経営を効率化!AIを活用した売上予測の特徴とメリット
最終更新日:2024/04/11
在庫を抱える小売業にとって、売上予測の精度は極めて重要な要素と言えるでしょう。もし仮に、誤った売上予測によって大量の在庫を抱えてしまえば、経営面でのダメージが大きくなってしまうからです。だからこそ、できる限り誤差が生まれないよう、慎重に売上予測をしていく必要があります。
とはいえ、誤差の少ない売上予測をすることは決して簡単ではありません。売上を左右する要因というのは数え切れないほど多く、場合によってはその要因が何か把握できない可能性さえあるのです。そのような中で、近年は「AIを活用した売上予測」が注目されています。今回は、AIを活用した売上予測の特徴やメリットについてまとめました。
在庫を適切に保つための「AIを活用した売上予測」とは?
スーパーやドラッグストアといった小売店では、期間限定のイベントやキャンペーンと謳って値下げをするケースも少なくありません。これは当然、集客力の向上を図ることや、値下げ商品以外の購買を図ることが目的になっているわけですが、「そのキャンペーンによって得られる売上はどれくらいなのか」といった部分まで綿密に計算できているケースは少ないのが実情です。
むしろ、担当者のこれまでの経験だけで決められることも多いため、「値下げした商品の売上だけが伸びて他商品の売上が落ちたため結果的にマイナス」というケースも多々あります。当然、一時的に集客力を高めることができても、店舗としての総売上を伸ばすことができなければ意味がありません。だからこそ、担当者の経験だけを頼りに売上予測を行うのではなく、過去のデータに基づいた「根拠のある予測」が必要になるのです。
そんな「根拠のある予測」を実現するために一役買ってくれるとして注目を集めているのが、AIを活用した売上予測です
これまで必要とされてきた「担当者の経験」はもはや必要なく、過去の蓄積されたデータだけで極めてスピーディに売上予測ができるようになったということです。当然、すべての小売店において売上予測を得意とする担当者がいるとは限りませんから、この部分をAIに任せられるようになることは、極めて大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
使い捨てカイロの売上予測で「誤差2個」を実現するケースも
また、九州でホームセンターを運営する株式会社グッディでも、AIを活用した売上予測によって一定の成果を上げることに成功しています。グッディでは、使い捨てカイロの販売予測にAIを導入したところ、算出された売上予測と売上の誤差がわずか2個だったといいます。
この売上予測の際にAIが行ったのは、ホームセンター全店舗の3年分の販売実績と気温の学習です。そして1日単位で売れ行きを予測したところ、誤差2個という結果を出したのです。
当然、このような形で売上予測の精度を高められれば、さまざまなメリットが生まれます。常に適切な量を仕入れることが可能になるわけですから、商品が劣化してしまうリスクも抑えられますし、在庫処分のための値下げ販売をする必要もなくなります。
そして何より、明確に「この量を仕入れれば良い」ということが分かっているため、発注業務の時間削減にもつながるのです。そのため、これまで発注業務に時間を費やしていた社員は別の業務に力を注ぐことができるようになり、さらなる生産性の向上が期待できるということです。
(参照:毎日新聞 グッデイ AIで商品発注 業務省力化、在庫減少へ)
非常に難しいとされる売上予測をAIが担う時代へ
先ほどもご紹介したように、小売業の売上予測は決して簡単なものではなく、人の経験を頼りに行われているケースも少なくありません。また、仮に一部の商品のみ正確な売上予測を立てられたとしても、それだけでは店舗全体の売上アップにつながらない可能性もあるのです。
仮に、商品Aの売上予測を正確に行えて、実際に売れ行きが落ちそうなタイミングで安売りを仕掛けることができたとします。その場合、商品Aの売上を伸ばすことはできますが、その商品Aの売上アップによって商品Bの売り上げが落ちてしまえば、結果的にマイナスになることもあるわけです。
だからこそ、それぞれの商品の「仕入れ値」や「売れ行き」の変動をしっかりと見極めた上で販売戦略を立てていくことが大切になります。したがって、大量の商品を抱える小売店がそれらをリアルタイムで行っていくには、やはりAIの力が必要不可欠と言えるでしょう。
つまりAIは、これからの小売店の売上を大きく左右すると言っても過言ではない存在なのです。
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