AIがFXを予測!?仕組みやツールを解説
最終更新日:2024/04/04
近年、AI・人工知能技術の進歩に伴い、さまざまな業界でのAIの導入が進んでいます。一見、AIとは関わりのなさそうな農業や水産加工といった業界においてもAIが活用されるケースは増えており、私たちにとって非常に身近な存在になりつつあるのです。
そんな中、FX(外国為替相場)の予測にもAIが活用され始めているのをご存知でしょうか。米ドルやユーロ、豪ドルといった通貨の変動を予測し、投資家の売買や資産運用をサポートするというサービスが提供され始めているのです。
今回は、このAIを使ったFXの予測がどのような仕組みなのか、また投資家に取ってどのようなメリットなどがあるのかを詳しく見ていきましょう。
そもそもFXとは何か?
どのようにAIがFXの予測を行っているのかをご紹介する前に、「そもそもFXとは何なのか」ということを押さえておきましょう。
FXとは「Foreign Exchange」を略した言葉であり、日本語では「外国為替証拠金取引」と呼ばれています。例えば、「日本円→ユーロ」「日本円→豪ドル」といったように、通貨の買い・売りによって発生した差額によって利益を得る取引のことを「FX」と呼ぶわけです。
海外旅行へ行く際の換金をイメージしていただければ分かりやすいでしょう。例えば、アメリカへ旅行に行く場合、当然アメリカでは日本円を使用することができませんので、出国前に日本円を米ドルに両替する必要があります。その出国前のレートが「1ドル=105円」だったとしましょう。その後、アメリカから帰国して米ドルを日本円に換金した際のレートが「1ドル=110円」であれば、日本円で5円(110円−105円)の差額が多く手に入れることができるのです。ですから、仮に帰国時に1,000ドルを換金したのであれば、5円×1,000ドル=5,000円を得したことになります。この仕組みを利用した取引が「FX(外国為替証拠金取引)」なのです。
(参照:じぶん銀行 FXってなに? | はじめてのFX)
(参照:じぶん銀行 マンガでわかるFX)
FXの予測を行う上で重要となる2つの分析方法
FXを行う上では「どのような値動きを見せるか」の予測が必要不可欠となります。その際に、多くの人が用いている分析方法が「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」です。
テクニカル分析は、チャートに表示されている過去の値動きに対して、統計や集団心理といった観点からアプローチを加えて将来の値動きを予測していきます。一般的には、チャートの方向性を示すトレンド系や、相場の勢いや持続性などを示すオシレーター系のテクニカル指標が多く用いられる傾向にありますが、テクニカル分析においては「ダマシ(相場がまったく逆の方向に進むこと)」が起こることも少なくありません。
そのため、分析を行う人の経験的洞察によって見方が大きく異なるケースがあるのも特徴です。
一方のファンダメンタルズ分析とは、世界各国の政治、経済、金融の状況をみて、通貨ペアのパワーバランスがどのように変化していくかを予測するという分析方法です。ベースとなる統計としては、政策金利や経済指標、そして要人の発言などが挙げられるでしょう。
主な経済指標に関してはあらかじめ発表される日時が決められているため、中長期的なトレンドの判断を行うことが可能です。また、経済指標に関してはあらかじめ予想が発表されているので、その予想の範囲内であれば相場に大きな影響を与えることはないといえるでしょう。ただし、予想の範囲を超え、発表後に要人のサプライズ発言があったりすると、相場が大きく変動するケースも多くなるため注意が必要です。
このように、FXの予測には「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」の2種類が存在するわけですが、最近ではAIを活用してFXの予測を行うアプリやツールも多く登場しています。どのような仕組みなのか、より詳しくみていきましょう。
最近ではFXの予測を行うアプリやツールも多く登場
現在のFXは数千円から取引を始めることもできるなど、初心者でも始めやすい環境が整いつつあります。さらにFXの取引をサポートしてくれる存在として、AIを活用した予測ツール(アプリ)を提供しているFX会社も多くなってきています。
例えば、KDDIと三菱UFJ銀行の共同出資によって設立されたインターネット銀行の「じぶん銀行」では、FX取引専用のアプリに「AI外貨予測」という機能が搭載されています。このAI外貨予測は、過去の為替の変動データをAIが学習し、その学習データをもとに数時間後~数日後の為替変動を予測するというものです。
これからFXを始める方や、FXを始めたばかりの方の中には、購入のタイミングなどが分からないという方もいらっしゃるでしょう。そのような場合でも、誤ったタイミングでの購入を避けるための一つの手段として活用していくことができるわけです。
なお、じぶん銀行のアプリで利用できるAI外貨予測では、米ドル、ユーロ、豪ドル、NZドル、ランドの5通貨の分析や予測を行うことができます。各通貨の短期~中期の変動予測(1時間以内、1営業日以内、5営業日以内)を行い、その結果をアイコンなどによって分かりやすく表示するという仕組みです。
とは言え、AIが予測を行ってくれるとしても、肝心の的中率が低いようでは意味がありません。「AIという言葉だけで信用するのは危険なのでは?」と思われる方も多いのではないでしょうか。しかし、じぶん銀行では「AI外貨予測」の的中率についても発表しており、2019年6月時点では70パーセントの的中率を実現しているのです。
また、そんな高確率の予測を最大限活用するための機能も充実しています。じぶん銀行のアプリでは、米ドル、円などの高騰が予測される場合のアラート通知機能が備わっているため、AIが推奨する取引のタイミングを逃さないようにすることが可能です。
(参照:BITDAYS FXの相場予想ができるAIツール・アプリ・ブログを紹介!)
