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【画像認識AI技術の祭典】Embedded Vision AI Summitをナノオプト・メディア社の大嶋社長が現地レポート

最終更新日:2024/01/26

画像認識AI技術に関わる開発者やユーザーが集う専門イベント「Embedded Vision AI Summit」が5月22日から5月24日までの3日間、サンタクララコンベンションセンター(カリフォルニア州サンタクララ北部)にて開催されました。今回は株式会社ナノオプト・メディア代表取締役社長の大嶋 康彰氏の現地レポートの寄稿をお届けします。

Embedded Vision AI SummitはEdge and AI Vision Allianceが主催する画像認識AI技術に関わる開発者やユーザーが集う専門イベントで、2012年から開催されており既に10年の歴史を持っています。このイベントは、6月と11月に開催する画像認識 AI Expoの参考にしたモデルイベントでもあります。今回は1000人以上の来場者が集い、スタートアップから大手企業まで80社が画像認識AI技術に特化した展示を披露しました。​

 

​今回の催しは専門性が高いため、展示会場も各社が該当製品やソリューションを展示するスタイル。その分目当ての製品も探しやすくなっていました。チップメーカーはSTマイクロ、ARMをはじめHailoなど新興企業も展示しており、省電力、小型化かつハイパフォーマンスであるということが今回の訴求点として挙げられています。

加えて、自動車や交通分野に向けたユースケースも多く展示されており、ドライバーの状態をモニタリングするものや交通状況の確認など展示されていました。韓国企業の参加も目立っており、今回もトップスポンサーにDeep X社が名を連ねるなど、出展社の1割は韓国企業でした。是非、日本企業の参加も期待したいところです。

スタートアップ企業によるユニークな展示

今回のイベントでは約30社程度のスタートアップ企業が参加しており、ピッチコンテストなども行われていました。その中でいくつか興味深かったものを紹介したいと思います。

1.ドライブスルー自動化ソリューション​


ドライブスルー自動化ソリューションデモ​

まず紹介するのはGMAC Intelligence社によるドライブスルー自動化ソリューションです。GMAC Intelligence社が画像認識技術、AI、デジタルヒューマンアバターを用いたデモが行われていました。​

このドライブスルー自動車ソリューションは、車のナンバーや人の顔を認識・学習することで新規顧客かリピーターなのか判断し、オーダー場所ではデジタルヒューマンアバターが会話を担当し、リピート客であればお勧めや前回の注文内容などを提案したりするそうです。車社会のアメリカならではの発想で、注文の自動化ソリューションで人材効率化のユースケースとして面白い活用です。

​2.ミリ波レーダーを使った認識技術​


ミリ波レーダーを用いて鞄の中の金属を探知するデモ​の様子

続いて紹介するのは、ミリ波レーダーを使った認識技術​です。Qlairvoyance社は、画像認識技術の場合はカメラによる画像や映像を認識する技術が主流な中、ミリ波レーダーを使ったソリューションを展示していました。ミリ波レーダーはLiDAR技術同様に交通分野での利用は存在していますが、ミリ波レーダーからの反射を機械学習させることで人や物品の違いを検知させることができます。家庭内、工場、ビル内のソリューションとして提案されていたのがユニークなところであると感じました。

万が一火事が起きた時に建物内の映像が見えなくなった環境下においても、ミリ波レーダーを活用することで人や物の検知が可能になります。また、将来的には鞄の中の金属なども検知することも開発が進んでおり、警備系のソリューションとしての活用も考えられています。​

AIプロセッサに進出する企業も続々参加


左:Halio 15の展示 右:DEEPX社ブース  

イスラエルのAIプロセッサメーカー「Hailo」​は、3月に発表したスマートカメラ向けAIチップであるHailo 15を出展。​

Hailoは2017年に設立されたAIチップにフォーカスした、省エネ、ハイパフォーマンス、小型化、低価格で競争力を高めている企業です。イスラエルでは軍隊の情報系に所属していた元軍人が起業するケースがありますが、Hailoもその一つです。Hailo 15は、交通網や工場、商業施設など今や多くの箇所で設置されているカメラをよりスマートにするためのチップです。6月14日から16日に幕張メッセで開催される画像認識 AI Expoでも展示や講演が行われます。


DEEPX社のAIチップラインナップ​

DEEP Xは元APPLEのエンジニアのLokWon Kim氏が創業した韓国のAIチップメーカーです。

先述の通り今回のイベントのトップスポンサーをしているDEEPXは、AppleでiPhone、iPad、APPLE Watchに搭載している認証技術のデザインをリードしていました。AIチップDXシリーズの製造の他、自社開発チップを搭載したサーバなども展開していて、アメリカへの進出を開始し更なるグローバル展開を狙うアグレッシブな姿勢が見受けられました。

女性の活躍や交流を応援

会期初日はウエルカムレセプションということで、会場内にビールやワイン、おつまみなどを配布スペースがあり、来場者も出展社も気分を上げて会話を楽しむというスタイルで行われていました。セミナー会場ではWomen in Vision Receptionと題した、ユニークな業界内の交流イベントが行われていました。

余談ですが、会場にはラーメンの自販機​も設置されていました。残念ながら今回は主催者からランチの支給があったため、食べる機会がありませんでしたが、設置されていたのは1月のCESでも注目されたシリコンバレー発のフードテックベンチャー手掛けるラーメンの自販機Yo-KAIエクスプレスです。日本でも駅や高速道路のパーキングエリア、空港などで設置がはじまってるとのことですので、機会があれば召し上がってみてはいかがでしょうか?

Embedded Vision AI Summitをモデルイベントにした「画像認識 AI Expo」は2023年6月14日(水)~16日(金)に幕張メッセ(国際展示場 展示ホール4~7 / 国際会議場)で開催予定です。最新の画像認識AI技術を体験できますのでぜひ足をお運びください。

画像認識 AI Expoの詳細

AIsmiley編集部

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