AIコンサルティングの選び方は?代表的な会社や無料AIコンサルを紹介
最終更新日:2024/01/30
第三次AIブームと呼ばれる昨今、さまざまな業種の企業が積極的にAI(人工知能)を導入し始めています。ただ、すべての企業がAIに関する専門知識を有しているわけではないため、AIコンサルティング(以下AIコンサル)を活用することによってスムーズな導入・活用を実現しているケースも多くなってきているのです。
AIコンサルとは、AI活用に関するアドバイスや提案を行うことを指し、AIコンサルを行う人材はAIコンサルタントと呼ばれます。
では、そんなAIコンサルを利用する場合、どのようなポイントに着目して選べば良いのでしょうか。今回は、AIコンサルの代表的な会社や、その選び方などを詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能とは?定義・歴史・種類・仕組みから事例まで徹底解説
AI・人工知能についておさらい
AIとは、「Artificial Intelligence」を略した言葉であり、日本語に訳すと「人工知能」となります。人間の脳で行っているような作業をコンピューターが同じように模倣し、自然言語を理解したり、論理的に推測したり、経験に基づく学習を行ったりすることを目的とするプログラムを「AI」と呼ぶのが一般的です。
ただ、これはあくまでも「一般的にはそう認識されている」というレベルのものであり、AI・人工知能に明確な定義が存在するわけではありません。なぜなら、AIの研究者ごとに認識や解釈はそれぞれ少しずつ異なる傾向にあるからです。また、AIが未知の可能性を秘めている存在であり、今後どのような形で活躍していくのかが未知数であることも、AIの定義が明確に定まらない理由のひとつといえます。
AIは、「汎用型AI」と「特化型AI」と呼ばれる2種類に分類することができるのですが、現在多くの企業で研究が進められているのは「特化型AI」です。特化型AIとは、特定の作業だけを遂行するAIのことを指し、自動運転技術や画像認識技術などが該当します。一方の「汎用型AI」は、特定の作業やタスクを限定することなく、人間のように、自分の能力を応用してさまざまな物事に対応することができるものを指します。
そのため、特化型AIに比べて汎用型AIは遥かに実用化が困難であり、AI研究の最終的なゴール地点といっても過言ではありません。
私たちが期待する「ドラえもん」のような存在が実現されるのは、まだ先の未来になると考えられます。
AIコンサルが求められる背景と活用するメリット
AIコンサルが求められるようになった背景としては、やはりAIブームを引き起こすきっかけとなった「ディープラーニング」によってAI活用の幅が一気に広がったことが挙げられます。
ディープラーニングにより、さまざまな業務の効率化・自動化を図ったり、より高い精度での予測・分析を行ったりすることが可能になりましたが、その一方でAI開発の難易度も高くなってきているのが実情です。そのため、AIエンジニアやデータサイエンティスト、そしてAIプランニングなど、より高度な技術を有する人材が欠かせません。
しかし、すべての企業がAI開発に関する専門知識を持った人材を雇用できているわけではないため、最近ではAIコンサルを活用し始めるケースが多くなってきているわけです。AIコンサルを活用すれば、AIのプランニングや開発、実装まで行ってくれるため、よりスピーディーにAIを導入したい企業にとって多くのメリットが得られます。
事前にチェック!AIを導入・開発する時のポイント
それでは、AIを導入・開発する際には、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。AI開発において注意すべきポイントは数多く存在しますが、AIを導入・開発する前にあらかじめチェックしておくべきポイントとしては、「AIの導入を目的化してしまわないこと」が挙げられます。
AIの導入を検討していく中で、どのようなAIを開発することが最良なのか、さまざまな議論が交わされることになります。ただ、その議論はあくまで「AIの導入によって課題を解決すること」を目的に行うべきであり、AIの導入をゴールと考えてはいけません。
だからこそ、「課題を解決する」というゴールを明確に設定した上で、適切なAIソリューションの開発に向けた議論を行っていくことが大切になるのです。
こういった点を踏まえると、AIコンサルタントに依頼をする場合においても「自社で課題すべき課題」を明確化した上でコンサル依頼を行ったり、課題を整理する作業から協力してくれるコンサルタントに依頼したりすることが大切になります。
AIコンサルの選び方
コンサル会社には、戦略コンサルや業務改善コンサル、ITコンサルなど、多岐にわたる業務内容が存在します。そして、会社ごとに得意な分野は異なるため、AIコンサルを得意としたコンサル会社を選ぶことが大切です。
自社が抱えている課題に沿ったサービスを提供してもらうためにも、まずはコンサル会社の実績を確認した上で、コミュニケーションを図りながら相性を確かめていくことをおすすめします。また、AIコンサルを得意としているコンサル会社の中にも、さまざまなコンサルタントが在籍しています。そのため、コンサルタントによって知識量や経験などが異なるということも事前に把握しておく必要があります。
より良いAIコンサルを受けるためにも、「分かりやすい言葉で話してもらえるか」「専門知識、ノウハウを有しているか」「実務や現場を理解しているか」などのポイントを頭に入れた上で、コンサルタントとコンタクトを取ることが大切になります。
依頼した場合、AIコンサルはどのような業務を担う?
