AIを活用した営業で顧客を増やしていくには?システムの種類やメリットを解説
最終更新日:2024/03/13
近年は、サービスの品質向上や業務効率化など、さまざまな目的でAI(人工知能)が活用され始めています。それは営業活動も例外ではなく、「人手不足を補いながら、効率化と成果を高めることができる」という点で、多くの企業に注目され始めているのです。
では、今後AIの技術がさらに発展していった場合、営業職の仕事はすべてAIが担うことになるのでしょうか?営業職の人からすれば「AIに仕事を奪われてしまうかもしれない」と不安に感じるかもしれません。
そこで今回は、営業活動におけるAI活用のメリット・デメリットや、AI技術の発展によって生じる営業担当者への影響などをご紹介していきます。
AIの活用事例について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能の利用例を解説!機械学習を活用した身の回りの実用例
営業職の仕事はAIでなくなる?
近年はさまざまな分野、職種でAIが導入され始めていることもあり、「AIに仕事を奪われてしまうのではないか」と不安に感じる人もいるのではないでしょうか。実際、オックスフォード大学でAI研究を行っているマイケル・A・オズボーン准教授は、2014年に論文で「今後10年から20年ほどで、米国の総雇用者の約47%の仕事が機械によって自動化されるリスクがある」と発表しており、少なからず「仕事が奪われるリスク」が生じている状況なのです。
その論文発表から8年が経過しようとしていますが、実際に最近では「セルフレジの導入」「AIによる工場の異常検知」「AIを用いたセキュリティ強化」など、さまざまな分野でAI導入が進められています。その波は営業職にも訪れており、例えばECサイトでは「AIを活用した顧客一人ひとりへのレコメンド」なども一般的になりつつある状況です。そのため、今後もAIが活躍の場を広げていく可能性は高いといえるでしょう。
ただし、営業職の業務すべてをAIに奪われてしまうのかといえば、決してそのようなわけでもありません。AIにも「得意とする分野」「苦手とする分野」が存在するからです。AIを活用するためには、教師データを用意した上でAIに学習させなければなりません。すべての業務がその「データ」を活用することで成り立つわけではないため、人が担当したほうが良い成果を得られる業務も多く存在するのです。
それこそ、営業職においては取引先との信頼関係が重要となるケースも少なくありません。人とのコミュニケーションは、やはりAIよりも人間のほうが得意であるため、今後も「人間にしか担当できない業務」は存在し続けるでしょう。
営業活動におけるAI活用とは
今後、営業職の業務すべてがAIに奪われる可能性は低いですが、AIとの相性自体は良いといわれています。そのため、営業活動においてもAIを有効活用していくことが重要になるでしょう。
たとえば、営業支援システムにAIを活用することで、さらなる業務効率化が期待できます。営業支援システムでは、主に「顧客管理」「案件管理」「商談管理」「売上予測」「行動管理」などが行えるため、蓄積されたデータをもとに分析・予測を行うことで、業務効率化や生産性向上のヒントを得られるのです。
これまでにも、顧客や案件をシステムで管理するという手段は存在していましたが、そこにAIが加わることで「システムからの提案」が受けられるようになります。AIの最大の強みは「自動で学習していくこと」なので、日々蓄積されるデータを分析・予測し、現状の課題を可視化しやすくなるというメリットがあるわけです。
AI搭載営業支援システムの種類
AIを搭載した営業支援システムには、さまざまな種類が存在します。そのため、自社が解決すべき課題を明確にした上で、最適なシステムを選択することが大切です。ここからは、代表的なAI搭載型営業支援システムの種類について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
営業計画
営業活動を効率的に進めるための「計画」をサポートする機能が備わったシステムです。たとえば、これまでに交換した名刺情報を管理しておくことで、「まだ会えていない人の可視化」を行うことができます。
また、あらかじめ条件を設定しておくだけで、「どのようなアプローチが営業の一歩目として最適化」を明確化することも可能です。名刺情報の管理や、シナリオ作成といった機能が搭載されているシステムを活用すると、より効率的に営業計画を立てられるでしょう。
営業活動・顧客対応
営業活動や顧客対応をサポートする機能が搭載されたシステムのことです。たとえば、訪問した日や営業内容を記録できるシステムであれば、営業担当者の商談管理をスムーズに行えます。
スケジュールやプロセスの管理をシステム上で行えるようになれば、クローザーやマネージャーとの共有も行いやすくなるため、情報共有のトラブルが生じるリスクも抑えられるでしょう。
評価・改善
営業データの入力機能や日報作成機能などを搭載したシステムのことです。さまざまなデータ入力や、日報作成が効率化されることで、営業担当者はさらにコア業務へ集中することができます。そのため、生産性向上が期待できるでしょう。
また、さまざまなデータがシステムに集約されることで、案件ごとの評価や分析も行いやすくなるため、評価や改善点の可視化も行いやすくなるというメリットがあります。
なお、以下の記事では、SFA(営業支援システム)とCRMの違いや、AIを活用することで生まれる可能性について詳しくご紹介していますので、ぜひこちらも併せてご覧ください。
