生成AI

最終更新日:2026/02/03
千葉大学 生成AIの利用実態調査
千葉大学 予防医学センターの中込敦士准教授らの研究チームは、「生成AI」の利用実態に着目し、日本全国のインターネットを利用している成人を対象とした大規模調査を実施し、その研究結果を公開しました。
このニュースのポイント
国立大学法人千葉大学 予防医学センターの中込敦士准教授らの研究チームは、「生成AI」の利用実態に着目し、日本全国のインターネットを利用している成人を対象とした大規模調査を実施し、その研究結果を公開しました。

生成AIは、文章作成や情報検索、学習支援、業務効率化など日常生活や仕事を大きく変える技術として急速に普及しています。しかし、これまでのデジタル技術同様、「誰が使えるのか」「誰が取り残されるのか」という「AI格差」が国際的に懸念されています。
本研究では、2025年1月に実施された18歳以上の成人13,367人を対象としたインターネット調査を用いて分析を行っています。過去一年間の生成AIの利用有無を把握するとともに、非利用者には「使わない理由」を複数選択式で確認しました。
生成AIを利用している調査対象者は、21.3%と約5人に1人の割合となりました。個人的要因として、18~54歳では75歳以上と比べ使用率が約1.4倍~1.7倍高く、男性は女性と比べて約1.8倍も利用率が高いことが判明しました。
社会的地位要因では、大学卒業者が約1.4倍、大学院修了者が約1.7倍、学生が約1.9倍、専門職が約1.6倍、都市部居住者が約1.3倍生成AIの利用率が高いことが分かりました。
資源的要因では、友人とのつながりが多い人が約1.1倍、ボランティア活動参加者が約1.2倍、中でもスマートフォンを毎日利用する人が約1.9倍、SNSを毎日利用する人でも約1.9倍とデジタル利用頻度が高い人ほど生成AIを利用していました。
また、デジタルリテラシーが高い人ほど利用率も高く、デジタル能力が生成AI利用を後押ししていることが示されました。

非利用者の回答として多かったものは「必要性を感じない」が39.9%、「使い方が分からない」が18.5%でした。さらに、本研究ではAIを使わない理由を統計モデルjoint analysisを用いて、年齢などの要因がどの理由と結びついているかを比較しました。
その結果、AIを使わない理由は世代やデジタルリテラシーのレベルによって大きく異なることが示されました。若い世代では、「魅力的なサービスがない」という理由が強く、中高年層では「使い方がわからない」「セキュリティへの不安」「利用環境が整っていない」といった理由が多くなりました。
また、男性は生成AIを「必要性がない」とは感じていない一方で、「魅力的なサービスがない」「品質への不安」が障壁となっている傾向がみられました。
さらに、デジタルリテラシーが低い人ほど、「使い方がわからない」「利用環境が整っていない」「従来の習慣や文化を変えられない」といった理由を挙げる傾向が示されました。
これらの結果から、生成AIの非利用は単なる「関心の欠如」ではなく、年齢や教育、デジタル環境に根ざした構造的な格差の表れであることが明らかになりました。
しかし、本研究では「生成AIの利用が原因でそうなったのか」などの因果関係までは明確にできておらず、生成AIの利用目的などは十分に評価できていません。
また、今回の調査はインターネット上で実施したものであり、普段からインターネットやデジタル機器をほとんど使わない人は対象に含まれにくく、実際の「AIを利用できる人・できない人の差(AI格差)」を小さく見積もっている可能性があります。
中込敦士准教授らの研究チームは、年齢やデジタルリテラシーのレベルに応じた支援策や、誰にとっても使いやすいAIサービス設計をすることで、「使えない不利益」を生まない包摂的なAI社会の実現が期待されるとコメントしています。
出典:国立大学法人千葉大学
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