生成AI
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最終更新日:2024/04/04
デジタル化の時代、広告はマスからone to oneコミュニケーションへと移り変わっています。さらに昨今では、AIを活用して広告の効果をより高める事例も出ています。
今回は、AIの活用によって変わりつつある広告業界についてまとめました。
広告・マーケティング業界では、 CRM(顧客管理システム)、マーケティングオートメーション(MA)、ソーシャル分析、SEO(検索エンジン対策)、DSP(広告主・エージェンシー向けの広告購買プラットフォーム)、DMP(データマネジメントプラットフォーム)といったさまざまな手法・技術を組み合わせてその効果を高めようとしています。これらにAIによるデータ処理を組み合わせることで、より効果的なユーザーのセグメント分析が可能になるのです。
例えば、CRM(顧客管理)システムの大手、米国のセールスフォースが提供するAIエンジン「Salesforce Einstein(セールスフォース・アインシュタイン)」は見込み客のセグメント分析を通じて、コンバージョン(成約率)の向上を支援します。
Salesforce Einsteinのサービス比較と企業一覧を見る
さらにAIは広告のクリエイティブ面にもその能力を及ぼし始めています。実は、「クリエイティブな仕事のほうがAIに置き換えやすい」という言説もあるほどで、広告制作などもAIが請け負うケースが出始めているのです。
電通が開発したAIコピーライター「AICO」は、電通のコピーライターが考えた無数の広告コピーを学習し、新たなコピーをひねり出すAIです。
特定のキーワードをシステム上に入力すると、ものの数秒で100個ものコピーが生み出されます。もちろんAIはランダムに生成するので、人間の目から見たらおかしなものもあります。ただ、無数の候補の中から使えそうなものをいくつか選び、その中から人間がブレストして決定するという使い方は十分可能です。ただ、「AICO」には、自動生成したコピーの中から人間がピックアップしたものを学習していく機能もあるので、今後はコピーの精度がどんどん向上し、使えるものだけが生み出されるようになる・・・ということも考えられます。
また、電通では広告クリエイティブ(バナー画像などの広告素材)をAIで自動生成する取り組みも始めています。通常、クリエイティブの制作には無数の打ち合わせやデザイナーによる制作工程を経ていくつかの候補を絞り、ブレストして決定する・・・というプロセスを経ますが、AIであれば短時間で無数のクリエイティブを提案することが可能です。
これらは全て、大量のデータ学習というAIの強みを生かしています。一見クリエイティブに見える作業は、実は過去の作品の積み重ねという場合が多々あるため、大量のデータ処理に強みを持つAIほど「クリエイティブ」になれる可能性を秘めているのです。
広告の効果測定にもAIの活用が可能です。アメリカではすでに、ターゲットとなる層に広告を見せ、感情認識AIが表情の動きから対象者の感情を読み取り、広告が狙った効果を得られているかどうかテストする取り組みも始まっています。
また、デジタルサイネージにカメラと感情認識AIを搭載し、ターゲットの気分や性別、年代などに合わせた広告を配信するという使い方なども考えられます。
このように、one to oneコミュニケーションを目指す広告業界では、さまざまなセグメントでAIを活用する試みが行われています。より効果的な広告配信を目指し、ますますAIの活用が進んでいくことは間違いないでしょう。
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