事故発生を伝えていました。
ですが救助が来るまでに時間を要し、ときにはコースが閉鎖されレースに大きな影響が生じるなどの課題がありました。
そのことを背景に富士通は、レースの安全対策の第一弾として、世界最長で多数のカーブを持つ、難易度の高いニュルブルクリンクの常設レーストラック「ノルドシュライフェ」に、AI技術を活用したシステムの実証実験を2022年に実施していました。
レーストラックにHDカメラを光ファイバーで接続し、またAI機能を搭載したシームレスなシステムを構築することで、カメラの映像をAIがリアルタイムで監視および判断することができます。
また、レーストラック上のLEDディスプレイを介して即座に危険をドライバーに警告し、ほかの車両や人との接触事故などを未然に防止することが可能になります。
加えて、富士通はニュルブルクリンクのニーズに対応するため、車両や人物を識別するAI画像認識機能をシステムに搭載し、レーストラック、砂利、芝生の表面、ガードレール、安全柵などをリアルタイムに判別可能としました。レーストラックでの事故、コースへの人の侵入、車両の立ち往生、低速車両などの発生をカメラが捉えると、その情報を受信したAIが安全上の問題発生を識別し、レーストラック上のライトやLEDディスプレイに警告を表示します。
2025年のグランプリレースシーズンまでに本システムの実運転開始を目指しており、富士通は実証実験による有効性検証を踏まえ、2023年1月よりシステムの本導入を開始し、またシステム強化も行っていくと発表しています。
ニュルブルクリンクは「未来の安全性に備えたプロジェクトにおいて、多くのカメラから画像をリアルタイムに監視、判断し、適切な行動をとることができるAIは、最良の解決策だと考えています」とコメントしています。
また富士通は、AI画像認識を活用した安全対策ソリューションを、レーストラックへの運用だけではなく、道路交通やそのほかのシーンにおける技術適用の検討を進めています。
出典:PR TIMES
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