AIを活用した営業のメリット・デメリット
営業にAIを活用すると、さまざまなメリットを得ることができます。その一方で、あらかじめ把握しておくべきデメリットがあるのも事実です。ここからは、AIを活用した営業のメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。
AIを活用した営業のメリット
人の作業時間を削減
近年の少子高齢化に伴い、人手不足が大きな課題となり始めている企業も多いでしょう。そのような中でも、AIを活用すれば営業活動の効率化が期待できるため、「従業員一人ひとりの作業時間削減=負担軽減」に繋げられるのです。
働き方改革が進められる現代において、従業員一人ひとりの負担が増加してしまうと、さらに離職率を高めてしまうリスクもあります。業務効率化を実現することは、企業としての魅力(ブランド力)を高めることでもあるため、より優秀な人材を雇用しやすくなるわけです。
そういった好循環を生み出す上でも、AIの活用によって作業時間を削減することには大きな魅力があるといえるでしょう。
人間しかできない仕事に時間をかけられる
AIを活用することによって、「AIに任せられる業務」と「人間にしかできない仕事」を明確に分けられるようになります。これまではすべての業務を人間が担当しなければなりませんでしたが、AIを活用すれば「人間にしかできない仕事」だけに力を注げるということです。
それこそ営業活動であれば、AIには任せることのできない「顧客とのコミュニケーション」もより丁寧に行えるようになるため、さらに信頼関係を深めやすくなるでしょう。
データドリブンな営業が可能に
AIを活用すれば、データに基づいた効率的な営業活動が行えるようになります。蓄積された過去のデータや顧客リストを活用することで、AIが「成果に繋がりやすい営業方針」を提案してくれるため、営業の品質と効率を同時に高めていくことができるのです。
そのAIの提案は、効率的に営業を進めるための方針にも直結していくため、営業チーム全体の底上げにも繋がっていくでしょう。
AIを活用した営業のデメリット
導入コストがかかる
AIを活用することのデメリットの一つとしては、導入コストがかかってしまう点が挙げられます。AIを導入するためには、予測・分析を行うための教師データが欠かせません。大量のデータを収集するための時間・コストがかかってしまうことは、あらかじめ把握しておく必要があるでしょう。
また、AIの精度を維持・向上させるためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。そのメンテナンスにコストがかかることも把握しておく必要があります。とはいえ、適切な戦略でAIを活用すれば、コスト以上の成果に繋げられる可能性も十分にあるため、一概にデメリットと捉える必要もありません。
運用・保守が必要
先ほどもご紹介したように、AIを活用するためには定期的なメンテナンスが必要です。そのため、AIに関する知識を持った担当者が適切に運用・保守しなければなりません。運用・保守を専門とした担当者を雇用する必要がある点は、デメリットの一つといえるでしょう。
ただし、最近では導入から運用・保守までを任せることができるサービスも多くなってきています。AIの専門知識を持った担当者を雇用するのが難しい場合には、それらのサービスを活用するのも一つの手段といえるでしょう。
AIの精度が高いとは限らない
AIは、蓄積されたデータの量と質によって精度が決まります。そのため、データの質・量が悪ければ、AIの精度も低くなってしまうということです。
「AIを導入すれば簡単に業務効率化を実現できる」というわけではなく、データの質と量を高めるための努力が必要になることは、あらかじめ把握しておく必要があるでしょう。
AIリテラシーが必要
AIを活用し、成果へと繋げていくためには、やはりAIに関する知識が欠かせません。そのため、従業員一人ひとりがAIに関する知識を持つことが大切になります。
AIに関する知識がない状態では、情報共有をスムーズに行えなくなってしまう可能性も否めません。スムーズに情報を共有し、企業全体の生産性を高めていくためにも、AIの知識を深めていく機会を設ける必要があるでしょう。
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今回は、営業支援システムの種類や、営業活動にAIを活用するメリット・デメリットなどをご紹介しました。営業の仕事すべてをAIに奪われる可能性は低く、「人間にしかできない仕事」は今後も残り続ける可能性が高いことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
とはいえ、今後はAIの導入が広がっていく可能性が高いため、AIに関する知識は欠かせないものとなるでしょう。この機会にAIの知識を深めながら、業務効率化や生産性向上に繋げてみてはいかがでしょうか。
なお、以下のページでは、営業活動を支援するAIサービスについて比較検討できる資料を無料でお配りしています。営業支援サービスの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご活用ください。
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
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