生成AI

最終更新日:2024/04/04
AI・人工知能は、企業の業務だけでなく、私たちの生活に関わる部分でも多く導入され始めています。「AIと共存する社会」へと進みつつあると考えても決して過言ではないでしょう。そんな中、最近は犯罪予測や治安対策といった分野においてもAIが導入され始めている状況です。AIを活用することによって、実際に犯罪を予測し、防ぐことは可能なのでしょうか。今回は、AIを活用した犯罪予測についてまとめました。
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AI・人工知能の利用例を解説!機械学習を活用した身の回りの実用例
神奈川県警では、2018年1月からAIを用いた事件・事故の発生予測システムの導入を検討しています。このシステムを導入することで、連続発生した事件が同一人物による犯行なのかを分析したり、容疑者が次に取るであろう行動を予測したりすることが可能になるといいます。また、このシステムには、大量のデータをもとに自ら学習していく深層学習(ディープラーニング)が用いられているため、過去に起きた事件の内容や場所、そして地形や気象情報など、事件に関連する可能性のあるデータを大量に取り込むことが可能です。
ちなみに、アメリカ・シカゴ市警察では2017年から犯罪予測システムを導入しており、導入によって発砲事件が39%減少し、殺人事件が33%減少したといいます。神奈川県警では2020年度中の本格運用を目指している状況であるため、本格運用後の犯罪率の変化には大きな注目が集まるでしょう。
警察庁では、2019年度よりAIの実証実験を始めており、街頭犯罪の予測にもとづいてパトロールの巡回場所を変更したり、人混みでのテロを防いだりといった使われ方が進んでいくそうです。なお、この実証実験では主に「車両の判別」「マネーロンダリング」「大規模なイベント時の不審点発見」という3つのテーマが設けられています。
「車両の判別」では、防犯カメラからナンバーや車種、年式といった情報を洗い出し、防犯につなげていくことが目的となっています。「マネーロンダリング」では、過去の事例を学習させることで、金融機関からの届け出の中に「犯罪の疑いがあるもの」が含まれていないかどうかを振り分けていくそうです。そして「大規模なイベント時の不審点発見」では、犯罪者らが起こすであろう行動などのデータをもとに、スポーツ大会やコンサートなどの会場で監視カメラが不審点を自動的に抽出するといいます。
あくまでも実証実験の段階ではありますが、今後本格的にAIが導入されていく可能性は十分にあると考えられるでしょう。
このように、AIは犯罪予防や治安維持といった分野においても導入される可能性が高まりつつある状況です。しかし、必ずしもAIを導入することがメリットばかりというわけではありません。AIを活用した犯罪予測システムだけに頼り続けていると、冤罪を引き起こしてしまう可能性があるからです。
ここ最近は凄まじいスピードでAIの技術が発達しており、顔認証の正確性も極めて高いものになりつつあります。しかし、それでも100%の制度を実現できているわけではありません。犯罪予測は顔認証だけでなく、他にもさまざまなシステムを複合的に活用する必要があるため、顔認証よりも精度は低下することが予想できます。そのため、犯罪予測システムの結果だけを全面的に信頼するのは危険なのです。
ただし、日本と同じようにAIの実証実験を進めているイギリス警察は、「危険スコアが高いという理由だけで逮捕に至ることはない」という旨の発表をしているといいます。当然、日本においても同じことがいえると考えられますが、AIの提案をもとに行動するのは、あくまでも我々人間です。そのため、AIを活用する我々人間のリテラシーも求められることになるでしょう。
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