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最終更新日:2024/02/08
AIチップの役割、市場動向を解説
AIチップとは、AIによるディープラーニングや機械学習を実行できる半導体チップです。AIテクノロジーの成長が目覚ましい現在、GoogleやAppleをはじめ世界中の大手企業もAIチップの開発に注力しており、さらなる市場成長や画期的な製品が登場する日も近いでしょう。
本記事では、AIチップの役割や注目を集める理由、市場動向などについて詳しく解説します。AIチップの種類や主要メーカーなど、AIチップサービスの検討に役立つ情報も網羅していますので、ぜひ参考にしてください。
AIチップとは、AIによるディープラーニング(深層学習)や機械学習を行うための半導体チップです。AIの機械学習では、情報をデータとして記憶させた上で処理を求める「教師あり学習」が主流であり、学習済みのデータを使って検証向けデータを分析・推定します。この仕組みを採用した事例は、自動運転走行における物体認識と行動判別などです。
AIチップの処理結果データ容量は比較的小さい上、推論に精度の高い演算は不要なため、現場(エッジ)側で必要なシステムを1枚のチップに集積できます。
最初にAIチップとして注目を集めたと言われているのが、Google社の「TPU(Tensor Processing Unit)」です。TPUは、学習向けのライブラリを集めたAIライブラリのフレームワーク「TensorFlow(テンソルフロー)」用に作られたASICと呼ばれる半導体チップで、世界のトップ囲碁棋士を破って名を馳せた囲碁AI「AlphaGo」や、ストリートビューの実装に利用されています。
2016年のTPU発表以来、2017年、2018年、2021年に改良版が発表されており、2018年の新型は「Edge TPU」エッジでの推論に向けた大幅な小型化、省電力化が進みました。

AIチップが注目される背景にあるのが、現在多くのシーンで採用されている「クラウドAI」の課題です。AIによる処理データを活用する現場(エッジ)において、一定のAI性能を確保する必要性が高まっており、AIチップが貢献できると考えられています。
現在主流となっているAIは一般的に、クラウドサーバーで構成されるIoTシステムの実装と、情報を活用する現場(エッジ)とで成り立つ「クラウドAI」です。このクラウドAIシステムには「データ量の壁」「エネルギーの壁」「リアルタイム性の壁」という3つの壁が存在し、将来的な活躍における課題として挙がっています。
AIが持つ学習機能や判断機能は、工場や病院などのエッジからは遠く離れたデータセンターにある高性能サーバーに集約されるのが一般的です。エッジ側で収集したデータは、ネットワーク経由でサーバーに伝えられ、データの蓄積(記憶)を行います。
ただ、扱えるデータ量はサーバーの容量や性能に左右されるため、今後のAI技術のさらなる発展や浸透におけるハードルとなる可能性が懸念されているのです。また、エッジからサーバーへとデータを送るために必要な電力量も確保する必要があります。
さらに、エッジとサーバー間の物理的な距離は通信速度の向上を阻む可能性が高く、現場での迅速な対処が難しいことも問題です。自動運転車や歩行ロボットなど、エッジ側における瞬時対応が重要な用途においては、遅延によって重大なトラブルにつながるリスクも否めません。
先述した「クラウドAIにおける3つの壁」は、エッジAIによる学習と判断によって打破できることが1つの結論として確立されています。しかし、要求性能が高い上、過度な消費電力を要することからエッジ側の機器に実装することは難しいと判断されてきました。
そこで、AI機能をハードウェア化した「AIチップ」に注目が集まっています。現時点では決定的な技術として発表はされていないものの、AIチップによって、エッジ側でのAIテクノロジー運用が効率化でき、今後数十年の間には現実的な運用へ大きく近づくと考えられます。
AIチップについて理解を深める上で欠かせない言葉に「AIアクセラレータ(AI Accelerator)」があります。AIアクセラレータとは、ニューラルネットワークを中心とするAIのモデル処理を高速化するためのハードウェアやシステムのことです。
