生成AI
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最終更新日:2024/04/04
第4次産業革命やAI・人工知能などのデジタル技術が発展する中、知財に関する考え方も変わりつつあります。AI時代の知財をどう考えるのか、最新の動向をまとめました。
AIというと、ロボットが自ら考えてなんでもこなせるように思われがちかもしれません。しかし、実体は大量のデータ(ビッグデータ)を機械学習によって積み重ねていくことで、精度を高めているのです。そのため、AIの発達には「データ」がキーワードになります。
各社それぞれ技術開発でしのぎを削っていますが、他社との連携深めるため、データや技術の「オープン化」と「クローズ化」がカギになります。従来であれば技術はすべて社外秘でクローズドとなっていたところのうち、情報連携を強めるために、ある程度の部分をオープン化する必要に駆られるようになります。そのため、どこをクローズドにしてどこをオープンにするか、また、オープンにする部分について知財の取り扱いを精査する必要があるのです。
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例えば、自動車メーカー各社が開発に注力する「コネクテッドカー」。カーナビシステムから自動運転まで、デジタル技術で制御された車のことです。米IT大手のGoogleが自動運転車の開発に参入しているように、今後は自動車メーカーや部品メーカーの枠組みを超えた、デジタル産業との協業も必要になるでしょう。一般的に、ステークホルダーが多くなればなるほど、知財の取り扱いは難しさを増します。また、日本は極度に個人情報やプライバシーについて厳密な取り扱いを求める社会でもあります。
昨今、医療現場などで収集したデータを分析し、医学の進歩に寄与すべきだという考え方もあります。例えば、本人を特定できない形でのバイタルデータや病歴、治療歴などの医療情報や金融情報などの取り扱いはよしとするのか、それともすべてのデータを個人情報としてクローズドに扱うべきなのか。IoT、AI、ビッグデータと技術が進展する中で、データの取り扱いについて社会全体でのコンセンサスを醸成する必要が出てくるでしょう。
もうひとつの興味深い論点は「AIが創作した成果物の著作権はどこに帰属するのか」という問題です。米IT大手のマイクロソフトとオランダの金融機関 ING グループ、レンブラント博物館、デルフト工科大学などが2016年、AIを使ってバロック時代の有名画家レンブラントの「新作」を発表したことが話題を呼びました。レンブラントの全作品を分析し、タッチや筆遣い、レイアウトの特徴、絵の断面の凹凸や絵の具の厚みまで、詳細にAIに記録させました。
そうした分析の中、もっともレンブラントらしく見えるモチーフとして選ばれたのは人物画。大きな襟のついた服を着た白人の中年男性です。レンブラントの画風を再現すべく、人物の顔パーツの比率も分析。コンピューターが500時間かけて描き上げた肖像画は、レンブラント本人が描いたと言われても信じてしまいそうなほど、緻密で完成度の高いものでした。
しかしこの絵画、いくらレンブラントの画風にそっくりと言っても作者は「コンピューター」なのです。現行の法律上、著作物とは「思想・感情を創作的に表現したもの」とされているため、自ら思考や感情を持たないAIによる創作物に著作権は発生しないという風にも考えられます。ただ、AIが創作した成果物に対する著作権については、現状さまざまな議論が交わされています。
AIが人間の知能を凌駕する「シンギュラリティ」の到来についてもさまざまな見方がありますが、AIが人間を超える知能を持ち、自ら思考力や感情を獲得することがあれば、AIの創作物にも著作権が発生するのかもしれません。
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