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脳波とは?仕組みや測定方法を解説!ビジネスへの活用事例からAI解析まで紹介

最終更新日:2022/05/30

脳波×AI ビジネス活用事例

脳波という言葉を耳にすることがあっても、具体的にどんなものを指すのか知らない人も多いのではないでしょうか。

脳波とは、脳の活動によって発生した電気現象を記録したものです。今までは臨床の場面で活用されることがほとんどでしたが、最近ではAIに脳波の特徴を学習させ、人間の認識や判断を基にした新たな技術が生まれています。

この記事では、脳波とは何か、脳波の測定方法やその仕組み、ビジネスの活用事例からAI解析を解説します。

■脳波とは

近年、脳波という言葉が注目されるようになってきました。アルファ波やベータ波、シータ波など、健康や睡眠について語る際に脳波が触れられる場面と接した人も多いでしょう。

脳波は、外部からの刺激に反応して、脳内にある神経細胞同士があらゆる処理を行う際に発せられる電気信号です。1875年にイヌ、ウサギ、サルから記録することに成功し、1920年に人間から測定することが可能になりました。

従来では、臨床の場で活用されることが多かった脳波。CTやMRIの出現で形態学的な診断が優先される場面が増えましたが、近年は以下の病状診断に活用されています。

  • 脳梗塞や脳腫瘍などの脳血管障害
  • てんかんなど発作性意識障害
  • 頭部外傷による中枢神経異常や薬物中毒に伴う意識障害を

上記のような病気の診断には必要不可欠で、脳機能を調べられるのが特徴です。

■脳波が発生する仕組み

ここで、脳波がどのように発生するのか具体的に見ていきましょう。

人間の脳には1000〜2000億個もの脳神経細胞があるといわれています。神経細胞はニューロンと呼ばれ、外部から刺激が入ってきた際、電気を発生させて他のニューロンに電気信号を使って情報伝達を行うのが特徴です。

ニューロンの構成は、樹の枝のようなものを張り巡らせた「樹状突起」と、細胞核のある「細胞体」、そして樹状突起のない「軸索」です。電気信号の送受信は樹状突起で行われ、軸索を通り、樹状突起を通じてまた別のニューロンへと信号を送ります。

この電気信号の伝達が脳波として記録されるのです。

■脳波の分類

ここで、脳波の種類を見ていきましょう。それぞれの特徴的な周波数によって精神状態や健康状態がわかるといわれています。

名称 周波数 分類 心理状態
ガンマ波 30-70 Hz 速波
(fast wave)
非常に集中した状態、興奮状態
ベータ波 13-30 Hz 速波
(fast wave)
活発な思考、集中状態
アルファ波 8-13 Hz リラックス、覚醒、目を閉じた状態。
目を開き、精神活動を行うと減衰する。
シータ波 4-8 Hz 徐波
(slow wave)
眠気、深い瞑想状態
デルタ波 <4 Hz 徐波
(slow wave)
徐波睡眠

脳波に関しては、まだ未発見のものが多くあります。2019年にはガンマ波による刺激でアルツハイマーの原因物質が減るという研究結果が出て話題を呼びました。従来、ガンマ波は指揮者がオーケストラを指揮したり、僧侶が瞑想したり、非常に集中をした時に発せられると考えられていたので大発見です。

■脳波検査とは

脳波の検査はどのように行うのでしょう。具体的に何をするか見ていきましょう。

まず、頭全体に皿電極を22個、首または肩に筋電図用の皿電極を2個、さらに呼吸を調べるレスピレーターを装填するところから始めます。ここで、電流を体に流すのではないかと不安になる方もいますが、あくまでも電気活動をキャッチするものなので危険はありません。

静かな環境で、覚醒した状態で、目の開閉を行い、目に光の刺激を与え、深呼吸をし、20分ほど覚醒脳波を記録します。その後、睡眠時の脳波も記録し、検査は終了です。

安静覚醒時、閉眼時の脳波をチェックすることで、脳の活動状態が判明します。

■脳波の判定

ここで、実際に脳波の判定がどのように行われるのかを具体的に見ていきましょう。

脳波検査では、脳波がアルファ波、ベータ波、シータ波、デルタ波に分類され、持続的で全体的な脳の活動を見ていくと共に、突発的に現れる周波数や波形パターンを分析します。
このパターンから、てんかんの新台、痙攣や意識障害の評価、睡眠異常が判明するのです。