AIチップはニューラルネットワークのモデルを使い、AIの学習・推定を実行する半導体チップであるのに対し、AIアクセラレータはニューラルネットワークにおける特定の処理を高速化します。AIチップを従来のCPUに対するアクセラレータとして構成するケースも多く、両者の効果的な活用が重要です。

AIチップの半導体にはいくつか種類があり、それぞれで活用シーンや処理性能あたりの消費電力、価格などが異なります。ここでは、AIチップの4つの半導体について解説するため、エッジAIに最適なAIチップを見極めるために参考にしてください。
AIチップの半導体の中で最もメジャーなGPU(Graphics Process Unit)は、画像処理装置として画像や動画、3DやCADデータの処理に使われる半導体チップです。従来はコンピュータグラフィックに必要な演算を行う目的で利用されてきました。よく比較される言葉として、CPU(Central Processing Unit)という汎用的な処理に向いている中央演算処理装置があります。
数コアのCPUに対し、1個あたり数十〜数千のコアを持つGPUは、CPUの命令によりシンプルな行列演算を同時に並列的に処理することが可能です。AIの画像処理は、処理自体はシンプルですが対処量が膨大であり、汎用性の高いCPUで実行できますが、単純な処理を大量に実行できるGPUの方が効率的であるとされ、一気に浸透しました。
画像処理だけでなく、動画編集や3Dゲームなどと適用範囲が広まる中、ディープラーニングの将来性や市場拡大を察知していち早くGPUの最大手となったのがNVIDIA(エヌビディア)社です。
NVIDIA社は、2013年に深層学習の演算処理にGPUを使う実験に成功し、12個のGPUが2,000個のCPUに匹敵するという大きな成果を得ました。以後、一気に世界的なAIチップメーカーとして知られるようになっています。
ASIC(Application Specific Integrated Circuit/エーシック)は、日本語で「特定用途向け集積回路」と呼ばれ、特定用途向けに製造されたカスタムチップです。専用ロジックを持つカスタムチップのASICは、1つでさまざまな用途に使える他のチップに比べると初期費用が高額な傾向があります。ただ、数万個以上の大量生産で高性能・低価格を実現することが可能です。
エッジAIの大本命として期待されるASICは、開発には膨大な時間と費用を要するため、チップ開発から製造までの期間に、アルゴリズムが陳腐化するリスクがあります。また、現時点では入手可能なAI専用チップはUSBスティックタイプを含む少数のみです。消費電力を抑えて効率よく処理を遂行できるため、今後より幅広いシーンで活用されると考えられます。
ASICの代表製品には、2017年にGoogleが発表したオリジナルプロセッサTPU(Tenorflow Processing Unit)などが該当します。
FPGA(Field-Programmable Gate Array)は、「現場でプログラミングできるゲートアレイ」という意味で、目的に合わせてIC(集積回路)の内部ロジック(配線情報)を作り込めるカスタムチップです。GPUよりも処理能力は劣りやすいですが、製造後にロジックの書き換えや再プログラムが可能で、消費電力が小さめで負荷を軽減できる点でも注目されています。
ASICのように専用品ではなく、高い汎用性を備えているため、比較的初期費用を抑えて開発できますが、小ロットでの生産が中心のためASICよりもコストは高くなる傾向です。ディープラーニングのフレームワークにFPGAのような再構成可能なチップを用いることで、柔軟対応が実現するします。
FPGAは大量のサーバを集約しているクラウドやデータセンターに適しており、Amazon AWSやMicrosoft、IBMといった世界的企業も採用しています。並列計算は得意なデバイスであるものの、ディープラーニング向けのFPGAはまだ高価なものが中心です。
SoC(System on a Chip)は、チップ1枚でシステムが完結しているタイプの半導体で、スマホに搭載されているスマホ用SoCが最も一般的です。GPUやFPGA、ASICはAIアクセラレータとしてCPUと共に使われることが多いのに対し、SoCにはCPUやメモリなど必要な要素がすべて組み込まれています。
具体例としては、テスラが独自開発した「FSDチップ」や、NVIDIA社が手掛けたSoCとしての「NVIDIA DRIVE AGX Orin」などです。