では、実際にAIコンサルに依頼した場合、AIコンサルはどのような業務を担うのでしょうか。主な業務として挙げられるのは、「ヒアリングや調査をもとにした情報整理」「ニーズや課題を踏まえたアドバイス」「AI活用のプロジェクトを成功に導くためのアドバイス」「予算、体制、課題等を踏まえた上での最適なAIの提案」などです。
そのため、AIの実務経験が必要になるのはもちろんのこと、物事を整理して分かりやすく伝えるための論理的思考や、問題解決に関する能力などが求められます。状況に応じて、開発チームの一員となって技術指導を行ったりノウハウ提供を行ったりするケースも少なくありません。
資格やスキルの有無も選ぶ際の指標になる
AIコンサルタントは、資格が必要な職業ではありません。しかし、資格やスキルの有無は、AIコンサル選定時や検討時において、重要なポイントの一つになります。代表的な資格・試験として挙げられるのは、以下のようなものです。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは、システムエンジニアやプログラマーに求められる基本的な知識を体系的に学習できる資格のことです。IT関連の業界で働いている人や、これからIT関連の業界で働きたいと考えている人を対象とした試験といえます。というのも、基本情報技術者試の内容は、コンピュータやシステムの動作に関する基本的な内容から、データベース、ネットワーク、セキュリティといった基礎知識に加え、システム開発の流れや、そのプロセスの中で検討すべきポイントについてもしっかりと押さえることができるからです。
Pythonエンジニア認定試験
Pythonのエンジニア認定試験には、「Python3エンジニア認定基礎試験」「Python3エンジニア認定データ分析試験」の2種類が存在します。Python3エンジニア認定基礎試験はPythonの基本的な文法知識を問う試験で、Python3エンジニア認定データ分析試験はPythonを用いてデータ分析を行う際のライブラリや数学の知識が問われる試験です。
統計検定
統計検定とは、統計に関する知識と活用力を評価するための全国統一試験です。AI人材として活躍するためには、AIにデータを学習させる際に必要となる統計の知識が欠かせません。そのため、統計検定の資格を取得しておくことで、データサイエンティストとしても評価されやすくなります。
G検定(ジェネラリスト)
G検定(ジェネラリスト検定)とは、一般社団法人ディープラーニング協会が主催している、AIやディープラーニングに関する検定試験です。
G検定を通して、ディープラーニング(深層学習)の基礎知識を習得し、知識やスキルを活用して適切な活用方針を定め、ビジネスに活用する能力を測ることができます。
E資格(エンジニア)
E資格とは、一般社団法人ディープラーニング協会(JDLA)が主催する、ディープラーニングの知識やスキルを問う民間資格です。ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定することが目的の資格となっています。
もちろん、上記のような資格を所有しているからといって、必ずしも優秀な人材であることが保障されるわけではありませんが、ひとつの判断基準として重要なポイントになります。これらに加え、プレゼンテーション力やコミュニケーション力、そしてAIやIT技術全般に関する知識なども選定の際に考慮することで、AIコンサル選定に失敗するリスクを減らすことができるようになります。
代表的なAIコンサル会社8選
現在は、さまざまなAIコンサル会社が存在しています。自社にとって最適なコンサルを受けるためには、AIコンサル会社ごとの特徴を事前に把握しておくことが大切です。ここからは、代表的なAIコンサル会社の特徴をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
PwCコンサルティング合同会社
ロンドンを拠点としたコンサルティング会社「PwCコンサルティング」は、2017年に新組織「AI・ソフトウェアロボティクス・センター」を開設しました。この「AI・ソフトウェアロボティクス・センター」では、AI・RPAを活用した戦略立案から実装まで多岐に渡りコンサルを行っています。
「PwCコンサルティング」は世界157ヶ国で事業を展開しているため、数多くの知見が蓄積されています。それらを元にした、最適なソリューションを提供しているのが大きな特徴です。
デロイトトーマツコンサルティング合同会社
1993年に総合系コンサルティングファームとして設立された「デロイトトーマツコンサルティング合同会社」では、提言と戦略立案から実行まで一貫して支援を行っています。現在では、世界48カ国、85の支社を持っており、日本では約2,700人(2018年11月時点)のエキスパートが働いています。
そんなデロイトトーマツコンサルティング合同会社の特徴としては、日本企業の海外進出支援が盛んなことが挙げられます。また、初めから専門性を固定せず、さまざまな分野のプロジェクトを経験することによって、コンサルタントとしての基礎スキルを養っていく「プールユニット採用」を行っている点も大きな特徴の一つです。
アクセンチュア株式会社
アイルランドに本拠地を置くコンサル会社「アクセンチュア」は、日本でも大々的に事業を展開している企業です。最近では、AIにも力を入れ始めたことで注目を集めています。
その一例としては、アクセンチュアが開発を行ったAI HUB プラットフォームをベースとして、特徴を活かした各種AI Poweredサービスが提供されています。
また、「業界別に見た収益や雇用水準の改善点について」「労働者はAIとの協業を期待しているのか」といったAI関連の調査も積極的に行っており、その調査をもとに社会に対して提言も行っています。
IBM