では、正常・異常はどのような基準で診断されるのでしょうか。

●正常脳波

アルファ波の律動は、だんだん増えたり、減ったりする規則的で特徴的な動きをするので、脳波を調べる際、基本的にアルファ波の脳波を中心に見ていきます。

正常脳波の場合、脳波を覚醒した状態、リラックス時、閉眼状態で記録すると、通常、周波数が10Hz前後のアルファ波が50μVほど振幅するのが特徴です。小さくなったり大きくなったり、潮の干潮のように出現し、後頭部を中心に左右対称に脳波が記録されます。

振幅は少しの刺激でも変わりやすいので、緊張状態が強い状態で検査した際、20μVほどの低い振幅を記録することもありますが、正常脳波の範囲内です。

●異常脳波

脳波が左右非対称だったり、シータ波の活動が一つの脳部位のみに出現するなど、一般的な活動と違う脳波が記録されると、異常脳波とみなされます。

具体的に診断されるのは、以下の脳波異常です。

・てんかん性脳波
棘波、鋭波、棘徐波複合体など、通常と波形が異なる異常波が現れます。異常波が出ていない間は不規則な徐波が現れ、背景脳波が乱れるのが特徴です。

・脳炎
徐波が急性期に現れ、徐々に改善する。

・器質性能障害(脳血管障害、頭部外傷による脳損傷、脳腫瘍など)
脳波異常が徐波などとなって現れる。

・意識障害
障害の程度に応じて徐波が出現する。

・脳死
脳波が全誘導で平坦化する。

■脳波のAI解析とは

脳波は解析が難しく、多くの経験を伴うといわれています。そのため、脳波解析は広く採用されない実情がありました。しかし、AIによって脳波解析を行う技術が登場し、その認識が覆されつつあります。

脳波は、人間の活動を詳細に調べることができる反面、無限に波形パターンが存在する分、人間の力で解析するには限界があります。脳波は周波数解析で読み取るのが一般的ですが、環境の変化や設備などによって著しく結果が変化してしまうのが、解析の困難さを助長しているのです。

しかし、AIを導入することによって「うれしい」「悲しい」などの微細な心理状態の脳波パターンを蓄積することが可能になり、人間の活動と脳波の結びつきを解明できるといわれています。多くの脳波データを蓄積するほど、脳波を計測するだけでその人の状態を詳細に診断することが可能になるでしょう。

高度な脳波のAI解析を行うためには、良質なデータを収集する技術も必要となりますが、今後大きな発展を遂げる分野といわれています。

■脳科学の知見をビジネスに活かすブレインテックとは

ブレインテックとは、Brain(脳)とTechnology(技術)を融合させた造語です。ITと脳神経科学を融合させた技術で大きな注目が集まっており、脳神経科学の研究結果をもとに、イスラエルや欧米などで新しいサービスが次々と開発されています。

例えば、2018年にアメリカのフィリップ社が発表したヘッドフォン型の睡眠改善機器「SmartSleep」は、睡眠の深さを脳波によって特定し、深く入眠した際、より深い睡眠へ誘導を可能にしました。

■ブレインテックの市場規模

新商品が次々と登場するなか、イスラエルや欧米の企業が新たなサービス開発に取り組んでおり、ブレインテックの世界市場は2024年には5兆円に及ぶといわれています。ユニコーン企業が2016年の時点で150社以上あり、今後さらに増えていくでしょう。

ブレインテックには投資も盛んに行われています。Facebook社は自社の研究所でBrain Machine Interfaceと呼ばれる、脳波でPCを操作するインターフェースを開発中です。手入力なしで脳からコンピューターへ直接インプットできることを目指しています。

また、テスラ社の創業者、イーロン・マスク氏が経営するNeuralink社は、テレパシーの実現を目指して100万個の神経細胞とコンピューターの同時接続をすべく、約30万米ドルを投資しています。

■ブレインテックが注目される理由

2013年のアメリカで、当時大統領だったオバマ氏が「The Brain Initiative」という宣言を行い、脳神経科学プロジェクトに着目し、3億米ドルもの予算をつけました。以降、脳の構造、機能、情報処理の全解明に乗り出し、多くの企業によって研究が進められています。

またイスラエルは、2012年にIsral Brain Technologiesという非営利団体をペレス前首相が設立し、以降、国家的プロジェクトとしてブレインテックに力を注いできました。

さらに、脳波が簡易に計測できる機器が登場したことによって、消費者向けのサービス開発が盛んになりました。従来は医療用途でしたが、今や脳波計・脳波解析はコンシューマー向けとなり、AI技術の進化も伴って今後より具体的に「脳とつながる」サービスが登場するでしょう。