SoC上に搭載されている機能は実現するシステム構成によって異なり、CPUだけが搭載されているものもあります。消費電力や価格、供給面でメリットが大きい反面、産業用途として賄えるだけの十分な調達ルートの確保や、新型への対応スピードなどの課題解消が必要です。

AIチップと関連機器をセットにしたエッジAIが社会的に浸透するとともに、AIチップの需要も増加傾向にあり、並行して多くの企業がAIチップの発展に注力しています。ここでは、AIチップの成長や今後の需要予測といった市場動向について見ていきましょう。
2021年のAIチップセットの世界市場規模は81億USドルでしたが、2022年から2030年までの予測期間において、世界市場は2030年に1,417.6億USドル前後に達すると予測されています。
MarketsandMarketsが2020年9月に発表したAI技術関連の予測内では、世界のAIチップセット市場規模は2026年時点ですでに578億USドルに達し、年平均成長率は約40.1%にも上る見込みです。
主な理由としては、大規模かつ複雑なデータセットやAIアプリケーションの増加、ディープラーニングとニューラルネットワークの採用拡大などが挙げられます。消費者サービスの向上と運用コスト削減を目的とした企業におけるAI採用の増加も、市場の成長率を後押ししている要因です。
さまざまな業界におけるAI技術の採用が大幅に増加している中で、アジア太平洋地域(APAC)におけるAIチップの需要が増えるという予測が出ています。日本だけでなく、中国や韓国、オーストラリアといった国において、製造業界や医療業界におけるAIサービスの導入が著しいことなどが理由です。
また、AIハードウェアのコスト削減やAIチップの性能向上、スマホを通した即時性の高いサービス提供への要求増加などの要因も背景にあります。各地域での自動化サービスの進化・成長が、AIハードウェアにおける爆発的な成長を主導していくと考えられます。
AIチップの主要メーカーには、既出のNVIDIAやIBMの他、ArmやSamsung、AMD、Xilinx、Huaweiなどです。これらの企業は、今後5年間で市場における地位やシェアを確立すると見られています。
上記以外にも、中国の大手企業であるAlibabaは2019年12月に、同社初のAIチップ「Hanguang 800(含光800)」を発表しました。また、イスラエルのスタートアップHailoは2020年初めにAIチップ生産に向けて6,000万USドルの資金調達を完了しています。

日本でもNECや富士通、オムロンといった大手有名企業をはじめ、各社がAIチップ開発に注力しています。
東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)では、スピントロニクスを応用したメモリー素子「磁気トンネル接合(MTJ)素子」を応用したAIチップを開発。AIで重要な記憶・学習処理に適したMTJと、判断処理に適したCMOSという2つの技術を組み合わせて、従来のAIチップよりも高性能かつ低消費電力を実現しています。
ロームは2022年9月、ごく小さな消費電力でエッジAIとしての学習・推論を実行できる「オンデバイス学習AIチップ」の開発を発表しました。クラウドサーバーとの連携不要で、従来に比べて1,000分の1ほどの消費電力でエッジ側のリアルタイム故障予知が可能です。
また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、中小企業やベンチャー企業の革新的なアイデアの実用化向け支援事業を展開。AIチップ開発を促進するために、設計や検証用の開発環境の整備や共通技術の開発、IoTやAIに精通した人材の育成環境などに積極的に取り組んでいます。
AI技術がすでに日常生活の多くのシーンで活用されている現代、AIチップはさらなる技術やシステムの浸透を後押しする重要な役割を担うデバイスです。
世界的な大手企業やIT企業はもちろん、日本国内においても多くの企業がAIチップの開発に取り組んでおり、従来のクラウドAIが持つ「3つの壁」をクリアしたAIチップの完成に注目が集まっています。
エッジAIの実現を加速させる高速演算処理AIアクセラレータ「Hailo社AIソリューション」は、エッジアプリケーションにて高精度なグラフィックデータを、高速かつ低消費電力で処理することが可能です。
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