(参照:じぶん銀行 AI外貨予測 | 外貨預金)
(参照:じぶん銀行 じぶん銀行のAI外貨予測)
AI外貨予測は音声サービスにも対応
さらに、じぶん銀行のAI外貨予測ではAmazon Echoなどの「Alexa」が搭載された機器にも対応しているため、音声でじぶん銀行の操作を行うこともできます。例えば、CMなどで見かけるシーンのように「為替情報教えて」と話しかけるだけで、そのときの為替情報を音声で知ることが可能です。また、「AI外貨予測して」と話しかければ、先ほどご紹介したAIによる外貨予測を音声で知ることもできるのです。
ほかにも、口座残高の確認をすることができたり、FX以外でもスポーツくじの「BIG」におけるキャリーオーバー額や販売期間、大安吉日を確認することができたりします。こういった機能は、AIが活用されているからこそ実現できていることに他なりません。
(参照:じぶん銀行 AI外貨予測 | 外貨預金)
SBI FXトレードでは「AIチャット」サービスを提供
(参照:AIチャット | SBI FXトレード)
ちなみに、SBI FXトレードでは、忙しくてなかなかコールセンターに問い合わせることができないというユーザー向けに、AIチャットによる情報提供サービスを用意しています。これは、チャット画面で指定の為替レートを入力した後に、「レート」「値段」を入力すれば、現在のレートをAIが自動で回答してくれるというもの。たとえば、「いまのポンド円の値段は?」と入力すれば、ポンド円のレートをAIが回答してくれるわけです。
また、「ドル円の予測」と入力すれば、AIがテクニカル分析に基づいた今後の予測を回答してくれるという機能も備わっています。これらも、AIが活用されているからこそ実現できている機能といえるでしょう。
FXはリスクを伴うことも理解した上で、AIツールを活用しよう
ここまでご紹介してきたように、FXの分野においてもAIが活用され始めている状況であり、その精度も比較的高いものといえます。しかし、的中率は決して100パーセントではないことをしっかりと把握しておくことが大切です。必ずしも利益を得られるとは限らず、場合によっては損失が生まれる可能性もあることを事前に理解しておくことが重要です。
また、そのようなリスクはAI活用の有無にかかわらず、FXには必ず伴うものであることも事実です。そのため、より有効な取引を行うための手段のひとつとしてAIツールを活用していくことと一緒に自身のFXの知識を深めていくことも重要です。
AIは、過去の蓄積されたデータをもとに、未来の予測を行っていく作業を最も得意としています。その事実を踏まえれば、FXにおいても「今後ますます予測の精度が向上していく可能性は高い」といっても過言ではないでしょう。
特にこれからFXを始めようとしている方や、まだFXを始めたばかりで知識量が少ない方などの中には、「何を取引の判断材料にすれば良いのかも分からない」という方も多いかと思います。そのような方が、「判断材料のひとつ」としてAIツールを活用するのは効果的な活用方法と言えるはずです。
じぶん銀行のように、的中率70パーセントという高い的中率を実現しているツールも存在していますが、「100パーセント的中する予測ではない」という前提のもと、FXの取引にAI予測を活用してみてはいかがでしょうか。
(参照:MUFG Innovation Hub ビッグデータと画像認識技術で為替相場を高い確率で予測する「AI外貨予測」)
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