■脳波を活用した取り組みの事例

これまで医療の現場を中心に活用されてきた脳波ですが、脳波はさまざま用途で活用されるようになっています。

日頃の健康管理やヘルスケア、考えただけでマシンを動かす「ブレインマシーンインターフェース」、人の無意識に訴えかける「ニューロマーケティング」などさまざまな取り組みが行われています。

最新の取り組みを見ていきましょう。

●医療・ヘルスケア

ブレインテックは、医療やヘルスケア業界で広く活用されています。

日本のPGV社は、パッチ式脳波計を用いた睡眠解析サービスを提供しています。冷えピタのような手のひらサイズの電極シートをおでこに貼るだけで、睡眠中の脳波計測ができます。脳波データをAIが解析し、詳細な睡眠調査も可能になりました。学術研究機関や企業の研究開発部門にも提供実績があり、脳波に関する今後の発展が期待されています。

カナダのInteraXon社が発売している簡易型の脳波計「Muse」は、自分の脳波を簡単に測定でき、値段も3万円と手頃な価格です。Museは、発達障害(ADHD)の治療アプローチの一つ、ニューロフィードバックに使用されています。

また、カルフォルニア大学サンディエゴ校とアイルランドの企業が共同開発した、ダイエットを成功させるヘッドフォンも注目のサービスです。こちらのヘッドフォンは、脳の視床下部に直接働きかけ、体重を調整するという革新的な発明であり、80%のユーザーが食事制限や運動をしないで体重が減少するという結果がでています。

●BMI(ブレイン・マシーン・インターフェイス)

BMI(ブレイン・マシーン・インターフェース)はキーボードを使わずに、頭の中で考えたことがそのまま入力できたり、マシンを動かしたり、意志を機械に伝えられる技術です。

さらに、脳に直接、機械がキャッチしたセンサーを入力して視覚として再生する技術も同じくBMIに含まれます。

解剖学や生理学、行動学、薬理学、分子生物学などがベースになって開発されており、将来的にリハビリや脳トレなどにも役立つといわれています。これまでも、運動器官に障害がある方が使うロボットアームや車椅子を動かす研究なども進められてきました。

アメリカのFacebook社がカルフォルニア大学と共同開発したBMIは、1分間に300もの単語をエラー率3%で高速入力できたそうです。

さらに、イーロン・マスク氏はAIの能力拡張と共に、人間の能力を向上させようと、BMI事業に多くの投資を行っています。人間と脳が直接的につながることで、ストレスなく機械を操作できるようになるだけでなく、新たな技術革新を起こす可能性もあります。

アメリカだけでなく、西欧やイスラエル、中国が積極的にブレインテックの研究・開発に取り組んでいます。また、日本も脳科学研究推進戦略プログラムを実施。ブレインテック業界は今後、世界的に大きく発展していくでしょう。

●ニューロマーケティング

ニューロマーケティングは、従来のアンケートや聞き取り調査など主観的な調査に加えて、脳波や視線の動きなどを記録したものをマーケティングに応用する概念です。

脳波や視線の動きは、無意識にある感情の変化などを把握するので、商品の本質的な価値を提案できるといわれています。無意識下にある感情を可視化することによって潜在的なニーズを特定し、「感情の変化」をデータにし、それを客観的に評価できるのが強みです。

これまで、商品の価値は主観的な意見に基づいて判断されてきましたが、ブレインテックの発展によって、客観的で、かつ人間共通の価値観を参考にできるようになるといわれています。

ニューロマーケティングで採用されている調査方法の代表として、アイトラッキング、表情認識、fMRIがあります。アイトラッキングは、人がどこに視線を集中し、いつ視線を動かしたかを記録することが可能です。

表情認識は目や唇の動きなどから、その人がどのような表情であるか化学的に推定し、どんな広告が面白いと思っているのかを分析します。

そしてfMRIは、脳の神経活動を可視化、反応を測定して、人の無意識的な感情を分析するのが特徴です。広告効果を測定する高精度な方法という研究結果もあり、今後強みを発揮する技術だといわれています。

■脳波をビジネスに活用しよう

これまでは、時間や技術力、資金がかかるといわれていた脳波計測・解析ですが、技術革新とともに身近になってきました。これから脳波を研究開発に活用して新しいサービスを展開する企業がどんどん増えていくでしょう。

手軽に、低コストで脳波計測と解析を行いたい方は、自身で手軽に実施できる脳波AI解析クラウド「NAIS Entry」がおすすめです。これまで特定活動による影響度や有効性、製品やサービスの評価検証、さらに脳神経疾患の研究開発などに使用された実績があります。

トライアルから始められるので、興味がある方はぜひご相談ください。

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AIsmiley編集部

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