代表的な質問応答システム・意思決定支援システム「Watson」を開発した企業として高い知名度を誇るIBMでも、AIコンサルサービスを提供しています。
そんなIBMでは、「収集したデータをもとに学習していくことにより、傾向を見つけ出して洞察を提供し、専門チームがワークフローや応答時間、顧客体験などを改善していく」というのが、コンサルの大まかな概要です。
具体的には、AIの活用によって、データをもとにしたビジネスの洞察抽出が可能となり、新しいビジネスモデルの発見や利益の促進といった効果につなげていくことが可能になります。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
「EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング」は、2017年に新たに設立されたコンサルティングファームです。「Advisory Cnnected」というスローガンを掲げてEY Japanグループ内の別組織が提供していたアドバイザリー事業を統合し、2017年に発足されました。
2017年6月時点で、世界150以上の国・地域において約25万人のコンサルタントが活動しています。そんな「EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング」社風は、「互いを尊重し、協力する文化」というものです。そのため若手の提案も積極的に取り入れています。
また、専門性やバックグラウンドが異なるメンバーとも力を合わせながらプロジェクトに取り組んでいるのが特徴です。そのため、チームとして貢献する姿勢は重要な要素として考えられています。
アビームコンサルティング株式会社
アビーム・コンサルティングでは、データマイニングや統計解析などに対するノウハウと、日々進化を続ける機械学習・ディープラーニングに関する知識(ノウハウ)を組み合わせたサービスを提供しています。
戦略立案、PoC(Proof of Concept:概念実証)の実行、モデルの策定、評価など、多岐にわたるニーズに対応しているのが特徴です。幅広いサービスを提供していることもあり、多様な経験を持つ人材が在籍していることも特徴といえます。
「データ分析」「戦略・施策立案」「AIシステム構築・導入」という3つの分野からのアプローチによってソリューションを提供しているのが大きな強みです。
株式会社野村総合研究所
野村総合研究所では、デジタルトランスメーションやAIなどに関するコンサルサービスを提供しています。2015年には、「日本の労働人口の 49%がAI(人工知能)やロボットなどで代替することができるようになる」という調査結果を公開したことで、大きな注目を集めました。
また、野村総合研究所ではAIで多様な文書から情報を抽出し、定型化することができるソリューション「Shingan」の開発・販売も行うなど、AIにも力を注いでいます。
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータでも、コンサル業務を行っています。顧客が抱えている課題に対して、多様なソリュ―ションの中から最適なものを選定、提供。AIを導入する前段階のコンサルから、AIアプリケーションの開発、そしてAI導入後のサポートまで、多岐に渡り対応しています。
「NTTデータだからこそ蓄積することができた技術」に裏打ちされたコンサルを受けることができる点は、大きな魅力の一つといえます。
無料AIコンサルはAIsmileyがおすすめ
今回は、AIコンサル会社の特徴や選び方について詳しくご紹介しました。さまざまな企業が存在すること、そして企業ごとに異なる特徴があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ちなみにAIsmileyでは、AI資格を保有したコンサルタントが無料で相談に乗らせていただいております。事前にAIsmileyにご相談いただくことで、課題の整理やAIの実現可能性を比較検討することが可能です。
また、大手コンサルに依頼する前の段階でAIsmileyをご利用いただくことで、準備コストも抑えられます。よりスムーズかつ低コストでのAI導入をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
業務の課題解決に繋がる最新DX・情報をお届けいたします。
メールマガジンの配信をご希望の方は、下記フォームよりご登録ください。登録無料です。
AI・人工知能記事カテゴリ一覧
AI・人工知能サービス
- 生成AI
- 画像生成AI
- ChatGPT
- AI研究開発
- LLM
- DX推進
- おすすめAI企業
- チャットボット
- ボイスボット
- 音声認識・翻訳・通訳
- 画像認識・画像解析
- 顔認証
- AI-OCR
- 外観検査
- 異常検知・予知保全
- 自然言語処理-NLP-
- 検索システム
- 感情認識・感情解析
- AIモデル作成
- 需要予測・ダイナミックプライシング
- AI人材育成・教育
- アノテーション
- AI学習データ作成
- エッジAI
- IoT
- JDLA
- G検定
- E資格
- PoC検証
- RPAツール
- Salesforce Einstein
- Watson(ワトソン)
- Web接客ツール
- サプライチェーン
- メタバース
- AR・VR・デジタルツイン
- MI
- スマートファクトリー
- データ活用・分析
- 機械学習
- ディープラーニング
- 強化学習
- テレワーク・リモートワーク
- マーケテイングオートメーション・MAツール
- マッチング
- レコメンド
- ロボット
- 予測
- 広告・クリエイティブ
- 営業支援・インサイドセールス
- 省人化
- 議事録自動作成
- 配送ルート最適化
- 非接触AI
業態業種別AI導入活用事例
今注目のカテゴリー
AI製品・ソリューションの掲載を
希望される企業様はこちら